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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第十章 愛する者のために

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決闘の前日に

 目覚めは最悪だった。

 夢の中で長椅子ベンチに腰掛けた作業着(繋ぎ)姿の男(イケメン)に呼び止められ、


「やらないか」


 と声を掛けられた。

 俺は思わず駆け出しながら、


「結構です!」


 と叫んで逃げ出したのだった。




「不吉な夢だった……」

 危うく「アッ──!」な世界に旅立たされるところだった。

 明日には素晴らしい女を手に入れる(に交際を申し込む)予定だというのに、なんだか敗北フラグを立てられたような気分だ。

「くっ……だが、俺は負けない!」


 俺は早々に朝のルーティーンをこなすと、あんまん作りを始めた。調理場にはエウラとカーリアとフレジアの三人が朝食の支度をしていた。

「おはよう」

 そう互いに声を掛け、それぞれの作業に取り組む。

 俺は寝かせていた生地を適当な大きさに切り分けて丸め、それを麺棒で伸ばしてあんを包む。

 それを何十個も用意していると、手の空いたカーリアとフレジアが手伝ってくれた。


 エウラは苦手な料理をするのに必死で、大量の卵焼きを作る事に奮闘していた。

「絶対に焦がさない……!」

 などと鬼気迫る顔でつぶやいている。

「──もっと気楽に作れよ。そんなんじゃ料理が不味まずくなる」

 とは言ったものの、そもそも料理が出来ない奴が、楽しんで料理なんて出来る訳がない。

 あまりの険しい表情に俺は震え声で「ま、まあ──頑張れよ」と声を掛けたが、たぶん耳に入っていない様子だ。


 その点二人の少女は飲み込みが早く、あんを取って包むやり方を教えると、あっと言う間にそれを出来るようになった。

 お陰で朝食の前に全部の材料をあんまんの形に整える事が出来た。が──

「あ、しまった。どっちがごまあんか分からなくなったぞ」

 目印を付けるべきだった。

「……まあいいか」

 あんまんの下に張る紙は、蒸す時に生地が蒸し器に張り付かなくする為の物だろう。水を吸わず、蒸気に強い紙を後で用意しよう。

 まずはカーリアとフレジアに礼を言い、朝食を食べようと声を掛けた。



 食堂に行くとレーチェがやって来て猫の餌を与えたと言いながら、「猫用の餌を用意しなくてはいけませんわね」と口にする。

 そう言えば猫の餌──特に保存が利く奴を作っていない。

 撥水加工の紙は用意できるし、空気を通さない物も作れる。その二つを兼ね備えた紙も作った。後はそれを筒状に加工して、外部の空気に触れさせないように出来れば、チュー○だって作れるだろう。……いや、中身は違う物だが。


「猫の餌か。考えておくよ」

 そう言うとちらりと大皿に載せたあんまんを見る。

「あれがあんまんですの? ……明日はわたくしとの決闘だというのに料理とは、随分ずいぶんと余裕ですのね?」

「ふふん。恐れ入ったか」

 そう胸を張って言うと、彼女は溜め息を吐いて首を横に振る。

「その強気が、ただの強がりでなければいいのですけど」

「ぬかせ」

 だが俺達はそれ以上言葉でやり合う事はなかった。


 明日、俺と彼女は戦士としての誇りを賭けて競い合うのだ。

 どちらが強いかは明日、はっきりと示せばいい。それだけだ。


 食堂に向かうと席に着き、俺達は顔を突き合わせて朝食を食べた。

 周囲の仲間達はなぜか静かになって食事を食べている。……どうやらエウラの卵焼きの味付けが、結構な甘さになっていたようだ。

「うん、砂糖は大切にな……」

 そんな言葉が俺の口から自然とれたのである。

夢の内容がわからなかった人は「くそみそテ○ニッ○」で検さk……いや、まってほしい。内容はギャグ(?)ホ○マンガなので注意を。

さんざんこすられたネタなので、ネタ自体は目にした人は多いと思いますが。いくつもの名言(迷言)が出てくるマンガです……「アッ──」もそう。

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