第76話:地の遺物とテラノスの覚醒
地の神殿の試練の間は、セシルの風魔法で毒脈瘴気が晴れ、魔脈の光が再び輝きを取り戻していた。セシルが「地神の種」を手に持つと、緑の魔脈が溢れ出し、大地を再生する力が神殿を包む。薄い緑の結界が広がり、ガルドラスとガイアロスの動きが鈍くなる。彼女が息を整え、目を潤ませて呟く。
「これで…少しでも償えるなら…。」
タクミがストームライダーのコックピットでガイストに声をかける。
「ガルドラスの弱点が露出した! ガンランチャー、いけるか?」
ガイストが冷静に応じる。
「制御装置、胸部中央に魔脈低下確認。直進10mで射程内だ、タクミ!」
タクミがレバーを引き、ガンランチャーが火を噴く。弾丸が鋼獣の胸部を貫き、ガルドラスが断末魔を上げて崩れ落ちる。
バルドが「嵐の双剣」を手にガイアロスに飛びかかる。風と雷を帯びた双刃が装甲を切り裂く。
「仲間は裏切らねえ。それが俺たちの強さだ。」
リアがエーテル・ノヴァを掲げ、雷を放つ。
「兄ちゃんの星と一緒に…仲間を守るよ!」
雷がバルドの双剣に絡みつき、ガイアロスを一掃する。
カザンが熔雷槌を振り上げ、豪快に笑う。
「熔鉄団の鉄は家族そのものだ! お前らなんかに壊させねえ!」
一撃で大地が震え、残りのガイアロスが動きを止める。ジンが竪琴を奏で、穏やかな旋律を響かせる。
「エアリスの歌が裏切りを癒す。仲間が戻れば、俺たちはもっと強くなる。」
戦場が静まり、緑の結界が神殿を包む。セシルが「地神の種」を手に持つ。
「私、世界のためにも、貴族を一緒に倒したい。」
タクミがストームライダーから降り、仲間を見回す。
「セシル、お前が戻ってくれたなら、もう怖いものはない。地の遺物を手に入れた俺たちは、戦争を終わらせる一歩を進んだぜ。」
ガイストが報告する。
「エネルギー残量76%、ドリル稼働率87%。次の戦いに備えられるぞ、タクミ。」
一行は神殿の奥へと進む。そこには地の魔脈が渦巻く祭壇があり、苔むした石碑がそびえていた。魔脈の光が石床を脈打ち、静寂の中、地神テラノスの幻が再び現れる。大地を象徴する重厚な鎧を纏い、厳粛な声が響く。
「剣を手に戦う者よ、汝の絆は大地に根ざす。地の守護者を受け入れよ。」
その瞬間、バルドの体が輝き始める。緑と金の光が全身を包み、「嵐の双剣」を持つ手から大地の脈動が伝わる。光が鎧を透過し、神殿全体に低いうねりが響き渡る。仲間たちが息を呑む中、バルドが目を閉じ、その力を感じ取る。
彼が一歩踏み出すと、光が収束し、祭壇の魔脈が彼に流れ込む。重厚な力が宿り、バルドが深く息を吸う。そして、静かに、だが力強く詠唱する。
「我が堅き大地に誓い、生命を護りし絆を結ばん——テラノス!」
地面が大きく震え、テラノスが実体となって現れる。岩石と樹木を纏った巨躯がバルドの前に立ち、深く響く咆哮を上げる。巨腕が空を切り、大地の力が神殿全体に満ちる。
バルドがテラノスを見上げ、静かに笑う。
「これなら…シンダーリーヴスを…世界を守り抜ける。」
タクミがバルドの肩に手を置き、笑う。
「バルド、お前がその力を手に入れたなら、貴族もゼノスも怖くねえな。」
リアが目を輝かせて近づく。
「バルド、すごいよ! 私たちの仲間がまた強くなったね。」
エリナが穏やかに微笑む。
「ヴェールウッドも、こんな力に守られてたんだ。」
セシルが「地神の種」を手に、バルドに近づく。
「バルド、私を許してくれたおかげだ。この力で一緒に戦おう。」
ジンが竪琴を軽く弾き、音色を添える。
「エアリスの歌に新たな力が加わった。次は貴族を終わらせる番だ。」
神殿の魔脈が静かに輝き、セシルの「地神の種」とバルドの「テラノス」が仲間たちに新たな力を与えた。戦争は激化するが、一行の絆は揺るぎないものとなり、次の戦いへと歩を進めるのだった。




