第168話:深部の真実
ヴェールウッドの森の奥で、魔脈の光が再び揺らめく。マグナ・ストライダーのコックピットで、タクミがジョイスティックを握り直し、決意を新たにする。
「しばらく戻れないな…。ガイスト、俺と一緒にヴェールウッドを救おう。魔脈ラインを正すまで、やるしかない。」
ガイストが青い光を点滅させ、応答した。
「了解。深度100メートルへ進む準備完了。セレスティア・ドライブ、28MW安定。」
タクミがドリルアームを再起動し、地面を抉る。毎秒220回転の唸りが響き、土塊が飛び散る。魔脈の光が強まり、機体が微かに揺れる。ガイストが状況を報告する。
「深度70メートル。乱流強度、11トンに上昇。装甲耐久度、91%に低下。気密シールド、機能正常。」
タクミが集中して呟く。
「あと少しだ…。マグナ、耐えてくれ。」
深度100メートルに到達すると、土砂が崩れ、金属製の装置がむき出しになる。円筒形の機械で、青白い魔脈エネルギーが管を流れ、赤い光が点滅している。タクミが目を丸くして叫んだ。
「これは!?分かるぞ!核融合炉に似てる…。プラズマ制御装置だ!」
ガイストが光を点滅させ、専門的に補足した。
「正確にはプラズマジェネレーターだ。超魔脈結晶をエネルギー源に、強制的に魔脈ラインを増幅。設計は現代科学の核融合技術を応用したものだ。異常なエネルギー出力で乱流を誘発している。」
タクミが驚きを隠せず、呟く。
「現代科学…?クロノス、まさかこの世界の人間じゃないのか?」
ガイストが冷静に答える。
「可能性が高い。装置の素材は熔魔鋼に類似するが、製造精度はヘブンズ・セプトの技術を超える。外部起源の介入を示唆する。エネルギー効率は現代地球のITERプロジェクトに匹敵。」
タクミがジョイスティックを握り直し、決断する。
「この装置が魔脈を乱してるなら、ぶっ壊すしかない。ガイスト、セレスティア・ブレイザーをフル稼働だ!」
ガイストが応答する。
「エネルギー収束開始。」
マグナの右腕がガシャンと展開し、セレスティア・ブレイザーの銃口が開く。重低音の唸りが森に響き、青白い魔脈エネルギーが銃口に収束。ディスプレイのチャージゲージが跳ね上がり、タクミの額に汗が滲む。
「急げ、チャージを終わらせろ!」
装置から赤い光が強まり、乱流が再び増幅。ガイストが緊迫した声で報告。
「乱流強度、15トンに上昇。装甲耐久度、90%に低下。エネルギー収束、80%…90%…発射準備完了!セレスティア・ドライブ、30MW安定。」
タクミが目を閉じ、ヘブンズ・セプトの仲間たちの顔を思い浮かべる。リアの笑顔、カザンの熱さ、バルドの冷静さ…。目を開け、操縦桿を握り締めた。
「ドライブのおかげでエネルギー切れはねえ。この一撃で終わらせる!」
装置が唸りを上げ、魔脈の光が爆発的に溢れる中、タクミが鋭く吠えた。
「セレスティア・インパクト!!」
操縦桿のトリガーを引き、右腕が一瞬震える。轟音と共に青白い魔脈エネルギーが奔流となって放たれ、装置を直撃。金属が砕け散り、赤い光が消える。爆発が森を揺らし、衝撃波が枯れた木々を薙ぎ倒す。焼けた金属の焦げ臭さが漂い、魔脈の乱流が静まる。ガイストが報告した。
「装置破壊成功。乱流強度、ゼロに低下。装甲耐久度、95%に回復。次元移動エネルギー、50%に上昇。」
タクミが息を吐き、コックピットで笑みを浮かべる。
「やった…。ガイスト、クロノスの謎は深まったな。」
ガイストが光を点滅させ、呟く。
「そうだ。だが、ヴェールウッドは救われた。次元移動、可能予測。」
タクミがジョイスティックを握り直し、決意を新たにする。
「ガレンに報告して、ヘブンズ・セプトに戻るぞ。クロノスの正体…、必ず突き止める。」
森の静寂が戻り、タクミとガイストの戦いに新たな謎を残した。




