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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第十章 愛する者のために

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夢の啓示

 夕飯を食べ、一日が終わりを迎える前に、俺には考えるべき事がいくつかあった。

 レーチェとの決闘の対策もそうだが、月光の剣を解析し、新たな錬金鍛冶の技術を開拓する研究についてや、混沌こんとんの事など。様々な問題が山積し、寝る前の時間だけでは考えをまとめるのも難しい。

 エウラの様子も気になるし、各都市の遠征拠点の開発についても場所や購入資金の調達。それに遠征についての規則を決めなければならない。

 おおよそ他の旅団と同じような内容で問題ないはずだが、副団長レーチェとも協議すべきだろう。他の旅団員の意見も参考にしないといけない。


「──そういえば神騎兵シュルトヴァーレンの武装についても、新しい着想アイデアを求められたりしていたな」

 これについて俺はしばらく考えていたが、眠気が襲ってきた為、寝台ネットで横になる事にした。

 横になりながらも神騎兵が武器や盾を使うとしたらどういった物になるか、想像しながらうとうとしていると何故か、機動戦士の動画アニメを見ている夢を見た。


(他にもロボット物はいくつもあるだろ……)


 俺はそんな愚痴ぐちこぼしながらも、ビームライフルとか拡散メガ粒子砲とか、そんな空想未来兵器について想いを巡らせていた。


(ああ、そうだ……混沌の海の中で戦う神騎兵なら、混沌の力を使えれば──)


 ふと思いついたものが夢の中であふれ出す。

 いくつかの不思議な図形や象徴シンボル

 並んだ光る道が交差し、分かれ、結び付く。

 気づくと俺は揺り椅子(ロッキングチェア)の上で編み物をしていた(俺は編み物は出来ないのに)。


 手探りでつむぎ合わせ、くるくると糸を編み棒で器用に手繰たぐる。

 そうしていると、混沌の危険な暗闇にすら、何か新しい発見が得られるような気がした。

 夢の中のはずなのに、やけにはっきりとした意識があるようだった。

 俺はせっせと編み物をしながら、気づけば図象をテーブルの上に置いた紙に描き、不思議な満足感を覚えていた……



 * * * * *



 眠りから覚めると、すっかり朝になっていた。


「夢────」


 それはぼんやりと頭の中に残っていたが、そこから意識を放すとすぐに記憶から消えてしまいそうな、か細いものに思えた。

 俺は急いで机の前に座ると、置いてあった紙に思いつくまま夢の中の図形や象徴、術式の事を書き記す。


 ────だが、残念な事に、それは不完全なもののようだ。


 混沌の中から力を取り出すには直感的に、この図式では出来ないと感じられるのだ。

 ……そうだ。俺は夢の中で混沌から活動力エネルギーを抽出する作業に取り組んでいたのだ。

 あくまで象徴的な夢のお告げのような、曖昧あいまいな内容であったが。

 紙に描かれたものは難解な図形。そしてなんらかの組成について書いてあった。

 しかし自分で書いておきながら、それらがなんなのか分からない。


 ただ夢の中で「暗闇の中の青い鳥は飛ばない」とか、「光の届かない海底で影の魚を見つけろ」とか、「影の中に落ちた金属を拾い上げるには」といった、謎めいた言葉を書いていたのを覚えていたのだ。

 それらがなんなのか──()()()()を解読し、新たな技術を発見するには、まだまだ時間が掛かりそうだった。

夢の中の出来事や言葉は、意識のそれとはまったく違います。

夢の中で見たものがその人の「願望の表れ」であったとしても、直接そのままの形で現れる事は希です。

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