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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第二章 集いし者達

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風呂場のお湯問題

ちょっと息抜き回みたいな(笑)


次からは魔女っこ衣装コスプレのカーリアが登場して──

オーディスワイアに面倒事が降りかかったりするお話に……

 仕事の前や仕事の終わりに、旅団宿舎の風呂場に付ける給湯設備について考えてみた。都市には水道があり、その水を使って湯船に溜め込んだ水を温める。──あっと、湯船以外にもお湯を溜めて置ける場所があるといいのかもしれない。


 水をお湯に変えるにはもちろん火で熱すればいい、だがそれでは芸が無いだろう。錬金術を扱う錬金鍛冶師として、火を使わずにお湯を作り出す方法を選択すべきだろう。──それは冷たい水を流動する流れの中で、徐々に温度を上げていく方法を取ればいい。「加熱」ではなく「変質」させていくのである。


「おはようございます」

 鍛冶場に入って来たのはエウラとユナ、メイの三人であった。俺は挨拶を返して机の上の紙を一カ所にまとめ重しを乗せる。


 今日はおそらく忙しくなるだろう。鍛冶屋を久し振りに開く事になるからだ。ここ数日はエウラの持って来た、折れた魔剣を修復する事に集中していたが、これからは旅団と鍛冶の客について集中しなくてはならなくなるだろう。

 それらの作業の合間に、給湯設備の開発について考えをまとめめておこうと思う。何しろこの問題は以前から改善しなくてはならない問題だと思っていたからだ。


 都市の水道は、水の神アリエイラの力のお陰で供給に困る事は無い。しかし水を通す金属製の導管パイプ、または煉瓦等で水路を造るには材料がいるのだ。これを都市全体に行き渡らせるだけの量を集めるのは大変な事だ。しかし現在では多くの都市で水道が使えるようになっている(場所によっては屋外に、共同の給水施設として設置されている場合もある)。


 さらに簡単にお湯が手に入るようになれば、お風呂は多くの人々にとって身近な物になるだろう。日常生活が豊かになる物を造れるのが錬金鍛冶の優れたところなのだ。武器や防具を錬成強化するだけではない。

 とはいっても今は、旅団の団員を使って素材を集めつつ団員の装備も強化して行く事が大切だ。団員の安全こそが、まず第一に考えるべき事なのは間違いない。


 こうして今日も客と旅団員達の為に、何を成すべきかを考えながら、新しい方法などを模索し続けるのである。

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