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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第十章 愛する者のために

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新人の事、7と11の事。または○っぱいの事

帰ってきたセクハラ王オーディスワイア。そんな感じの話……??

「おっと、こうしてはいられない。訓練に戻らなければ」

 俺は立ち上がり、応接室から出ようとした。

「そういえば戦闘訓練をしてらっしゃるそうね、新人達の相手をしたりしながら。団長の実力に、新人達も驚いていたそうですわ」

「うん、新たに入った冒険者候補に一人、高い実力を持っている奴が居たな。名前は──セブ、だったか」

「そうですか。わたくしは新入りの訓練をそこまで見ていないので、どれくらいの実力かは知らないのです」

「セブ以外の、二人の新入りの名前ってなんだっけ?」

 俺が尋ねると、彼女は少し呆れたような顔をする。


「セブ、アマン、ブーリットの三人ですわね」

「はへっ? ()()()()()()()()()()()。それは俺の定番のお買い物じゃないか」

「はい?」

 俺の言葉を受けて眉をひそめるレーチェ。


「あんまんはさ、やっぱり中○屋のあんまんなんだよなぁ。胡麻の風味がたまらないんだ」

「あの…なんの事ですの?」

「うむ。地球あるあるネタだよ」

「訳が分かりませんわ」

「セブンはお店だから用意できないが、あんまんはそのうち作ってみるか」

 そう宣言すると彼女は肩をすくめた。

「よく分かりませんが……あんまんというのは、食べ物の名前なのでしょうか? だとしたら興味深いです。それはどのようなものですか?」

「あんまんは白く柔らかい皮に、甘いあんを包んだ菓子のような物だな。元々の料理だった肉まんは、人間の生首の代わりとして作られたらしい──」

 思い出しながら言っていた為に、余計な事までしゃべってしまった。


「生首の代わりに⁉ ……あなたの居た国も、割と野蛮な文化があったのですね」

「いや、肉まんの文化は別の国の物なんだが……、まあ日本だって長い歴史の中でそうした一面も持っていたさ。戦争の歴史がある場合、人の残虐さが表面化しなかった例などあるものか」

 俺は話を戻す事にし、あんまんが作れるかを簡単に考えてみた。

「あんまんに必要な材料はそろってるか。あとは配合とかを研究すればなんとか……」

「白い皮に包まれたお菓子ですか。焼いたら白くはならないと思うのですが」

「あんまんは蒸して作るからな。白くてふわふわの……」

 そう説明しているとレーチェが腕を組んで、白い谷間を見せつけてくる。


「そう! それそれ! お前のおっぱいみたいに白くて柔らかい……」

 そう言いつつ、レーチェの胸に手を伸ばしながら右足を前に踏み出すと──「ガチンッ」と、義足から固い音がして、急に足が沈み込んだ。

 その勢いで体勢を崩してしまう。


「あぶっ……!」

 よろけた俺をレーチェが受け止めた。

 俺は彼女の肩を掴み、なんとか倒れずに済んだのだった。


「な、なんですの、今の音は……?」

 明らかに壊れたような音がしたと、俺の体を支えながら足下を見ている。

 俺はそれに答えるように右足を持ち上げた。すると足首から黒いゴムと革紐が垂れ下がり、足の部分が外れかかっていた。

「訓練の前に、義足の修理をした方がよろしくてよ。──それと、人の胸を気安く触ろうだなんて、いくらなんでも恥知らずでしてよ」

 彼女はそう言って顔を赤らめながらにらんでくる。

 もちろん本当は手を伸ばすだけで、触るつもりはなかった、と弁明しようと考えたが……


「しまったぁあぁぁァァッ‼」

「なっ、なんですの⁉ 急に……」

「義足が壊れるという予想外の出来事が起きたのに、俺はとんだ失敗をしてしまった! ここはおっぱいを揉んでいい場面だったのに!」

「はい?」

 きりきりと、レーチェの眉尻まゆじりが上がる。

「ラブコメの定番イベント(お約束)をすべきところを、俺ってやつぁ……!」

 拳を握って後悔していると、俺が地球の定番冗談(ジョーク)を言っているのだと理解して、レーチェは盛大な溜め息を吐き、こう言った。


「とにもかくにも、そんな寝言は私を倒してからにしてくださいな」

 耳まで赤くしたレーチェは、体を支えていた腕を突き出し、俺を後ろに倒そうとする。

「おわっ、とととっ……」

 不安定な右足で体を支えつつ、左足を下げて倒れるのを回避する。

 彼女は部屋のドアを開けて出て行こうとしていた。


「俺が勝ったら、その胸を揉みしだいてもいいんだな?」

 わきわきと、指を動かしながら言う。

「どうぞお好きに。──もし勝てるのなら、ですけど」

 彼女は意地になって、顔を赤くしたまま応接室を出て行った。

 これはなんとしても勝利しなければ……!

 俺はなんだか最初の動機モチベーションよりも不純な目的を得て、よりやる気になっていた。


「だって、男の子だもん」

 俺はわざとおちゃらけて言い、右足を慎重に動かしながら自室に戻り、寝台ベッドに腰掛けた。

 箱の上に置いてある戦闘用義足に履き替えると、部屋を出て行く。

 さあ、訓練に励もう。

中村屋の○字ふせはわざとですよ。

この物語の伏せ字はオーディスワイアの過去(地球)との隔たりを演出するような意図です。

こちらの世界にはなじみのないもの、程度の意味です。

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