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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第一章 錬金鍛冶の旅団

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昇華錬成

 出来上がった銀の腕輪には、明確な変化が表れていた。

 細かい花とつた意匠デザインが美しい銀細工に、色とりどりの宝石の花が咲いたのである──それは柘榴石ガーネットの花、青玉サファイアの花、翠玉エメラルドの花、紫水晶アメジストの花の、四種類の美しい花が咲き誇る銀の腕輪だ。


「これは……?」

 少女の驚きの声に、俺も少し興奮気味に答えたのである。


「昇華錬成だ」


 俺は慌てて銀の腕輪に「鑑定」(探査魔法の一種)を掛けて性能を計ってみる。


「こりゃ、凄い」


 自分の力でこれが成せたとは微塵も思っていない、これは正に()()()()()が起きたのだ。

 それはまるで、少女を護る為に生み出されたとしか言いようが無いものであった。通常の四大属性魔法の強化だけでなく(その威力強化倍率もとんでもない数値になっているが)、魔法抵抗、物理耐性強化、回避能力上昇など。


 さらに「瞬間防壁」という特殊能力ユニークスキルが発動するオマケ付きだ。


 俺は少女に、君のお母さんや四大神が君を護る為に、昇華錬成を起こしたに違いないと言って、瞬間防壁の能力についても説明した。

 身に着けた者が危機的状況になると、瞬間的に強力な防壁を張って守ってくれる能力だ。こんな特殊能力の付いた錬成物は、俺が聴いた話では三回も無い。途方もない数の錬成が行われた中でも、たったそれだけしか起きないからこその「奇跡」の錬成なのである。


「ありがとう、ございます……失敗しないでくれて……」

 少女はまだぐずぐずと泣いていたが、鍛冶場には人が集まり出していた。先程の発光が人を呼び集めてしまったようだ。


 俺はユナにこう言った。


「旅団のその()()()()に言っておいてくれない? 絶対に失敗しないなんて噂を軽々しく流すんじゃねえ、って」

 俺のその言葉に少女は笑い出して、相手は女の人ですよ、と言ったのだった。

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