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第165話:心臓の咆哮

ヘブンズ・セプトの拠点に陽光が差し込み、ピットの工房は熱気と緊張感に包まれている。セレスティア・ドライブの核融合炉が完成に近づき、炉の光が青白く輝く。熔鉄団のゴルドが熔雷槌を振り下ろし、熔魔鋼を叩き込むたび、火花が飛び散り、工房の空気が震える。タクミは設計図を握り、額の汗を拭いながら炉を見つめる。ガイストが横に浮かび、青い光を点滅させた。

「出力15MW達成。魔脈共鳴、30MWに到達。安定化完了だ。」

タクミが息を吐き、笑みを浮かべた。

「やった…。セレスティア・ドライブ、完成だ!」


ゴルドが熔雷槌を肩に担ぎ、豪快に笑った。

「おお、タクミ!熔鉄団の魂がこもったぜ!マグナが吼えるな!」

カザンが熔雷槌を手に持って炉に近づき、熱く叫んだ。

「タクミ、早くマグナにぶち込もうぜ!俺の槌より強くなるんだろ!?」

タクミが設計図を畳み、頷く。

「そうだな、カザン。熔鉄団のみんな、炉をマグナに搭載する準備だ。気密性と装甲も強化済みだろ?テストで全部試すぞ。」


工房の外、マグナ・ストライダーが広場に運び出される。漆黒の装甲が陽光に輝き、熔魔鋼と天脈結晶の合金が鈍く光る。肩の風切りブレードが微かに風を切り、コックピットの二重構造が朝陽を反射する。熔鉄団の職人たちがセレスティア・ドライブを慎重に持ち上げ、機体の胸部に設置する。タクミが工具を手に持って接続を監督し、熔魔鋼のボルトを締める。炉が低く唸り、青白い光がマグナの装甲を照らす。リアがルミナを肩に乗せ、目を輝かせて近づいてきた。

「タクミ、ドライブってこれ!?マグナがもっと強くなるんだね!ねえ、ルミナ!」

ルミナが「ピュイ!」と鳴き、9本のふわふわした尻尾を揺らす。


ジンが竪琴を手に持って穏やかに言った。

「核融合と魔脈が一つに…。タクミ、マグナが怪物になるよ。」

エリナが広場の端に立ち、仲間たちに混じって呟いた。

「すごいね、タクミ。これで何ができるのか、見せてよ。」

バルドが双剣を腰に差して近づき、低く言った。

「ヴェストがあれだけ動けたんだ。ドライブと装甲なら俺の剣も吹き飛ばすな。」


タクミがマグナのコックピットに飛び乗り、ジョイスティックを握る。マグナ・ヴェスト Mk-IIを着込み、ネクサス・サイトと風神の眼を起動。右目にARパネルが投影され、左目に風の流れが映る。セレスティア・ドライブが起動し、炉の唸りが工房を震わせる。青い炎が推力ブースターから噴き出し、地面の草が焦げる。タクミが叫んだ。

「マグナ、起動だ!セレスティア・ドライブ、フルパワーでテストするぞ!」

機体が動き出し、風切りブレードがシュイーンと鋭く鳴る。広場の土煙が舞い上がり、仲間たちが一歩下がる。


カザンが熔雷槌を振り上げ、地面に叩きつけた。衝撃波がマグナに襲いかかる。ガイストが即座に報告。

「衝撃波、強度8トン。装甲耐久度、99%維持。気密シールド、気圧変動0.1%以内。」

タクミがジョイスティックを押し、マグナが瞬時に横に滑る。衝撃波をかわし、推力ブースターが唸りを上げてカザンに迫る。

「ガイスト、気密性はどうだ?」

「コックピット内、完全安定。深淵の気圧変動でも影響なし。装甲応力、限界の10%以下。」

カザンが笑い声を上げた。

「ハッ!速すぎるぜ、タクミ!熔鉄団の技が生きてるな!」


バルドが双剣を構え、風をまとって突進してきた。

「俺も試す。お前のドライブと装甲、剣で斬れるか!」

双剣が青白い軌跡を描き、マグナの胸部を狙う。ガイストが報告。

「攻撃速度、秒速15メートル。装甲耐久度、98%予測。風神の眼で迎撃可能。」

タクミが左目の風神の眼で風の流れを読み、ジョイスティックを引く。マグナが跳び上がり、風圧を切り裂く。風切りブレードが回転し、バルドの剣を弾く。装甲に剣が擦れ、火花が散るが、傷一つ付かない。

「ガイスト、装甲の状態は?」

「耐久度、99%維持。熔魔鋼合金、耐圧強度10倍発揮。深海1万メートルでも無傷予測。」

バルドが地面に着地し、笑った。

「お前、これは…ヤバすぎるな。」


リアがルミナを抱き上げ、跳びながら叫んだ。

「タクミ、すごいー!マグナ、めっちゃカッコいいよ!」

ルミナが「ピュイ!」と鳴き、結晶の光に目をキラキラさせる。ジンが竪琴を弾き、穏やかに言った。

「30MWの力に装甲強化…。タクミ、マグナが空を支配するね。」

エリナが目を細めて呟いた。

「これなら深淵でも何でも行けるね。タクミ、最高だよ。」


タクミがマグナを広場の中央に着地させ、コックピットから顔を出した。

「セレスティア・ドライブと装甲強化、完璧だ。熔鉄団のおかげだよ、ゴルド!」

ゴルドが工房から出てきて、熔雷槌を手に持って笑った。

「おう、タクミ!次はルミナス・ネクサスだ!熔鉄団の魂、まだ燃えてるぜ!」

カザンが熔雷槌を振り回し、熱く言った。

「タクミ、次は俺と本気でやろうぜ!このマグナ、熔鉄団の誇りだ!」

タクミが笑いながら答えた。

「カザン、いつでも相手するよ。マグナはまだ進化するぞ。」

広場の陽光がマグナを照らし、セレスティア・ドライブの咆哮と強化装甲の輝きが仲間たちの胸を震わせた。



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