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149.万策は尽きた。しかし…

第9章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 ピンチだ。


 もう打つ手がない…。


 【深淵の闇魔法】は自分で引き出せず、リスクもあまりに大きすぎる…。


 どうすれば…?


 【キョフビト】――


 ナハトのギルドマスター【シュラム】が使う奥の手。腐食液で形成された液体の巨人。その中心にシュラムがいる。


 さっきまで攻撃が全く効かなかったというのに、あんなドロドロの腐食液に包まれてしまったら、打つ手はほとんどない。


 完全な防御。防ぐことのできない攻撃。


 最悪だ。


 動きは鈍いが、巨人は地面を揺らしながら、じわじわとこちらに迫ってくる。腐食液が地面に滴り落ち、地面を溶かして蒸気が立ち上る。


「闇魔法【マナドレイン】!!」


 グリーンドラゴン、オークロード戦で活躍した魔法を放つ――果たして効果は?


「うげ!? きもちわる!?!?」


 吐き気が込み上げる。呪術と魔法の違いか、腐食の影響か、とにかくマナドレインはまずかった!


 ならば――


「【ウィークネス】!!」


 お前の部下が使っていた魔法はどうだ!? 脱力させて腐食液を解除できるか!?


「…ルビーの固有魔法か…俺に効くと思うのか?」


 くっ!! ダメか!!


 おそらくこれも【脱力を腐食させて】いるだろう。


 だったら――


「レナ!!」


「オッケ~!」


 腐食に光!これならどうだ!


「【ホーリーレスフリー】!!」


「【ホーリーキャノン】!!」


 残りわずかの霊力を使い、レナと光属性の霊力を合わせる。


 ズドーン!!!!!


 どうだ!?


「ぐっ!?」


 ガクッ


 霊力を使い果たしたようだ。魔導霊気は1秒も使えない。体は重く、全身が鉛のように感じる。


「これでもダメならもう…」


 …


 ズシーーーン!!!!


 シュラムが姿を現す。


「光属性なら効くと思ったか? 残念ながら腐食は闇属性ではなく、毒属性だ!」


 …ダメなのか…。


「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


 諦めるわけにはいかない!!


「雷魔法【サンダーボルト】!!!! 氷魔法【コールドランス】!!!! 風魔法【ウィンドウジャベリン】!!!! 毒魔法【ヴェノム】!!!! 光魔法【フォトンショット】!!!! 闇魔法【ダークショット】!!!!」


 やぶれかぶれだ!!!!


 ズドーーーン!!!! ズドーーーン!!!! ズドーーーン!!!!!!


「はぁ…はぁ…」


 …


 ズシーーーン!!!!


 ジュウウウウウ…


「はーっはっはっは!!!! 魔力のムダ使いをして何になる? 万策尽きたようだな!!!」


 く、くそ


 ガクッ


 !?


 な、なんだ!?


「か…身体が…シビれる…!?」


 どういうことだ!?


「言い忘れていたが、この【キョフビト】の腐食臭がキツいだろ? これは毒ガスを生み出しているのだ!」


「な、なんだと!?」


 今までポイズンカース、ヒュドラの毒ガス、毒魔法【ヴェノム】など、様々な毒に耐性をつけてきたが、腐食の毒ガスは初めてだ。


「く、くそ!!」


「あ、アタシも…」


 レナも毒にやられ、シューー…精霊界に強制送還された。


 ここまでなのか…。絶対勝つと約束したのに。エリスお嬢様と交わした誓いも守れないのか…。


「何をあきらめておるのじゃ馬鹿者!!」


 ザッ!!


「エリスお嬢様!?」


 いつの間にか、エリスお嬢様が俺の目の前に立っていた。


「妾たちはこやつを倒す!! それ以外なんの選択肢があるというのじゃ! ここで死んだら、他で戦っている者たちに申し訳が立たんじゃろ!!」


 エリスお嬢様…。


「ほぅ…なかなか威勢のいい小娘だな! 虚勢で生きていけるほど甘い世界ではないことを知らんのか?」


 だが、それでも俺は――


「そうだ…あきらめて…たまるか!」


 ギリギリで立ち上がり、魔導霊気刀を握る。


「…もう…何もできんだろうに…哀れなガキだ。そろそろこの戦いに飽きてきたから、一思いに葬ってやろう」


 シュラムをまとう腐食の巨人が拳を振り下ろす。


「【キョフメツ】」


 スガーーン!!!!!!!!


 地面が割れる勢いで腐食液が襲い掛かる。


 腐食液に飲み込まれた――このままドロドロに肉体が溶けてなくなるのか。


 申し訳ない、エリスお嬢様。負けてしまった。


 ココさん、エリスお嬢様を守れずすまない。テンちゃん、リーズ、サヤ、レオンさん…。


 俺はもうダメかもしれない。しかし、たとえ俺が死んでも、皆ならきっと…。


 あぁ…こんな時にもっと色々やっておくべきだった。


 屋敷はどうなる? 俺とエリスお嬢様がいなければ、誰が継ぐ?


 あ、レナがいたか。もともとレナの屋敷だから、精霊界で回復してくれるだろう。恐らくリーズを経由して事態を知らせてくれるはず…。


 …


 …


 …


 なんだ?死ぬ瞬間ってこんなに長いのか?


「(死んでないわ! 馬鹿者!)」


 「!?!?!?」


 エリスお嬢様の声――!?


「(妾の新技の一つ、空間魔法【テレパシー】じゃ」


「(新技!? そういえばピラミッドに入る前に言っていたな)」


 新技の一つ、ということは…。


「(妾のもう1つの新技でヤツを倒すことができる。ウェルにその魔法をかけたから、ラーニング習得まで1分そのままでいるのじゃ)」


 そうか。シュラムは俺たちが死んだと思って油断している。


「(それまで、この魔法のこととヤツの弱点を説明してやろう。今度こそ反撃じゃ!)」

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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