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第150話:「仲間集めの第一歩」

水晶のホールに静寂が戻り、タクミ一行は七色の光球を見つめる。直径10cmの球体は、リアの手の中で微かに脈打ち、赤、青、黄、緑、紫、白、黒の光が柔らかく瞬く。リアが目を輝かせ、首をかしげる。

「何か分からないけど、私が持っておくね!なんか丸くて可愛い!」

彼女がエーテル・ノヴァを手に光球を軽く掲げると、球体が一瞬だけ明るく光る。タクミが眉を寄せる。

「本当にそれでいいのか?何か分からんぞ。」

リアが笑顔で頷く。

「うん!何かすごそうだから、とりあえず持っとく!」

ガイストの冷静な声が響く。

「魔脈反応は安定。現時点での危険性は低い。だが、未知の要素が多い。注意しろ。」

ジンが竪琴を手に呟く。

「不思議なものだね。何か秘めてる気がする。」

セリカが鋭く言う。

「情報屋の勘が騒ぐよ。後で調べる価値ありだね。」


タクミが超魔脈結晶を手に持つ。紫と青の光が脈打ち、マグナに組み込むと低く唸る音が響く。彼が一行を見回す。

「これで試練は終わりだ。エリナの元に戻るぞ。天脈の祭壇で状況を確認して、次を考える。」

カザンが熔雷槌を肩に担ぎ、熱く言う。

「次は仲間を集めるぜ!こいつで武器も強化だ!」

バルドが双剣を背に固定し、静かに頷く。

「その前に準備だな。」


一行が水晶山脈を後にし、黄金の草の大地を歩き始める。風が湿気を帯び、草の擦れる音が響く。リアが七色の光球を手に持って、先頭で跳ねるように進む。

「ねえ、この光の球、ほんと可愛いよね!何だと思う?」

カザンが横に並び、熱く言う。

「見た目は綺麗だが、柔らかそうだな?熔鉄団なら即座に槌で叩いて試すぜ!」

リアが慌てて光球を胸に抱える。

「やめてよ!壊れたらどうするの!」


その時、リアの頭に低く響く声が直接語りかける。オラクルの声だ。

「その球体はまだ持ち主が決まっていない。魔力を凝縮し、信じられるものを生み出せ。お前の全属性魔法を凝縮してそのものに与えよ。」


リアが立ち止まり、目を丸くする。

「え!?今、頭に声が…!」

一行が振り返る。タクミが鋭く問う。

「どうした、リア?」

リアが光球を見つめ、呟く。

「オラクルが…私の魔法を凝縮してこれに与えろって…!」

リアがエーテル・ノヴァを両手で握り、目を閉じる。

「前に全属性を無理やり使った時、魔力が制御できなくて球体になったよね。あれをもう一度…!」

彼女が杖を振り上げると、リアの周りに七色の魔法陣が広がる。大気中に赤、青、黄、緑、紫、白、黒の光の筋が現れ、まるで雷のようにチリチリと音を立てて飛び交う。リアが歯を食いしばり、叫ぶ。

「ぐーーーーーっ!!集まれっ!」


光の筋が周りの空気を巻き込み、黄金の草が揺れて渦を巻く。風が唸り、七色の光が一点に束ねられるように集まり始める。タクミが驚く。

「何だそれ!?」

リアの額に汗が浮かび、手が震える。

「うっ…!魔力が…重いよ…!」

光が彼女の手の中で小さな点に凝縮し、徐々に輝きを増す。七色に輝く小さな魔術のコアが浮かび上がり、ガラス玉のようにキラキラと脈打つ。カザンが目を丸くする。

「お前、それどうやってんだ!?」

リアが息を切らし、光球にコアを近づける。

「分からないけど…これを…!」

七色のコアが光球に吸い込まれると、球体が一瞬強く輝き、微かな振動と共に脈打ちが少し速まる。リアが目を輝かせる。

「うわっ!何か変わった!すごい!」

ジンが竪琴を手に近づく。

「なんか生きてるみたいだね。少し大きくなった?」

セリカが鋭く言う。

「魔脈反応が強くなったよ。何か始まったのかも。」

タクミがガイストに問う。

「解析できるか?」

「魔脈流動が13%増加。生命反応が明確化。未知の成長プロセスが開始した可能性あり。」

バルドが静かに呟く。

「何だか分からんが、気をつけろ。」

リアが光球を手に持つ。

「何かわからないけど、もっとすごくなりそう!」


一行が天脈の祭壇に近づくと、黄金の草の先に簡素な木の小屋が見える。エリナが村人たちと木材を運んでおり、タクミたちに気づいて駆け寄る。

「戻ったのね!試練はどうだった?」

タクミが超魔脈結晶を見せる。

「これを手に入れた。守護者を倒してな。」

エリナが目を丸くする。

「すごい魔力ね。これで何ができるの?」

リアが七色の光球を手に持って前に出る。

「私もこれ見つけたよ!何か分からないけど、すっごく可愛いんだから!オラクルが何かしろって言ってきて、ちょっと変わったの!」

エリナが首をかしげる。

「光の球?何だろうね、それ。」

ガイストが冷静に言う。

「解析不能な魔脈反応。リアの全属性魔法を凝縮した結果、変化が始まった。詳細は不明。」

エリナが微笑む。

「リアらしいね。とにかく、こっちは少し落ち着いたよ。小屋を建ててたけど、次はどうするの?」

タクミが一行を見回す。

「オラクルに報告だ。神殿へ行くぞ。試練をクリアしたことを伝えて、ここを拠点にできるか確認する。」


一行が神殿へ向かう。透明な水晶の壁がそびえ、内部に古代の紋様が薄く光る。中央に浮かぶオラクルのホログラムが現れ、一行を見据える。

「試練を終えた者たちよ。何を求める?」

タクミが一歩進み出る。

「クロノスを倒す資格を示した。ここを拠点にさせてくれ。」

オラクルが静かに頷く。

「重力、光、次元、そして守護者を越えた。汝らの意志は認められた。ヘブンズ・セプトを拠点とする許可を与えよう。だが、真の戦いはこれからだ。」

タクミが鍵を握り締める。

「分かった。ここから始めるぞ。」

エリナが言う。

「ヴェールウッドの状況はどうなってるか、祭壇で確認できる?」

タクミが祭壇に近づき、天空の鍵をかざす。水晶の台座に魔脈の波紋が広がり、表面に揺らぐ映像が浮かぶ。ヴェールウッドの森で、ガレンたちが貴族の斥候と戦っている姿が映る。剣と槍が交錯し、土煙が舞う。

ジンが穏やかに言う。

「これは少し先の未来だね。ここにいる間、地上の時間は止まってる。」

タクミが頷く。

「次元移動で戻れば、ガレンたちが笑顔で見送ってくれた時に戻る。ヴェールウッドはあいつらに任せておけばいい。」

バルドが静かに言う。

「貴族に取られないよう、ガレンが守ってくれるはずだ。」

カザンが拳を握る。

「じゃあ、熔鉄団の仲間は別の土地で集めるぜ。街を作るなら職人が必要だろ!」

セシルがウィンドティアーズ・ローブを軽く揺らし、呟く。

「ここが拠点なら、もっと人が必要ね。街づくりを始める準備をしないと。」


タクミが一行を見回す。

「そうだな。ヴェールウッドはガレンたちに任せて、俺たちはここを拠点に街を作る。別の土地で仲間を探すぞ。」

リアが光球を手に持つ。

「この子も一緒に街づくりできるかな?」

エリナが笑う。

「まずはここを整えないとね。小屋だけじゃ足りないよ。」

タクミが祭壇を見つめる。

「オラクルの許可も得た。ここから街づくりだ。準備を始めるぞ。」


一行が祭壇の近くに戻り、天空の階段の前で足を止める。タクミが鍵をかざすと、階段に足を踏み入れた瞬間、光の奔流が彼らを包み、次元の狭間から地上へと移動が始まる。



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