第62話:「ガルドラスとの決戦と絆」
風の神殿の試練の間を後にしようとしたタクミ一行は、出口へ向かう途中で突然の振動に足を止める。試練の間の石床が割れ、魔脈の青い光が溢れ出し、砂塵が舞い上がる。ガイストの警告音がコックピットに鋭く響く。
「魔獣反応、至近距離! 魔脈波動強度急上昇、タクミ!」
タクミが魔鋼剣を構え、
「何!? みんな、準備しろ!」
と叫ぶ。風が渦を巻き、試練の間に「ガルドラス」が再び乱入する。全長8メートルの鋼獣は、貴族の魔導技術で強化された装甲が以前より厚く、魔脈増幅器が赤く脈打つ。
「また出てきやがった! 俺達をここから出さないつもりか!今度はぶっ潰すぞ!」とタクミが吼える。
リアが「風魔の結晶」をエーテル・ノヴァに嵌め込み、
「タクミ、私も戦うよ!」
と深呼吸する。魔力を強化し、
「雷鳴波——サンダー・ウェーブ!」
と魔法を放つ。雷が制御された波動となり、タクミの魔鋼剣に纏わりつく。タクミがストームライダーを突進させ、
「リア、ナイスだ! 行くぜ!」
と叫ぶ。雷を帯びた剣がガルドラスの装甲に突き刺さり、鋼が砕け散る金属音が響く。ガルドラスが咆哮を上げ、火柱を放つが、タクミがドリルアームで跳ね返し、「効かねえよ!」と返す。
バルドが風の神殿で手に入れた「嵐の双剣」と「雷霆の鎧」を纏い、軽快に跳ぶ。
「嵐雷斬——ストームサンダー・スラッシュ!」
と叫び、風と雷が融合した一撃がガルドラスの鋼の爪を両断。破片が床に散り、焦げた匂いが漂う。バルドが低く唸り、
「貴族の玩具、俺の剣で終わりだ!」
と仲間を見やる。
カザンが熔雷槌を振り上げ、
「熔鉄団の鉄でぶち壊すぜ、タクミ!」
とガルドラスの背部に迫る。雷撃が魔脈増幅器を直撃し、装置が火花を散らして砕ける。
「動きが止まったぞ!」
とカザンが笑う。ガルドラスの魔獣の召喚が止まり、戦場が一瞬静まる。
セシルが「ウィンドティアーズ・ローブ」を纏い、「エアリスウィスパー」を掲げる。試練をクリアした彼女の魔力は以前とは比べ物にならず、風の魔脈が彼女を中心に渦を巻く。
「セシル、やれ!」
とタクミが叫ぶと、彼女が杖を振り、
「風よ、家族の涙を晴らせ——ウィンド・テンペスタ!」
と喊声する。鋭い風刃がガルドラスの装甲を削り、タクミに道を開く。魔法は正確で力強く、レオンの幻を乗り越えた決意が宿る。セシルが息を整え、
「タクミ、これが今の私の力だよ!」
と返す。
ガルドラスが最後の抵抗で火柱を放つが、タクミがストームライダーで飛び上がり、
「カザン、バルド、準備しろ!」
と指示する。ガイストが即座に報告する。「魔脈増幅器破壊を確認。ドリルアーム稼働率85%、ピストルエネルギー残量80%、トルク300N・m。トドメを刺せ、タクミ!」
タクミがガンランチャーを構え、
「仲間を守る力、ここにある! くらえ!」
とガルドラスの頭部を狙う。魔脈エネルギーを込めた一撃が鋼獣を貫き、爆発的な音と共にガルドラスが崩れ落ちる。砂と魔鋼の破片が試練の間に散らばり、熱と焦げ臭さが残る中、神殿が静寂に包まれる。
タクミがストームライダーを着地させ、
「やったぜ」
と息を整える。セシルが「エアリスウィスパー」を握り、
「タクミ、レオン…これが私の答えだよね?」
と涙を拭う。
タクミがセシルの肩に手を置き、
「お前、強くなったぜ。仲間として頼りにしてるよ」
と笑う。
リアがエーテル・ノヴァを握り、
「セシルさん、兄ちゃんも見てたよ。私たち、すごいよ!」
と微笑む。タクミが頷き、
「ああ、間違いねえ」
と返す。
セリカが猫耳を動かし、
「ねえ、タクミ、いい戦いだったね。ゼノスへの準備が整ってきたよ」
と軽く言う。
ガイストがコックピットから補足する。
「魔脈エネルギー残量78%、戦闘データ更新完了。次の戦いに備えろ、タクミ。」
タクミが仲間を見回し、
「ガルドラスを倒したぜ。風の神殿の力は俺たちのものだ。貴族を潰す準備ができたな、みんな」
と頷く。
一行は試練の間を後にし、神殿の出口へ向かう。風の魔脈が静かに流れ、タクミたちの絆が新たな試練を乗り越えていた。




