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第143話:ヘブンズ・セプトの神聖なる声

タクミ一行はヘブンズ・セプトの黄金の草を踏みしめ、遠くにそびえる水晶の神殿を目指す。果てしない雲海に浮かぶ大地は静寂に包まれ、風すら感じない。マグナ・ストライダーの漆黒の装甲が陽光を反射し、黄金の草に影を落とす。タクミがコックピットから風神の眼を意識すると、視界に微かな魔脈の流れが青白く映る。足音と草の擦れる音だけが響き、仲間たちの息遣いが静寂を際立たせる。


リアがエーテル・ノヴァを手に持つ。「この静けさ…何か隠されてるよね。」

バルドが嵐の双剣を肩に担ぎ、ニヤリと笑う。「敵がいねえのは楽だが、逆に落ち着かねえな。」

カザンが熔雷槌を地面に置き、「こんな場所、熔鉄団でも見たことねえ。次元が違うってのは本当だな。」

ジンが竪琴を軽く鳴らし、「アクエリアが届かない…この大地、別世界だよ。」

セリカが風影の爪を手に、周囲を見回す。「次元の歪みがまだ残ってる。情報屋の勘が騒ぐよ。」

セシルがウィンドティアーズ・ローブを握り、風魔法で空気を確かめる。「魔脈が純粋すぎる。ここ、何か特別だよ。」


神殿に近づくと、透明な水晶の壁が陽光を乱反射し、虹色の光が一行を包む。全高30メートルの巨大な建築は、頂部が雲海に溶けるように霞んでいる。タクミがマグナから降り、「天空の鍵」を手に持つ。六色の脈と雷の模様が淡く輝き、神殿の扉が低く共鳴する。石畳が振動し、扉がゆっくり開く。タクミが呟く。「行くぞ。」


神殿内部は広大で、天井から差し込む光が水晶の柱に反射し、空間全体が輝く。中央に浮かぶホログラムが現れ、古代の衣をまとった姿が一行を見据える。声が響く。「我はエアリス・オラクル、2000年前に古代エアリス文明を導き、この次元を封印した者。お前たちは何者だ?」

タクミが鍵を掲げ、答える。「俺はタクミ。六つの鍵を集めてここに来た。貴族やクロノスと戦ってる。」

オラクルが鍵を見つめ、「その鍵…我が封印を開いた者か。名を聞いたクロノスとは何だ?」

タクミが鋭く言う。「次元獣を操り、時間を支配しようとしてる敵だ。ここを狙ってるらしい。」


オラクルが静かに頷く。「クロノス…その名は知らぬが、次元を歪ませる愚か者か。2000年前、我々がこの地を封印した時、次元獣を生み出す実験で狭間が揺らいだ。その歪みで地上に幻影として映り、奴はそれに気づいたのだろう。」

リアが目を輝かせ、「じゃあ偶然だったんだ!」

タクミが問う。「ここはどんな場所だ?どうしたら地上に戻れる?」

オラクルが答える。「ここはヘブンズ・セプト、次元の狭間。地上の時間は止まり、階段を降りれば登った瞬間に戻る。我々が地上を守るため封じた聖域だ。」

バルドがニヤリと笑う。「時間が止まるなら、俺たちが一歩リードってわけだな?」

オラクルが厳かに言う。「然り。だが、この地の力は容易に渡さぬ。クロノスの野望を阻止するなら、試練を乗り越え、守護者たる資格を示せ。」


リアが神殿の壁に近づき、水晶の紋様を指でなぞる。複雑な模様が淡く光り、彼女が興奮して言う。「これ…次元魔法の封印だ!至高魔導書が隠されてるかも!」

カザンが柱の基部に転がる水晶の残骸を見つけ、熔雷槌で軽く叩く。「こいつは…超魔脈コアの容器か?壊れてるが、中身があればマグナが化けるぜ!」と笑う。

ガイストが光を強め、解析を試みるが、「波長不明…計算不能!」と焦り、モニターにエラー表示が点滅。バルドが腹を抱えて笑う。「お前、たまには役に立てよ!」

ジンが竪琴を手に呟く。「宝物庫か…アクエリアが反応しないのも納得だね。」

セリカが鋭く言う。「試練ってことは、簡単には渡さないってことだよ。」

セシルが微笑み、「でも、ここならクロノスに届かない。私たちの希望だよ。」


オラクルが一行を見据え、告げる。「この地を使うなら、天脈の祭壇が鍵だ。魔脈の地へ繋がる。状況を見てみよ。」

一行が神殿を出て、大陸中心の「天脈の祭壇」へ戻る。水晶の台座は四色の光を脈打たせ、タクミが「天空の鍵」を近づけると、光が強まり、祭壇が低く唸る。表面に魔脈の波紋が広がり、ヴェールウッドの映像が映し出される。貴族の黒い装甲兵がエリナを鎖で縛り、馬車に押し込む姿。村人が叫び、ガレンが剣を構え、ザインが短剣を手に、ミラがヒール・ルミナスで援護するが、カイルとダインの槍連携も押され気味だ。


リアがエーテル・ノヴァを握り締め、「エリナがさらわれた!?」

カザンが熔雷槌を肩に担ぎ、「貴族の野郎ども、熔鉄団がぶちのめしてやるぜ!」

タクミが鍵を見つめ、オラクルに問う。「クロノスを倒すなら仲間が必要だ。この地を俺たちに使わせてくれ。」

オラクルが神殿から声だけ響かせる。「試練の第一歩として、地上の危機を救え。天脈の祭壇を使えばヴェールウッドへ行ける。その決意を我が見届けん。」

タクミが鍵を握り締め、決意を固める。「エリナを助ける。それが始まりだ。」

一行は祭壇を囲み、タクミが鍵を掲げる。光が奔流となり、次元の狭間が揺らぐ。ヴェールウッドへの旅が始まる中、ヘブンズ・セプトの静寂が一行の背を見守る。



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