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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第十章 愛する者のために

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アンクバート、荒れる

「なんだてめえ!」

「おとなしくしろ!」

「うるせえ! 俺にかまうんじゃねえ!」

 そんな怒鳴り声が辺りに響く。

 若い男が息巻いているようだ。周囲には野次馬が囲んでいたが、手を出す気はないらしい。


「なんだなんだ」

「乱闘か?」

 そんな──関心があるのか無いのか、周囲に居る者達は声のする方を見てつぶやいている。

 人の壁が途切れた所から声のする方を見ると、黎明れいめいの白刃旅団の団長、アンクバートが数人に囲まれて殴り合っている。

 五人ほどで取り押さえようとしていた男達も冒険者のようだが、屈強な若者であるアンクバートの殴打を受けて、二人があっと言う間に倒されてしまう。


「おいおい、止めないとまずいんじゃないか」

 俺は独りごちた。

 押さえ込もうとしている男達もそこそこの冒険者に違いないが、腕力だけならアンクバートの方が勝っているかもしれない。


「落ち着きなさい!」

 そんな気弱そうな声がしてそちらを見ると、そこには管理局の腕章をした男が立っていた。

 だがこの乱闘は収まりそうにない。

 ついにもう一人がのされて路上に倒れ込む。

「俺は管理局の指示なんか受けねェ! 消えろ!」

 アンクバートは烈火のごとく怒りをあらわにしている。

 残り二人の冒険者もさすがに取り押さえるのはあきらめたようで、戦闘態勢を解いてのされた男を介抱かいほうし、意識を取り戻させていた。

 鼻から血を出している者も居るが、大きな怪我人は出なかった。


 団長の若者はぎろりと周囲に群がる連中をにらみつけ、管理局の職員に背を向けると、通りを歩いて行ってしまう。

 その背中には鬼気迫るものがあった。


(あいつ……管理局に敵意でも持っているのか?)


 内心「その気持ちは分からなくもない」などと思いつつ、俺もその場を後にする。

 それにしてもあの若者(アンクバート)()()()()()()

 素手で五人の相手をして、真っ向から叩き伏せるとは。


 まあ見た感じ、技術的な部分では大したものではない。──というか粗削あらけずりで、素手での闘いならメイにも勝てないだろう。……そして俺にもアンクバートは勝てない。

 いくら腕力が強かろうと、技術でその優位点を消す事は出来るのだ。

 あの五人はあまりに相手をめていて、正面から掴みかかるような真似まねをし、まともに打撃を受けてしまったのだ。


 メイや俺なら、あいつの攻撃を受け流しつつ、投げを打って地面に叩きつけるだろう。

 ──いや。メイならふところに入り込んで、思い切りのいい打撃を鳩尾みぞおちに叩き込み、正面から相手を打ち負かしてしまうか。

 彼女は相手に対する配慮というものが足りない。いつか他人に恨まれてしまうのではないかと、ひやひやしている俺である。

 アンクバートは自尊心プライドの強い若者だ。メイのような少女に正面から闘って敗北したら……


「いや、その方が奴の為になるのか?」


 小さな少女が何故あの筋肉のかたまりに勝利できるのか。その事を実戦で、身に染みて覚える機会を与えてやった方が、きっとこの先伸びるだろう。

 ──つくづくあの男が立ち上げた旅団に、優れた先達せんだつ冒険者が居ないのが悔やまれる。


 それにしても管理局の職員は何をしていたのだろうか。

 アンクバートを取り押さえようとしていた男達は、あの職員に頼まれて若者を拘束しようとしていたとすれば、いったいなんの為に……

 いつにも増して話を聞こうという感じのない若者アンクバートの姿。

 他人事ひとごとながら、あの若者の将来が心配だ。

武闘大会で敗北をきっし荒れている?

理由は以降の話の中で~

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