154.快進撃
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ズバッ!
「がは!?」
鋭い閃光が走り、モンドアーの腹から血飛沫が散った。
俺は剣を握りしめ、反射的に身を引いた。
濃密な鉄の匂いが空気を満たし、石造りの広間の床に血の波紋が広がっていく。
「あぁ…美少年に切られるのも…悪くない!!!!!!」
うわぁ!? なんだコイツ!? 気持ち悪っ!!
このおっさん、棺桶の中でずっとショタ好き発言してたんだぞ!?
鳥肌が立つにもほどがある!
それに――【悪くない】は俺の専売特許だ!!!
すると。
シュー…。
傷口から立ち上る蒸気。見る間にモンドアーの肉が再生し、血が引いていく。
「!? 傷が治った!?」
「このまま倒れてもよかったんだが、治さないと美少年を抱きしめられないぞい?」
だから気持ち悪いって!!! 誰がそんな趣味持ってるか!
「ワシの固有魔法【オートヒール】。この魔法のおかげで【不死身のモンドアー】と呼ばれておるのだぞい」
オートヒール――それは意思に関係なく自動で発動する自己回復魔法。
本人いわく、ある程度の制御も可能らしい。
なるほど、だから致命傷でも立っていられるのか。
「さすが闇ギルドのギルドマスター。一筋縄ではいかないか…」
闇ギルドは基本的に冒険者ギルドよりも格上。
ナハトのギルドマスター【シュラム】には及ばないと思っていたが、やはり只者ではない。
その圧は、空気を震わせるほどだ。
「それはそうと…よくもワシを騙しおったなブラン!! 二人まとめて殺してやる!!」
最初からブランは俺たちの仲間だった。
ダマーカミの潜入調査のため、芝居を打っていただけ。
「そしてその後…ウェル・ベルクの死体をワシのベッドに…ぐへへへへへ」
ゾワッ!?!?!? だからやめい!!!
「さぁ!! 野郎ども!! コイツらをぶち殺せ!!!」
やっと“悪の親玉”らしいセリフが出たな。
だが、それは無意味だ。
……シーン。
「!? なぜ誰も反応をしない!? カシュー! ルミク! チオピスタ!」
今呼んだのはおそらく幹部たちの名だ。
しかし返事はない。
トットット…
「まぁまぁの手応えだったアルな!」
「ナハトに比べたら手応えがないでござる」
「全員何事もなく倒せたのですから、良かったことにしませんこと?」
「ほとんどテンテンとサヤだけで倒してしまいましたからね」
奥の通路から現れたのは、戦いの気配を残した美女たち。
テンテン、サヤ、リーズ、そしてココさんだ。
「ウェルーーーー!!!! 貞操はまだ大丈夫じゃかのうーーーー!?!?」
ココさんの肩の上には、いつものようにエリスお嬢様。
その小さな体が嬉々として揺れている。
「エリスお嬢様!! 声でかい!!」
お嬢様が、俺の貞操危機を若干楽しんでるように見えるのは気のせいか?
俺は男で童貞を卒業したくない!!
「ま、まさかワシの幹部が、こんな小娘どもに倒されてしまったのか!?!?」
「もう少し強いやつが欲しかったアルな!」
「ぐぬぬぬぬぬ!!! ならば不死身のモンドアーと呼ばれるワシ自ら相手になってやろう!!」
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