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161.村人とのすれ違い

第10章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 俺たちは闇ギルド討伐を終えたものの、どこか違和感を覚えていた。

 最初にこの村に訪れた時のことを思い返す。村人に領主の居場所を尋ねたあの日だ。


―――――――――――――――――――――――――


「すみませーん! 冒険者ギルドの者なんですが、領主の屋敷はどちらにありますか?」


 俺が声をかけると、農作業の手を止めて振り向いた村人は小さく身をすくめた。


「りょ…領主様の!? あ、あぁ…この道をまっすぐ行くとあるぞ…」


 その声は怯え混じりで、道案内というよりも恐る恐る教えてくれている印象だった。

 しかし、ファニーは「みんなは優しい」と言っていた。

 口では笑顔を見せていても、現実とのギャップに眉がピクピクと動く。


―――――――――――――――――――――――――


 魔族の影は見当たらなかった。ならば、村人から直接情報を得てみよう。


「すみませーん! ファニー様のことについて聞きたいのですが…」


 呼びかけると、村人の肩が小さく震えた。


「な、何かな…?」


 やはりファニー様の名前を出すと、反射的に身構えるようだ。

 確かに貴族の中では型破りかもしれない。だが、表向きの笑顔からは悪意など感じられない。


「い、いえ…。ここの村人から見たファニー様の印象はどんな感じなのかなって…」


 俺は慎重に、さらに踏み込んで質問してみる。


「あ…あぁ……国から勅令で来た君らなら何とかしてくれるかもしれないな」


 ブルガンリルム王国からの勅令で派遣された冒険者ギルド。

 その肩書が、村人の信頼の礎になっているのだろう。


「実は、1年前から税金を大幅に上げられ、俺たちは苦しむ一方なんだ。それに抗議した大人は行方不明になるし…」


「な!? そんなことが!?」


 ファニー様本人は笑顔で「皆仲良くやっている」と話していたはずなのに、村人の口から出る話はまるで別世界の出来事だった。

 しかも「行方不明」とは――。


「ファニー様の父、ロニー様はそれはそれは立派な領主様だった。しかし、ある日体調を崩して亡くなってしまわれたんだ」


 なるほど。ファニーの父は立派だったが、息子の治世は一筋縄ではいかないらしい。

 だが、俺にはファニーが嘘をついているとは思えなかった。

 この事態、一体どういうことなのだろう。


「優しすぎるファニー様は頼りないが、村の皆で力を合わせればロニー様とは違う立派な領主様になってくれると思ったのだが…」


 恐れつつも、村人たちは過去の信頼を忘れてはいない。

 今もなお、ファニーが皆で協力すれば素晴らしい領主になれると信じているのだろう。


「へーーーい!!!!! 僕がどうかしたかって!?!?!?」


 その時、アロハシャツにサングラスをかけたファニーが元気いっぱいに現れた。


「ファニー様!?!? い、いえ! なんでもありません!!!」


 村人は怯えながら後ずさり、影のように小道の奥へ消えていった。


「ウェルたち凄いね!!! 冒険者ギルドは闇ギルドより弱いと聞いていたけど、こんなにあっさり倒すなんて!!! さぁ! 宴の準備はできている!! パーティーと洒落こもうではないか!!!」


 眩しい笑顔と勢いで空気が明るくなる。

 鳥の鳴き声と葉のざわめきが、異様なまでの平和さを演出していた。


「…ファニー…それより聞きたいことがあるんですが…」


 俺は背筋を伸ばし、違和感の正体を問いただすべく声を発した。

 屋敷内に響く声と、外の穏やかな風景のコントラストが、奇妙な緊張感を生んでいた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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