表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第二章 集いし者達

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/585

ヴィナーの魔法の習練

この物語の外伝と登場人物の設定などを書いた物を別に投稿しました。シリーズ名『方舟大地フォロスハートの物語』から確認してもらえるとありがたいです。

 最近ヴィナーが魔法屋に行っては、自分の特性を調べて、新たな魔法を覚えようとしているらしい。魔法屋では適性のある魔法を習得する為に「連結」と呼ばれる作業をする。──水晶球を通して各属性の精霊と魔法の契約を取り付ける、そういった感じの事だ。


 ヴィナーは水晶球に手を乗せて、覚えたい魔法に集中するように言われ、雷属性の魔法の呪文を唱えながら、水晶球に集中する。──その水晶を通して四大精霊の(この場合風の精霊)との連結を計るのだ。


『流れる黒き雲、風の精霊の怒りの矛。嵐の中で我は唱えん、雷鳴を鳴らしとどろかせよ、輝き光る轟雷ごうらいの洗礼』

 少女が呪文を唱えると、水晶の中心から緑色と黄色の淡い光が溢れ出したが──、すぐに消えてしまった。


「う──ん、ちょっと厳しいですね。今のままでは『轟雷』の魔法を習得するのは、まだ先と考えるべきでしょう」

 魔法屋の店員──今日は四十代くらいの現役の──。旅団にも所属している魔法使いが担当してくれたのだが、ヴィナーはそう言われ、肩を落として帰って来た。


「何だ、どうした。暗い顔で急に入って来て」

 鍛冶場に現れたヴィナーは、珍しい事に俺に相談して来たのだ。

「『轟雷』の魔法を覚えたいんですが、まだ無理みたいで──。どうすれば魔法を習得できるようになるかと店員に聞いたら、『同じ属性の初歩魔法を何度も使うのが近道』だと言われて──後は、属性魔法の習得を早める錬成品『精霊感応──』何でしたっけ?」

「『精霊感応霊呪印』の事か?」

 ヴィナーは「それそれ」と言った後に、「何で知ってたら教えてくれないんですか~~」と文句を言う。


「いや、教えてもそれを作る事は出来ないからだ」

「何でですか」

「錬成難度が高いからだよ」

 同じ属性の複数の精霊石と精霊結晶と、霊晶石と魔晶石と、属性ごとの、決められた宝石や輝石を使って作り出すのだが、失敗する確率が非常に高い。集める素材も大半は高価な物であり、錬金鍛冶師泣かせの錬成品の一つだろう。


「だが……そうだな、俺の立ち上げた()()()()()()()、作ってみてもいいな。旅団員に魔法を効率良く覚えさせる為に、使い回しができるからな」

 俺は少しやる気になって来て、素材保管庫を確認する事にした。

 一応物は揃っているが「風の精霊感応霊呪印」を錬成するのに必要な、翡翠ヒスイ翠玉エメラルドは合わせても七回分くらいしかなさそうだ。


「だが旅団の為に、やってみるか」

「やりましょう!」

 ヴィナーが意気揚々(いきようよう)と応えるので俺は言った。

「完成してもやらんぞ、あくまで()()()()だからな」

 と釘を刺す。

申し訳ありません、勘違いして「ヴィナー」とするところを「ウリス」と名前を間違えて表記していました。訂正いたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ