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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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旅団の今後

ここに来て新人達の人数や名前が⁉ まあ、モブ扱いなんですけどね(笑)

旅団なので、今後も増えるのだろう、という暗示みたいな演出だと思っていただければ……

 うたげ盛況せいきょうだった。

 旅団員は総勢二十三名。そこに二人の鍛冶の徒弟と、ダリア達三名の冒険者も加わっているのだ。


 そう言えば新人──ニオとフィアーネを筆頭とした者達──は、あまり俺と絡んでいないので、どうも名前を忘れがちだった。

 これからは冒険に出る彼らから受ける恩恵おんけいもあるだろうし、今よりも、より一層の支援をしてやる機会も増えるだろう。


 新人達はニオ、フィアーネの他に六名居る。


 前衛系の能力を持つ四人と、後衛の能力を持つ二人と覚えていたが、名前も覚えて行かなくてはと思い──最近、旅団員名簿をのぞく機会が増えたのだった。


 まずは戦士系のエクスダイン。ローレンキア。リグザミト。彼らは剣だけでなく、槍やハンマー、時には弓を使ったりする者も居る冒険者だ。

 前衛にも後衛にもなれそうなアリスシア。彼女は力では先ほどの三名には及ばないが、魔法もそれなりに使える剣士になれそうだと、報告を受けている。


 魔法使いのブラナラッハとアローレ。前者は男、後者は女の魔法使いだが──まだまだ修業中の身。

 特にブラナラッハは狩人かりゅうどの様に弓も扱える類型タイプの魔法使いだ。

 そのうち、ウリスが火の神から教わった「魔法(きゅう)」をブラナラッハにも覚えさせると、意外な強さを発揮はっきできるかもしれない──

 まあ、勝手な期待に過ぎないのだが。


 こんな風に団員達について考え、その成長の為に何が必要かなどと、自然と考えるようになった。我ながら団長が板に付いてきたと思う。


「何か考え事? 旅団長」

 そう話し掛けて来たメイ。

 彼女はどうしたわけか、肩から麻袋を掛け、腰と結び付けたその袋の上に、青い毛の子猫を乗せてあやしている。


「子猫を構うより、食事を食べたらどうだ」

「食べてる。その為のかごだから」

 そう言って麻袋に乗る子猫を見せる。

「ニャァ──」

 子猫は嫌がる様子も無く、麻袋の上で温和おとなしく少女メイに運ばれていた。


「で、何を考えていたの?」

 子猫に煮干しをかじらせながら、メイはあんまり興味の無い様子で問う。


「……旅団を立ち上げる事になった時は、どうなるかと不安だったが、我ながら良く団長を務めていると思ってな」

 そっか──と、やはり上の空で応えるメイ。

「旅団長はね──良くやってると思うよ。私は二つの旅団しか知らないけど、他の皆も『前の旅団よりずっと居心地が良い』って誉めてたから」

 メイは子猫を相手にしながら譫言うわごとの様に言う。


「他の皆」とは、エアネルやレンネル──後はエウラの事だろう。

 そう考えると悪くはない答えだ。

 メイのあからさまな態度はどうかと思うが……この少女の情操教育じょうそうきょういくは、ユナやリーファだけに任せていては、いけないのかもしれない。


 まあ冒険者の多くは無頓着むとんちゃくな人間が多い。他人に繊細せんさいな配慮を示す者の方が少数派だとは思うが。




 メイの元から離れ、エウラやエアネル、カーリアなどが集まって話している所へ行くと、竜狩りについての事をウリスやヴィナー、新人達数名に話して聞かせているらしかった。

 彼女らの話を聞いた竜狩りの未経験者が、自分もいつかは、上級難度の転移門の冒険に行くのだ、という──強い意志を持って、日々の活動を行ってくれる事を期待しよう。


 リトキスに竜狩りの話を聞こうと炉の前に行くと、そこにはレーチェとリゼミラ、アディーディンクが居て、旅団の新たな名称めいしょうについて話し合っていた。


「やはり『白金の』でよろしいのではないでしょうか」

「金や銀の色では無く、金属の事を示す方法も良いと思いますね。『鋼金ファルガルナの』などはどうでしょうか」

 リトキスいわく、──鍛え上げた金──という意味の古語らしい。


「分かり辛くないか? だが、ファルガルナという響きは気に入った」

 俺が横から声を掛けると、リトキスは嬉しそうに微笑ほほえむ。

「そ、そうですか? でも、古い書物の中で、そうした言葉──硬い黄金──という物があると記されている文献もいくつかあるんですよ。製造方法まではっていませんでしたが」

 どうやらリトキスの中の、古書好きの魂が再燃しそうだ。あまり深く立ち入らない方が良いだろう──長い話になるに決まっている。


「それで? オーディス、あなたはどうなんです? 何か、他の案はありまして?」

 おっと、おはちが回って来てしまった。


「俺は──そうだな『星金スピラガルナの』なんてどうかな。造語だが」

 星、という単語を知っているリトキスとレーチェには伝わったが、リゼミラとアディーには分からなかったようだ。

 ちなみに「金星」ではなく、「金色の星」という意味合いの方が近い感じの言葉になる。


「金の星、ですか。それは──どうでしょう。古代世界の事を知る人にしか伝わらないのではないですか?」

 レーチェの言葉に、アディーが「なるほど、そういう事か」と納得する。──どうやら「スピラ」という単語を読んだ事があったようだ。


「正直、俺は──名前の事は、そんなに気にしていない。問題は中身──団員達にとって、旅団がどうあるべきか。そっちの方が気掛かりだからな」

 リゼミラは最初から、名称が変わろうが、変わらなかろうが、気にもしない風だった。

 この女にとって旅団とは、冒険に集中できるかいなか、それが問題になる場所なのかもしれない。

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