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第65話:「三つ巴の戦場」

風の神殿を後にしたタクミ一行は、ダストホロウへ戻る途中の砂の大陸で異変を感じていた。砂嵐が唸りを上げ、地平線が赤く染まる中、遠くから低く響くゼノスの咆哮が砂漠を震わせる。タクミがストームライダーのコックピットに乗り込み、モニターを見上げ、

「ガイスト、何だこの空気?」

と呟く。

ガイストの声が即座に響く。

「魔脈波動、複数検出だ、タクミ。距離500メートルでゼノスを確認。さらに魔獣群が接近中!」

タクミがレバーを握り、

「大陸間戦争…始まったな」

と歯を食いしばる。

「みんな、準備しろ!」

と叫ぶと、仲間たちが一斉に動き出す。


砂塵の向こうから貴族の魔獣軍が姿を現す。ヴォルガノスが溶岩を滴らせ、焼けた臭いが風に乗り、テンペスタが雷を帯びた翼を広げて空気を切り裂き、ガイアロスが大地を踏み砕く重低音が響く。タクミが敵を捉え、

「ゼノスは500メートル先だ! 貴族の総攻撃だぞ、行くぜ!」

と仲間を見回す。ストームライダーが砂嵐を切り裂き、飛び上がる。タクミがガンランチャーを構え、

「喰らえ!」

と魔獣群を牽制。魔脈エネルギーの弾丸がヴォルガノスの群れを吹き飛ばし、砂が爆発的に舞う。


夜空を見上げ、タクミが一瞬目を細める。現代日本でロボットエンジニアだった彼の胸に、家族や同僚を失った喪失感がよぎる。

「タクミ、どうした?」

とリアがエーテル・ノヴァを握りながら近づく。タクミが小さく笑い、

「昔の俺、帰りたかったんだよ。両親ともまともに話せなかったのが心残りでさ」

と吐露する。

リアがタクミの手を握り、

「でも、タクミ、家族はここにいるよ。私たちだよ!」

と明るく言う。その言葉にタクミの目から涙がこぼれ、

「そうだな、リア。お前らが俺の居場所だ」

と笑顔で頷く。リア、バルド、カザン、セシル、ジン——アルテリアで得た絆が、彼の現代への未練を塗り替える。


バルドが「嵐の双剣」を手に、

「タクミ、行くぞ!」

と魔獣群に突進する。

「剣で貴族を刺すんだ、仲間のためにな!」

と叫び、風と雷が融合した「ストームサンダー・スラッシュ」がテンペスタを両断。雷鳴が砂漠に響き、風刃が砂を切り裂く。

カザンが熔雷槌を振り、

「バルド、援護は俺に任せろ!」

とガイアロスの群れに飛び込む。

「熔鉄団の鉄は戦争でも折れねえぜ、タクミ! 貴族を灰にしろ!」

と吼え、雷撃が大地を砕く。砂塵が舞い上がり、熱気が戦場を包む。

セシルが「エアリスウィスパー」を掲げ、

「私も戦うよ、タクミ!」

と詠唱する。

「風の守護者よ、絆の疾風で我が元へ! エアリス・ガーディアン!」

風の魔脈の化身が現れ、鋭い風刃が魔獣を切り裂く。

「レオンのためにも!」

とセシルが叫び、風が彼女の決意を運ぶ。


タクミがストームライダーを旋回させ、

「ガイスト、ゼノスの動きは?」

と聞く。遠くで魔脈を帯びた巨体が咆哮を上げ、砂漠を揺らす。

「ゼノス、魔脈波動強度極大。距離500メートルで静止中。ドリルアーム稼働率85%、ピストルエネルギー残量80%、トルク300N・m。総攻撃に備えろ、タクミ」

とガイストが返す。タクミがレバーを握り、

「風の神殿の遺産も、仲間も揃ってるぜ。貴族とゼノス、まとめてぶっ潰す!」

と仲間を見回す。


ジンが竪琴を弾き、

「タクミ、いい戦場だね!」

と戦場の喧騒に歌を重ねる。

「風の神官の願いが、ここで蘇るよ。お前らの戦いを歌うからな!」

と軽やかに笑う。

セリカが軽やかに跳び、

「ジン、歌ってる場合じゃないよ!」

と魔獣の間をすり抜ける。

「タクミ、貴族の動き、ゼノスが鍵だ。情報はダストホロウで待ってるから、急いで!」

と鋭く言う。


タクミが夜空を見上げ、

「元の家族に謝れなくても、ここで新しい家族を守る。それが俺の使命だ」

と誓うように言う。

「行くぞ、みんな!」

と叫び、ストームライダーが再び飛び上がる。

砂漠の戦場で魔獣軍が吼え、ゼノスの咆哮が響き、タクミ一行の戦争が始まった。



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