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第152話:「熔鉄団の再会」

黄金の草が風に揺れる中、タクミ一行は天脈の祭壇近くの小屋前に集まる。カザンが熔雷槌を肩に担ぎ、熱く言う。

「熔鉄団の仲間を連れてくるぜ!焔嵐大陸のアジトにいる奴らがいりゃ、ピット作り始められるだろ!」

タクミがマグナに手を置いて、軽く笑う。

「頼もしいな。熔鉄団の仲間たちがいれば、超魔脈結晶と炎の炉があるから、フル強化も夢じゃないよ。カザン、アジトの仲間はどうしてる?」

カザンが熔雷槌を軽く振り回し、豪快に笑う。

「俺が旅に出てからアジト守ってくれてるぜ。俺はお前らと一緒に来ちまったから、そろそろ戻って状況話したいとこなんだ!」

タクミが天空の鍵を手に持つ。

「そうか。じゃあ、一緒に熔鉄団を迎えに行こう。鍵がある俺が行けば、向こうの時間も動かせる。アジト近くの祠に行くぞ。」


一行が祭壇に近づくと、水晶の台座が四色の光――赤、青、緑、茶――を脈打たせる。タクミが鍵をそっと近づけ、軽く息を吐く。

「焔嵐大陸、熔鉄の街近くの火山の祠だ。ガイスト、座標を頼む。」

ガイストが冷静に言う。

「魔脈ライン確認。火口近くのエアリス文明の祠、座標設定完了。移動可能だ。」

タクミが鍵を手に持つまま、カザンに目を向ける。

「カザン、準備しろ。俺が鍵を持ってるから、向こうの時間が動き出す。一緒に熔鉄団を連れてこよう。」

タクミが鍵を高く掲げると、六色の魔脈が水晶に波紋を広げ、四色の光が一瞬乱れる。空中に星図のようなホログラムが浮かび、焔嵐大陸の火山の祠が黄金の光点として点滅する。タクミが目を閉じ、カザンの故郷を思い浮かべる。

「熔鉄の街だ。みんな、久しぶりだな。」


光の奔流がタクミとカザンを包み、黄金の草が波打ち、雲海が渦を巻く。視界が虹色に染まり、低い詠唱音が響く。次の瞬間、二人は焔嵐大陸の火山の火口近くに立つ。熱い風が髪を揺らし、熔けた鉄と硫黄の匂いが鼻を突く。

祠は火山の岩に囲まれ、苔むした石柱が円形に並ぶ。古代エアリス文明の紋様が薄く光り、魔脈ラインが微かに脈打つ。カザンが熔雷槌を肩に担ぎ直し、タクミに言う。

「おい、タクミ、ここだな。俺のアジトは斜面下だ。すぐそこだぜ!」

タクミが鍵を握りながら、周りを見回す。

「確かに魔脈が強いな。時間も動き出したはずだ。行こう。」

二人が火口の斜面を下りると、アジトの煙突から黒煙が上がり、鉄を叩く音が響き始める。扉に近づくと、カザンが大きな声で叫ぶ。

「おい、みんな!俺だ、カザンだ!タクミと一緒に戻ってきたぞ!」

アジトの扉がガラッと開き、屈強な職人たちが顔を出す。リーダーの職人、ゴルドが熔けた鉄の棒を手に持ったまま、笑顔で駆け寄る。

「おお、カザン!タクミも一緒か!鍵集めの旅はどうなったんだよ?」

職人たちがわらわらと集まり、二方を囲む。一人がハンマーを肩に担いで、ニヤッと笑う。

カザンが熔雷槌を地面にドンと立てて、熱く言う。

「ああ、全部うまくいったぜ!天空の鍵を6つ集めて、ヘブンズ・セプトって次元の拠点にたどり着いたんだよ。そこで鍛冶場を作りてえんだ!」


ゴルドが顎を擦りながら、興味深そうにタクミを見る。

「タクミ、お前がその鍵持ってんのか?次元の拠点って何だよ?カザンが貴族と戦ってるって話だったが…。」

タクミが鍵を見せながら、穏やかに言う。

「これが天空の鍵だ。ヘブンズ・セプトは神聖な場所で、俺たちの拠点になる。カザンと一緒に戦って、貴族から鍵を取り戻したんだ。」

カザンが胸を張って、熱く続ける。

「すげえ場所なんだよ!水晶がキラキラしてて、黄金の草が生えてる。超魔脈結晶と炎の炉もある。俺たちで世界最高のピット作れるぜ!」

職人の一人が目を輝かせて言う。

「炎の炉って、カザンがマグナに付けたやつか?」

カザンが頷いて、熔雷槌を軽く持ち上げる。

「ああ、タクミと一緒に貴族どもをぶっ潰して手に入れたんだ。ピットに据えて、マグナをフル強化したい。どうだ、ついてきてくれねえか?」


ゴルドが腕を組んで、少し考え込む。

「次元の拠点か…面白そうだ。で、そこってどこにあるんだ?どうやって行くんだよ?」

カザンが頭を掻いて、少し面倒くさそうに笑う。

「説明すんのめんどくせえな…とにかくすげえとこだよ!この祠から次元移動して行く。ついてこい、見りゃ分かるから!」

タクミが苦笑いしながら言う。

「カザン、説明は俺がするよ。ヘブンズ・セプトは魔脈ラインで繋がった場所だ。この鍵で移動できる。拠点を育てるために、熔鉄団の力が必要なんだ。」

ゴルドが笑いながらカザンの肩を叩く。

「お前らしいな、いつも強引だよ。タクミがいて良かったぜ。よし、俺らも行くぜ。みんな、工具持て!」

職人たちが「オー!」と声を上げ、工具やハンマーを手に持つ。タクミが祠に戻り、祭壇に鍵をかざす。石柱が微かに光り、魔脈ラインが震える。

「準備できたな。ヘブンズ・セプトへ戻るぞ。」


光の奔流が全員を包み、火山の熱気が消える。次の瞬間、タクミ、カザン、熔鉄団の職人たちが祭壇前に現れる。ゴルドが周りを見回し、目を丸くする。

「なんだここ!?水晶が…すげえ輝いてるぞ!」

カザンが熔雷槌を肩に担ぎ直し、得意げに言う。

「だろ?ここがヘブンズ・セプトだ。さっそくピット作りに取り掛かれよ。炎の炉をマグナから外して据えるからよ!」

タクミが鍵を握りながら、軽く息をつく。

「これで熔鉄団が揃ったけど…毎回俺が鍵持って行くのは効率悪いな。ガイスト、後で鍵の魔脈解析してくれ。」

ガイストが冷静に言う。

「了解した。魔脈転移の特性を抽出すれば、代替装置の設計も可能だ。」

タクミが笑いながら肩をすくめる。

「さすがガイストだ。みんなが自由に行き来できるようになるといいな。」


その頃、王都大陸の鉄都ガルザードでは、貴族の拠点である黒鉄の城で緊迫した会議が開かれていた。巨大な円卓に貴族たちが集まり、中央に立つドルザーグが冷たく目を細める。

「タクミたちが天空の鍵を全て手に入れ、ヘブンズ・セプトにたどり着いただと?」

貴族の一人が水晶球を手に持つ。映像に映るのは、ダストホロウの祭壇で鍵をかざすタクミの姿だ。貴族が震える声で言う。

「はい…我々の次元獣を倒し、試練を突破しました。クロノスの力が届かない場所に…!」


ドルザーグが拳を円卓に叩きつけ、低く唸る。

「クロノスの力を侮辱する愚か者どもめ…。鍵を奪えなかった我々の失態だ。」

円卓の奥から、黒いローブに身を包んだクロノスが静かに歩み出る。声は低く、冷たく響く。

「焦るな、ドルザーグ。ヘブンズ・セプトは確かに神聖な場所だ。だが、我々の次元獣が届かぬなら、新たな手を打つまでだ。」

ドルザーグがクロノスを睨み、苛立ちを隠さず言う。

「新たな手だと?奴らは拠点を築きつつあるぞ。このままでは天脈の力を完全に掌握される!」

クロノスが水晶球に手を翳し、映像を消す。

「奴らが拠点を固める前に、アルテリアの魔脈ラインを乱せばいい。祠を封じ、移動を制限するのだ。貴族の兵を動かし、タクミの仲間を分断しろ。」

ドルザーグが立ち上がり、剣を握る。

「分かった。ヴェールウッドのガレンを潰し、他の土地に圧力をかける。奴らが仲間を集める前に叩くぞ。」

クロノスが静かに笑い、目を光らせる。

「そうだ。時間は我々の味方だ。タクミが鍵を握る限り、戦いは終わらん。」


黒鉄の城に緊張が走る中、タクミたちの知らぬところで、貴族の新たな策謀が動き出す。



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