表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第八章 新たなる指標

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

360/585

オーディスワイアの想い

外伝と登場人物や世界観などについて読めるものを投稿してあります。

上部の『方舟大地フォロスハートの物語』より探せます。


第三部に割り込み投稿した「設定 転移門・出現する敵」を投稿。

読み物としてはイマイチですが、雰囲気を知っていただければ。

 エウラが持ってきた革鎧を身に着けながら訓練場所が空くのを待ち、エウラが革鎧を着るのを手伝ってくれ、背中の革帯ベルトを留め金に通す。

 訓練用の革鎧は背中の部分は何も無く、胸から胸部を守るだけの防具になっているのだ。


「エウラさん、次の相手お願いします」

 そう言って近づいて来たのはカムイ。

 武闘大会までに強くなろうという気迫が感じられる。その顔つきは真剣で、旅団に参加して間もない頃のカムイと比べたら、まったく違う顔つきなのではないだろうか。


「で、レーチェよ」

「な、なんですの?」

「う──ん、あれだよ」

「だから、あれってなんですの?」

 俺は木剣と革の盾を手にして、木剣で肩を叩きながらリーファとエアネルが闘っているのを眺める。

「リーティスの言っていた事だよ」

 俺が言うと、彼女は木剣と盾を構えながら、何故かすでに戦闘態勢でこちらをにらむ。


「おいおい、話をしようって時に武器を構えるんじゃない」

 するとレーチェは「つい……」と言いながら武器を下ろす。

「お前はこういった話をすると、すぐに拒否しそうだから先に言っとくが、反射的に『そんな事ありませんわ!』とか言うのは無しな」

 んぐっ、と言葉に詰まるレーチェ。

 彼女の反応を見ている限りは、どうも婚約の申し出もあっさりと拒否されるんじゃないか、という気がしてくる。──まあそんな申し込みをする予定はないんだが。

 どうしたものかと思いつつ、ここで引き下がったら二度とこんな話にならないんじゃないかと考え、覚悟を決めた。


「リーティスの事はおいといて、お前は結婚の事はどう考えているんだ?」

「それは……いつかは結婚して、領地の管理に専念しようと思っていますけれど、それは冒険者としてやり残した事がないと判断したらになりますわ」

 そうか、と答えつつ「俺も旅団の連中の成長を手助けする為に全力を尽くすと決めている」と言葉を返した。

「俺は今まで結婚については正直、まったく考えていなかったんだ。だが──いろいろ考えているうちに、おれ個人のこれからと、フォロスハートに出来る事は何かと考えた時に、結婚という選択肢もあるんだと思い直した」

 そうですか、と言うレーチェに向き直ると、俺はその勢いを利用して、決意を口にした。


「俺が勝ったらレーチェ、俺の女──恋人になってくれるか?」

 そう口にすると、彼女は顔を赤くしながら「ほっ、本気ですの?」と尋ねてくる。

「もちろん本気だ」

 いきなり結婚とはいかなかった、恋人関係が精々(せいぜい)の告白だ。

 彼女はもごもごとつぶやいているが、それが何かは聞き取れなかった。

 リーファとエアネルの闘いに決着がついたようだ。わぁっと歓声が上がる中、俺とレーチェが見つめ合う。彼女はきゅっと口を結ぶと目を伏せ、覚悟を決めたみたいに大きく息を吐き出す。


「……わかりましたわ。あなたがわたくしに勝てたなら、あなたの──こ、恋人になってあげてもよくってよ。──ただし」

 と、彼女は赤面したまま険しい表情をして、盾の前に剣を構える。

「私は全力であなたに勝ちにいきますわよ、手加減は無用です。リトキスさんにも勝てるようになった私の実力を超えて、私を奪ってみせてくださいな」

 こういう気の強さもまたレーチェらしい、そう思いつつ、片足が義足だという不利をどう挽回して、彼女にどう勝つかを考え抜く。

 正直言って、万全の状態ならまだしも、片足の不自由、長年の空白ブランクを考えると、厳しい闘い──というか、はっきり言って()()()()()に挑み、勝利を勝ち得ようとしているのだと感じ始めた。


(最近とくに実力をつけ始めたレーチェに勝てるとしたら、攻撃の読み合いを制しての反撃、これだろう)

 俺の得意な「剣気の技」を使えない剣の訓練だ。

 そんな制限下でまともにレーチェと闘えば勝機はない。

 勝つ為にはレーチェの攻撃を受けきり、彼女が踏み込んで追撃にきたところを反撃し、返し技を決めるなどするしかないだろう。

 その一撃を決められるかいなか、そこが運命の分かれ道。


 正方形に描かれた線の中に入ると、剣と盾を構える俺とレーチェ。

 不思議な緊張感が走る。

 大きく息を吐き出し、心を落ち着かせているレーチェ。訓練とはいえ、彼女は本気でぶつかってくるだろう。

 こちらもあれだけの告白をしたのだ、負ける訳にはいかない。

(俺が勝ったら俺の女になれ、だなんて──風○蘭白以来の台詞セリフだぜ)

 我ながらこっぱずかしい気持ちだ。


 最近は剣の訓練をぼちぼちしていたが、身体のなまりはあるだろう。体力や戦う力を維持する運動をするくらいだった。

 昔とった杵柄きねづかで勝てるほど、レーチェの実力は低くない。

 こちらも相手の意表を突くような、考えながらの闘い方をしなければ、とうてい彼女を求める事などできないだろう。

(ウル=オギトよ、俺に力を貸し与えてくれ)

 思わず神頼みする俺。


 戦士の神でもある地の神ウル=オギト──そういえば、剣と盾を手に冒険に出ていた頃は、よくこうした祈りを捧げていたものだ。

 訓練用の木剣と革の盾とはいえ、この二つを手にしていると、そうした若き日の事を思い出す。

「さあ、はじめましょう」

 レーチェの勇ましい声が聞こえた。

まさかの急展開。

どうなる⁉ オーディスワイア!


風○蘭白──マンガ『小鉄の大冒険』で登場するキャラクター。

結構エッチなので、読む場合は注意が必要です(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ウル=オギト・男と女の闘い(色恋事)は管轄外だと思うんだが・・・(困惑)。 とか思っていそうです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ