表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第三章 秩序と断罪

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/585

宿舎の風呂場事情と過去の冒険

ブックマークや評価をしてもらえると嬉しいです。「面白かった」の一言でもいいので感想を頂けるとそれが一番嬉しいですね。

よろしくお願いします。

 宿舎の風呂場は日替わりで、男女の入る順番が入れ替わる、今日は女子が先に風呂場を使う日だ。

「え! 給湯設備ってオーディスワイアさんが造ったんですか⁉」

 食堂で俺とリトキス、カムイにレンの男子四人で話し合っていると、そんな会話になった。

「そうだよ。管理局に届け出て、開発費でちょっとした定期収入が入る事になっている。──給湯設備以外にも、例の魔法の剣や錬成指南書に、洗濯機も開発してるから、うちの旅団は他の旅団よりも金回りが多少良い訳だ」

 はっはっは、と胸を張る。


 レンやカムイは、同じ剣士として強いと紹介されたリトキスの武勇伝に興味がある様子で、色々と聞きだそうとしている。あまり自分の事を語りたがらないのは昔から変わらないらしい。

「ぇえ──と、そうですね。どこへ行っていたかと聞かれると、……最近は各地の転移門を利用していましたから。──うん、手強てごわいと感じたのは、都市ウンディードの転移門『氷結湖と凍土』に出現した『氷巨人ゴーラ』の大型種かな。……固いし大きいし、炎の攻撃魔法もなかなか利かなくてね」


 足を破壊して巨人の巨体を倒すと、背中に乗って首まで向かい、仲間と攻撃を重ねて首を破壊しなんとか倒せたらしい。

「オーディスワイアさんも昔、『氷結湖と凍土』で氷巨人と戦ったと言っていましたが、どうやって倒していたんですか?」


 リトキスの問いに、どうだったか思い出してみる──。氷結湖での戦い……白豹や魔氷精ナークア雷霆獣ルジャラス「ラグナジーグ」の事を先に思い出す、あいつの雷撃のせいで何度凍った大地に膝を突かされたか。──思い出したらいらついてきた。


雷霆獣らいていじゅうラグナジーグの事を思い出しちまったじゃねーか! あ──! で⁉ なんだっけ?」

 急に苛つき出した俺に呆れた様な、同情する様な表情をするリトキス。


「雷霆獣ですか。僕も苦戦しましたね、幸いあいつが凍った地面に通してくる、()()()()()を飛んでかわす事が出来たので、僕は平気だったんですけど、仲間が……じゃなくて。氷巨人の大型種」

 レンとカムイは、そんな危険な相手が居るのかと、まだ出会ってもいない相手に尻込みしそうな感じを漂わせている。


「ああ、大型氷巨人ね。それは奴の拳を躱して足下に入り込み、『破砕撃』で足首を破壊して転倒させ、頭側に回って今度は頭を破壊する。これだったな、足を再生される前に畳み掛けられるかが勝負だな」

 そう言うとリトキスが悔しそうに「『破砕撃』は持っていません……」と語る。


「あらあら、剣技の天才とまで言われたリトキスさんが『破砕撃』も使えないだなんて、ご冗談を──嫌ですわ」

 と、レーチェの真似をしてからかうと、さすがに苛ついたのか、珍しく物騒な笑顔をして見せるリトキス。


「おい、その顔やめろ、怖いぞ」

「すみません。オーディスワイアさんがその言葉(づか)いをすると、()()()()()()()()()()イラッとしたもので」

「いつも苛つかされている、みたいな言い方はどうなんだ……」


 こんな事を話し合いながら食堂で待っていると、お風呂から上がって来たエアがやって来て「お風呂どうぞ──」と声を掛ける。

 この子とメイは、男に肌を見られても、まだ気にしない年齢の為かあまり遠慮が無い。

 いくら男の子っぽくても、湯上がりくらいは気をつけた方がいいんじゃないか。──それを口にしようとは思わないが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ