151.煮え切らない決着
第9章完結まで連続投稿します!
次回完結!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「はああああああああ!!!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
ズガガガガガガガガ!!!!!!!!
火花と衝撃波が交錯し、焦げた大地がえぐれ、空気が震える。俺とシュラムは互いの剣を弾き合い、まるで雷鳴のような斬撃を繰り返していた。
「…ウェル…が…頑張るのじゃ」
エリスお嬢様は遠くで倒れ込みながらも、仲間たちとテレパシーで意識を繋いでいた。魔力の糸は細く、今にも途切れそうだ。額から流れる汗が地面に落ち、光を反射して揺れる。
「素晴らしいぞ! ここまでやるとは思わなかった! こんなに楽しい戦いは久しぶりだ!」
シュラムの双眸が赤く輝き、笑いながら剣を構える。その表情には、明らかに戦闘狂の狂気が宿っていた。
「俺は…戦いは別に好きじゃない! 仲間のために戦っているんだ!! 自分のためにしか戦わないやつなんかに、俺は絶対に負けない!!!!」
俺の叫びが響くと、焦げた地面に風が走った。
異世界転生した時はただの無能なおっさん。冒険者をやっても追放されて、すべてが空っぽだった。
でも、エリスお嬢様と出会って、人生が変わった。
そして今、多くの仲間たちが俺の背中を押してくれている。
一人じゃない――その想いが、胸の奥を熱くした。
「迅剣!!!!」
ズバ!
ココさんのなめらかな剣筋が閃光のように走る。
続いて――
「剛剣!!!」
ゲルドさんの豪腕が振るう一撃が、空気ごと地を震わせた。
スガーーーン!!!!
「ぐっ!? まだこんな力があったか!」
シュラムの身体がよろめく。
その瞬間を逃さず――
ガキン!
俺は剣を滑らせ、相手の刃を外すように流した。懐が一瞬、がら空きになる。
「発勁!!!」
もう片方の掌を突き出し、テンちゃんの技を叩き込む!
「ぐほぁ!?」
鈍い音と共にシュラムの身体が仰け反る。
「滅魔流【魔翔一閃】!!!」
ズバーーーーーン!!!!
閃光のような斬撃が轟音となる。
「ぐはぁ!!!」
ズザザザザーッ!
シュラムが吹き飛ぶ。しかし、
「…どうした!? もう終いか!?」
俺の攻撃に耐えて倒れもしない。
なんてタフな奴だ。ここまで斬り刻んでも倒れない。
スガガガガガガガガ!!!!
再び剣戟の嵐。火花が闇を照らし、音が爆ぜる。
だが、明らかにシュラムの剣筋が鈍ってきている。効いている――!
「ウェル~聴こえる~?」
頭の中に、柔らかな声が響いた。
「レナの声!?どこから!?」
「精霊界から話してるわよ~? もう霊力がないだろうからアレクディアが力を貸してくれるってさ! 掟じゃ精霊との契約がないとダメなんだけど【精霊王】は今回だけ特別だって~!」
【精霊王】って誰!? 精霊界に王がいるのか。とにかく助かった!
ガキン!!
俺はシュラムの剣を弾き返す。
「ホーリーレスフリー!!!」
掌から放たれた聖なる光が一筋の閃光となって貫いた。
「ぐおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ズガガガガガガガガ!!!!
光の奔流が爆ぜ、腐食した地面が一瞬にして浄化される。
ディアブロシーの防御がないからかなり効いている!
いける――!もう一息だ!!
魔導霊気刀。
すでに光魔法【リリース】を三重にエンチャントしている。
エンチャントの最大の利点は、半永久的な効果維持。
ラーニングを複数発動できるのは一度きりだが、武器に宿した魔法は消えない。
ただし、制限がある。
生身には一つ、武器には二つまで。
魔導霊気刀は特別製だからこそ、ここまで耐えている。だが――もう限界だ。
「ラーニング4つ同時発動!【トリプルリリースエンチャント】!!!!」
俺は叫び、光を纏う。
魔導霊気刀に三重のリリースを重ね、合計六重のエンチャントが爆ぜた。
ピシピシ…
刃に走る亀裂。限界が近い。
「さぁ来い!!!俺の全力で決着をつけよう!!!フツルギ【獄閻魔】!!!」
シュラムの剣が禍々しいオーラを纏い、倍以上に膨れ上がる。闇が形を取り、地面が焦げていく。
発勁を喰らい、滅魔流の斬撃を受け、ホーリーレスフリーまで直撃したというのに――
まだ、こんな力を残していたのか。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
ガキーーーーーン!!!!
白と黒の閃光がぶつかり合い、世界が一瞬、静止したかのように感じた。
「ぐぐっ! 俺は!!! 負けない!!!」
ピシピシ…
フツルギに走る亀裂。
「ここまでやるとは…」
バキーン!!!
魔導霊気刀がフツルギを粉砕する。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
ズバーーーーーン!!!!
光の軌跡が闇を貫き、シュラムを斬った。
「…完敗だ」
ズシーン!!
巨体が崩れ、地面が揺れる。
「…か…勝った…」
ピシピシ…バリーン!!
魔導霊気刀が砕け散り、光の粒となって消えていった。
「あぁ…せっかくの…魔導霊気刀が…」
バタッ!
力尽き、俺はその場に倒れ込む。
「ウェル!!」
エリスお嬢様が駆け寄り、膝をついた。
「…ウェル!」
その瞳が、今にも泣き出しそうに揺れている。
「…だ…大丈夫ですよ…指一本動かせませんけどね…はは…」
弱々しい笑みを浮かべる俺に、エリスお嬢様は安堵の息を漏らす。
「無茶ばかりしおって…」
本当に、その通りだった。
けれど――あのシュラムには、全力以上で挑まなければ勝てなかった。
チートな呪術【ディアブロシー】を除いても、タフさ、剣術、どれもとんでもない実力だった。
能力に溺れずに鍛えてきたのだろう。
パチ…パチ…パチ…パチ…パチ…パチ…
静寂の中、拍手の音が響いた。
誰だ? 俺とエリスお嬢様以外に、生きている者がいるのか!?
「いやはや素晴らしい勝負だったよ。人間同士の戦いで、たぎったのは久しぶりだ」
低く、どこか楽しげな声。
砂煙の向こうから、ひとりの男が姿を現す。
「お…お前は…!!!」
その声、その姿――忘れられるわけがない。
「生きていたのか…ピエール!!」
信じられない。奴は死んだはずだ。
なのに、目の前に――!
最悪だ。今の俺にはもう戦う力なんて残っていない。
バッ!
エリスお嬢様が俺の前に立ちはだかった。
「何しに来たのじゃ!!」
「エリスお嬢様…ダメだ…」
必死に気丈を装うお嬢様。
「相変わらず威勢のいい小娘だ。だが安心しろ。お前たちには用はない」
「!? どういうことだ!?」
「俺はこの人間を回収しに来たのだ」
「シュラムを!? なぜだ!?」
やはりナハトとラプラスは繋がっているのか!?
「最初は殺して魔石だけを回収する予定だったのだが、予定が変わった。ラプラス様が【アリストクラキー】に興味を持たれたのだ」
「な…なんだと!?」
7人の令嬢を殺すことで悪魔を呼び、世界を終わらせるというアリストクラキーをラプラスも狙うというのか!?
この言い分だとナハトとラプラスは繋がっていないようだが、どのみちエリスお嬢様がまた命を狙われるのことに変わりはない!
「ではさらばだ」
「ま…待て!」
ピエールはシュラムを黒い何かに包んで姿を消した。
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闇ギルド【ナハト】との長い戦いが終わり、数日後――
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