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箱庭幻想譚―異世界に転生した私の幸せになりたいと願った物語―  作者: 物部 妖狐
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旅立ちの準備へ

 とりあえず明日から能力を使う方法を教えて貰う事になったけど、この話が終わっても一向にカー君が来ない。

……遅いなぁ、どうしたのかなぁって思っていると、本殿の扉がゆっくりと開いて


「プリムラスグロリア様、すいません遅くなりました」

「セイラ、結構遅かったのぅ……カーティスとやらと何かしておったのか?」

「……しようとしたんだけどね、ガードが固すぎて口説き落とせなかったよ」


 セイラさんが入って来た後に続いて、何があったのか片方の頬が叩かれたように赤くなっているカー君が入って来る。

……いったい兄をしようとしたんですかねぇ、それに口説き落とせなかったって、栄花の首都で現地妻でも作ろうとしていたとか?。

まぁ……カー君の目的の事を考えたらしょうがないのかもしれないけど、色んな国に行って奥さんを増やして、その度に子供が増えていたら、そのうち歴史に名を残すレベルで家族が増えそう。

この世界には無いけど、ギネス記録達成とか……?ん-身内が奥さんの数と子供の数で有名になるってなんかいやかも。


「それはしょうがない、こやつはわっちに付き従っておきながら未だに生娘じゃからな……早く繁殖して子を残せと言うておるのに頑なに伴侶を作ろうとせん、あのマチザワでさえ子を残したというのに、まだ伴侶を得て無いのはセイラとゼンだけじゃぞ?老いる前に誰でもいいからさっさと捕まえんか」

「あ?それくらいおまえの能力で勝手に増やせばいいだろ……、俺達の生命力を集めてんだから組み合わせて増やせんだろ?」

「……え?ゼンさんそうなの?」

「あぁ、プリムラスグロリアは任意の二人の生命力を凝縮させて掛け合わせて産み出した新たな命に自身の権能を使う事で、何時でも新しい命を作ることが出来んだよ」

「普段はわっちが外で活動する用の身体を作るのに使っておるがな、この幼い肉体もそうじゃよ?、作った身体にわっちの生命力を流し込んで作り上げた分霊のようなものじゃな、まぁ……意識は本体と繋がっておるから別人とかではなく、今動いてる個体は全て同一人物じゃよ」


 なんていうかファンタジーだなぁ、でもそうやって命を産み出す事が出来るって凄いかも。

例えば……夫婦がいたとして、子供が出来る前に片方が無くなってしまったら……プリムラスグロリアさんにお願いする事で、子供を授かる事が出来る。

そう思ったら良い神様だと思う。


「まぁ……本人の承諾が無ければ子孫を産み出す気は無いぞ?」

「それなら勝手にしろよ……」

「……ほう?言質は取ったのじゃ、ならおぬし等が旅立った後ゼンと遺伝子的に相性が良い者を見繕い、子孫を作らせて貰うぞ?」

「好きにしろって」

「なら……子孫には【キリサキ】の姓を名乗らせ、更にはおぬしが振るう剣術を【斬裂流剣術】として残し、後の世に残すとしよう」


 何か置いてけぼり感があるなぁ……。

セイラさんもなんかそれを聞いて驚いた顔してたし、それに今は何か言いたげにしてる。


「……考えは叶えてやるから安心するのじゃよ、だがその前にセイラは伴侶を見つける所からじゃな」

「なら今度適当な相手を捕まえて来ます」

「その場合は変な奴につかまらぬようにな」

「えぇ……気を付けます」


 適当な相手を捕まえるってそれでいいのかなぁ、でもその人の事情もあるし……。


「とはいえ、おぬしにはこの神社を管理して貰わねばならぬからな、どうしても見つかりそうになければわっちが男の身体を作って面倒見てやるから安心するが良い」

「ならプリムラスグロリア様で良いです」

「えっ……」

「知らない誰かよりも知ってる相手の方がいいので、とりあえずこの話はこれで終わりでいいですよね?、ゼン、あなたの子は私が責任を持って育てるから安心してよね、別にあなたの為じゃなくて子供の為だから」

「お、おぅ……なら頼むわ」


 ……セイラが満足そうにうなずく。

そしてプリムラスグロリアの隣に行くと……彼女を抱き上げて


「……そんな小さい身体だと髪の毛が床に擦れて汚れてしまいますよ?」

「それ位別に良かろう……、取り合えず話がそれてしまったがゼンにシャルネ、並びにカーティスよ、おぬしらはこの首都に暫く滞在し毎日この神社に顔を出すのじゃ、その間の衣食住はわっちが保障するからのぅ、必要なら神社の部屋を貸すぞ?」

「なら俺はシャルネと家から通うわ、こいつもその方が安心するだろうし」

「う、うん……私もそれがいい」

「んー、俺はそうだね、この首都に残した妻達が気になるから様子見ついでに暫くはそこに住むよ」


 神社の神聖な雰囲気でゆっくり休める気がしないから、暫くこの首都で過ごすならゼンさんの所がいい。

集落で一緒に過ごしてたりもしたからその方が安心出来るし……。


「そうか……取り合えずこの三人の中で実力が一番低いシャルネ、おぬしはわっちが責任を持って育てるから安心するが良い」

「え、あ……うん、よ、よろし、く」


……こうして首都に着いた私達はプリムラスグロリアの元でお世話になりつつ、五つの国に旅立つ前の準備をする事になった。

ゼンさんとカー君は特にやることは無いみたいだけど、私は逆に今まで戦った経験が無いからやる事が山積みだ。

安心して旅に出せる能力を得たら、私と相性が良い神様が支配する国へと旅立つ事になるそうだから、急いで強くなろうと決心するのだった。

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