139.全面戦争
第9章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
俺は風魔法エアウォークで宙を滑るように飛び、キマネへ斬りかかった。
「レベル3(スリー)ジャイアント部分召喚!」
キマネは足元から両手を地面に添えると、空間に穴を裂くように巨大なゾンビの腕を召喚した。
「【巨族の拳】」
ズガーン!!!!!!
「うわ!」
巨大なゾンビの拳が降り注ぎ、必死でかわしたが、ピラミッドの外壁を粉砕した。砂埃と石片が舞い上がり、砂漠に響く轟音が耳を震わせる。
「なかなか俊敏ですね。それでは部分召喚と言わず全身を召喚しましょうか」
両手を足元に置き、キマネは異空間を裂くように3体の巨人型ゾンビを召喚した。
「…デカいアルね!」
巨族。身長10m前後のゾンビ化された巨人たちが、砂煙を蹴散らしながら立ち上がる。
「レベル1ゾンビ30体召喚!」
続けてキマネは一般的なレベル1ゾンビ30体を召喚する。砂埃の中、うごめく無数のゾンビが視界を埋める。
「それでは私はこれで失礼。戦うなら別料金を頂かないといけませんので。レベル3ジャイアントバード召喚」
巨大な鳥が現れ、キマネはそれに乗ってピラミッドの頂上から飛び去った。
「待て!」
しかし、巨族ゾンビや群がるレベル1ゾンビが進路を遮る。
「きっちりしているでござるな」
キマネの狙いはあくまで俺たちを欺くこと。冒険者たちは生きていると示すための策略だったようだ。罠もあったのだろうが、失敗に終わったらしい。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず! ピラミッドの中に突入するぞ!」
罠など恐れることはない。ここが闇ギルド【ナハト】の本拠地であるなら、突入は必然だ。
「コケツニイレバ!? 何語でござるかウェル殿!?」
つい前世のことわざを口にしてしまった俺。
「危険を侵さなければ成果は得られぬということじゃ! ここが闇ギルドのアジトなら突入するのみじゃ!」
エリスお嬢様がナイスフォロー。
「グオオオオオオオオオ!!!!!!」
ゾンビたちが前方で唸る。
「こいつら邪魔アル!!」
「わたくしが一気に倒して差し上げますわ!」
光属性の霊力でアンデッドに致命的なダメージを与えることができる。
「…いや、私が残ってあなたがたは先に行ってください」
ココさんが自ら残ろうとする。
「ココさん! どうして!? みんなでやりましょう!」
いくらココさんでも、ゾンビたち相手に単独で戦うのは危険だ。
「いえ、大丈夫です。私はこの旅で痛感しました」
ココさんは覚悟を決め、俺たちの前に立ちはだかる。
「…私は弱い! 恐らくナハトの幹部には手も足も出ないでしょう。ならあなたがたに託します! ここで体力や魔力を消費してはなりません」
ココさんなりの判断か。
「それなら妾も残ろうかのう。サポートが入れば安全じゃろ? 新技も試したいしのう」
「エリスお嬢様まで! てか新技って何!?」
初耳の新技だ。
「気にせんでいい! お主らが相手にするのは更に強大な敵じゃ!」
「…どうやらゾンビだけではないでござるよ」
サヤの視線はピラミッドの入口に向けられていた。
そこにはガラの悪い男たちが続々と現れる。
「俺たちはナハトの【ノーナンバーズ】! お命頂戴するぜー!!」
【ノーナンバーズ】。
ナハトの幹部にはナンバーが入っている。そのナンバーがない。
つまり、幹部になれなかったナハトのメンバーを【ノーナンバーズ】と呼んでいる。
エリスお嬢様の屋敷を襲った黒装束たちもノーナンバーズなんだろうか?
「つまり、雑兵のザコどもじゃな。しかし、こうワラワラと多いとキツいのう」
砂埃が舞う中、ノーナンバーズは次々と襲いかかってくる。
「お前たちの誰かを殺せば俺たちの誰かが幹部昇格だ! いくぜーーー!!!」
幹部が3人も抜けたため、ノーナンバーズの気合いは異様に高い。
「仕方ない…魔力の消費は気にしてられないな!」
俺が構えたその時。
「氷剣【フリーズブレイド】!!」
ぴきぃーーん!!
全てのレベル1ゾンビが凍りつき、砂埃に閉ざされた視界で青白い氷の輝きが反射する。
「こ、この技は!!」
見覚えのある技。
「闇ギルドにこの人数だけで攻め込むのは感心しないな」
「もしかしてレオンさん!?」
冒険者ギルド【ブレイブハート】のS級冒険者、レオン・スティーブンが背後に現れたのだ。
「なんだなんだ!?」
「何者だ!?!?」
ノーナンバーズがざわめく。
「ただの通りすがりさ」
その瞬間、ピラミッドの入口上空から顔を布で覆った少女が飛び込む。
「マシンガーーーーーーン!!! ボンバーーーーー!!!!!」
ドガガガガガガガガガ!!!!!!
爆発する拳がノーナンバーズを次々と薙ぎ倒す。
「アタシもいるよ!!」
ブレイブハートの武道家、【テリーサ・ワイラー】が現れたのだ。
「いったいどこから来やがるんだ!」
砂煙に包まれ、次々と倒れるノーナンバーズ。
ゴゴゴゴゴ…。
バリーン!
「グオオオオオオオオオ!!!!!!」
すると、凍結された巨族のゾンビたちは自ら氷を破壊し、復活した。
「おや、意外とやるね」
倒したと思ったレオンの背後から、巨族のゾンビが襲いかかろうとする。
シュン!!
別の巨族ゾンビとレオンが入れ替わった。
ズガン!
殴りかかった拳は別の巨族ゾンビのスネに直撃し、ヒザをつく。
「グオオオオオオオオオ!!!!!!」
「ゾンビでも痛みはあるのかい!?」
二刀流の魔法剣士、キーファ・コッカーの固有魔法【チェンジ】による入れ替えだ。
「俺たちもいるぞ!!」
布で顔を隠した集団が砂漠から現れる。
「その声はまさか!!」
剣士ビリーとルミネスゲートの冒険者たちだ。
実は上空には目に見えない飛行船があり、ステルス迷彩で侵入していたのだった。
「ほっほっほ! 貸し1つじゃよ?」
飛行船を操作しながらブルガンリルム王【ヴィヴィアン】に話しかけるのは、グリムリペアNo.10、悪魔の頭脳【クレスト・キオール】。
「ふぉっふぉっふぉ! 大きすぎて返せる貸しじゃなさそうじゃな!」
各冒険者ギルドを搭載した飛行船は砂漠に降り、ステルスマントを羽織った冒険者たちは秘密裏にナハト王国へ侵入していた。
「これでどこの誰だかわからないまま襲撃できるのう。これならノワも報復できまい!」
全員顔を隠し、経路も不明。誰に襲撃されたかわからなければノワは報復しようがない。
こうして闇ギルド【ナハト】とブルガンリルム王国の全冒険者ギルドによる全面戦争が幕を開けた。
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