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箱庭幻想譚―異世界に転生した私の幸せになりたいと願った物語―  作者: 物部 妖狐
第二章 修行、そして旅に出る

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二人の朝

 日の光が窓から差し込む中で思い出すけど、何て言うか昨晩は凄かった。

お風呂であった出来事でナニがすごかったって言うと……、あれが凄かったとしか言いようがない。

あのドスケベ衣装からは予想が出来ない程に、引き締まり鍛えられた身体には筋肉が浮き出ていて思わず眼が離せなかったし、その上にある胸部装甲に至っては母性を感じる柔らかさに思わず、子供に返ってしまいそうだった。

更にはっ!


『シャルネ、翼を出してくれる?折角綺麗な肌と髪をしてるんだから、そこも綺麗にしないと』


 言われるがまま翼を出すと、最早言葉にする事すら難しい快楽に思わず言葉すら忘れ骨抜きにされてしまった。

今まで自由に出し入れ出来るから洗わなくてもいいと思ってたけど、ここまで凄いなら次からちゃんと綺麗にする習慣をつけた方がいい気がする。

その後はお風呂を出て、二階の部屋に移動すると意識が落ちて眠りに落ちるまでの間、どうすれば人見知りしないで人と接する事が出来るのかと話し合ったけど、結果的に私にあってる方法は、相手の顔を無理に見て話そうとせずに唇を見て話すということ。

こうする事で緊張せずに話せる筈という事だけど、旅に出たら試してみよう思う。


「シャルネ、起きたの?」

「え?……あぁ、うん、おはようセイラ」

「随分遅くまで寝ていたわね、昨日の試験の疲れが結構あった?」

「んー、分からないけど多分そうかも?」

「なら眠いならもっと寝た方がいいんじゃない?ゼンが帰って来たら起こすから、それまで休んでていいよ?」


 その言葉に甘えて寝てもいいかもって思うけど、朝になってもゼンさんが帰って来ない事が凄い気になる。

セイラさんが家に泊まる許可を得たとは言ってたけど、彼が朝になっても帰ってこないだ何て話は聞いて無いし、もしかしたら何かがあったのかもしれない。

そう思うと凄い心配だし、セイラさんに鍛冶屋さんの場所を聞いて迎えに行きたくなるけど、折角来てくれたのに私の個人的な事情で帰すのもなんか気まずくていやだ。

取り合えずここは直接聞いた方がいいかも?


「ゼンさん、まだ帰って来てないの?」

「武器の手入れに時間掛かってるんでしょうね、ゼンの使ってる剣って切れ味よりも耐久性を重視した造りになってるからしょうがないのよ、それにあの試験で私の攻撃を直接剣で受けたじゃない?」

「あの凄い速い攻撃だよね」

「えぇ、私の体重と速度を掛けた威力が出るから、私にとっては必殺の一撃なんだけど、あの一撃を受けた以上間違いなく刀身が歪んだ筈、つまり少しずつ直しては振った剣の感覚を調整したりしてるんじゃない?」


 聞いていて思うけど武器の調整って凄い大変そう。

私も大鎌を使うけど……壊れたら同じようにする必要があるのだろうか。

そう思うとめんどくさいなぁって言うか、折角【暴食と施し】という優秀な能力があるんだから、力押しで戦ってもいい気がする。

だってさ、前衛のゼンさん、農具を武器として使い尚且つ毒の魔法を使う事が出来るカー君、これだけでも前衛と中衛って感じで綺麗に分かれてるし……それなら私は近接プラス、魔力の塊を遠くから投げるオールラウンダーって感じで良いんじゃないかなって思うんだけどどうだろう。

ほら、そうすれば役割が綺麗に分けられ……あれ?、カー君と何か被ってない?気のせいかな、気のせいじゃないよね。

何だかこんがらがって来たから今はゼンさんの武器の事を考えた方が良いかも。


「そんな事しなくても、耐久性を重視してるならそこまでしなくてもいいんじゃ?」

「……何を言ってるの?刀身が歪んでいたらそれこそ、耐久性に問題が出るし切れ味も落ちるからメンテナンスは必要よ?」

「え?でも、切れ味はそんなないんじゃ……、あれ?でもどうしてそれなのに斬れて?あれ?」

「切れ味が低くても本人の技量である程度補う事が出来るわ、けど……ゼンの特性を使う為には武器の耐久性が必要になるの」

「あの【斬】っていうとんでもない奴だよね?」


 本人が斬れると思ったものを、距離関係なく斬る事が出来るとんでもない特性、それを使うのに武器の耐久性が必要何て話今まで聞いた事が無かったから、変な感じかも。


「えぇ、普通の武器なら一回振っただけで折れて使いものにならなくなるわ、だからあの二本の剣には凄い貴重な素材が沢山使われてるのよ」

「……え?そんな事しなくても、心器って言う凄い特殊な武器が出せるんだし、それで良いんじゃない?」

「それじゃだめなのよ、確かに心器は便利だし……様々な能力を付与してくれるけど、あなた達が戦う事になるのは神よ?もし壊されような事があったら、ダメージが直接返って来て死ぬわ」

「でも、心器は精神が安定していれば、性能や耐久性が上がるんじゃないの?」

「……神何て化け物にそんな理屈が通じると思う?気になるならあなたが心器を使えるようになって、プリムラスグロリア様に使ってみなさい……生命力を吸い尽くされて死ぬから」


……心器を神に使ったら死ぬ?それってどういう事なのかなって思ったけど、『生命力を吸い尽くされて死ぬ』って聞いて言葉を聞いて何となくわかった事がする。

つまり……それって私も同じ事が出来るんじゃ?ほら、敵が心器を使って来た時に攻撃を受け止めて【暴食と施し】の力で、生命力を奪って無力化したりとか?そう思うと何だか私にも、何か出来る事があるかもしれない。

そう思うと何だか嬉しくなって、少しだけ旅が楽しみになってくるのだった。

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