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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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祝杯と旅団名の変更

今週中か、次の日曜には完結するかもしれません。

お付き合いよろしくお願いします~


100万PV達成! ありがとうございます!


 宿舎の自室に戻り、鎧などを脱いで普段着に着替える(ライムは子猫達と一緒になって、俺の足下でじゃれついている)と、庭で始まる宴会に向かう。

 ──その途中、廊下の先にある食堂の方からレンネルや、ラピスが食事を乗せた皿を持ってやって来る。


「あ、お疲れ様です」

「お互いにな」

 二人の背後からは、エアネルとダリア、フレジア達が大皿を運んでいるところだ。

 俺達は先に庭に出ると、扉を開け放しておいた。


 子猫達も一緒になって庭に出て来たので、踏まれないように、ユナやメイに庭のすみで遊ばせるよう言いつけておく。

 俺の足下に居たライムを抱き上げてやると「ニャァ──」と、甘えた声を出してゴロゴロと喉を鳴らした。


 そんなライムの喉を撫でてやりながら、長テーブルに皿を置いたレンネルとエアネルを呼んで、旅団拠点の二階に住んでいる新人や、鍛冶の徒弟二人を呼んで来てくれと言うと。


「新人達は、ウリスとヴィナーの二人が呼んで来るはずですが──遅いですね」

 とレンが言い、徒弟の二人を呼んで来ますと、宿舎を出て行った。

「お前も行かないか」

 エアの背中を押して、弟だけに行かせるなと苦言をていする。

「はぁ──い」と気乗りしない感じで応えると、彼女も宿舎を出て行く。


 俺は竜狩りから帰って来たメイや、ダリア達に声を掛け、その労をねぎらいつつ、狩りでの活躍などを耳にし、これからの冒険の指標にしようと、考えを巡らせる。


 今回の竜狩りや「海の中の島」での事件をて、「黒き錬金鍛冶の旅団」は──大きな仕事を成し遂げたのではないかと考えていた。

 竜を狩る事が出来る旅団──または、そうした冒険者の居る旅団は、総じて高い評価を得られるものだ。

 我々の旅団は、すでに中堅では無く──上級の旅団としての実力を持っていると考えても問題は無い。


「名前──変えるか」

「え、『オーディスワイア』を変えるんですか? 何のために?」

 と、鍋に胡椒こしょうを投入しながらリトキスが言った。


「違う、旅団の名前だよ。『黒き』という部分をさ。もうこの旅団は、上級の冒険者の集まりになった、と言っても差しつかえないだろう」

 そう言うと、リトキスも「確かに」と賛同する。

「なら『金色こんじきの錬金鍛冶旅団』とでも変えますか?」

「お前、古巣になんかうらみでもあるのか」

 リトキスは肩をすくめ「上級旅団というと『金』をかんする事が多いじゃないですか」応える。

 今度は俺が「確かに」と応える番だった。


「それでしたら、『白金はっきんの錬金鍛冶旅団』でいかがですか?」

 着替えてきたレーチェが現れ、こちらの話に割って入る。相変わらずライムを見ようともしないが。

「ただ『金』とするよりも、こちらの方が私達の旅団には合っている様に思いますが」

 彼女の言う意味は「金の」実力を持ちながら「銀の」階級にある、といった謙虚けんきょさを持った旅団である──という表明であるらしい。


 確かに白金は銀色をしているが、謙虚さが表せるかどうかは疑わしい。

「まあ謙虚さは、旅団員一人一人の行動に掛かっていると思うが」

 俺の言葉に「そうですわね」とレーチェ。


 いやいや、お前の言動がそもそも──謙虚さとは無縁のものだろう。そこまで口から出掛かったが、いまだにグリグリと押し付けてくるライムの頭に口をふさがれ、それが言葉になる事は無かった。




 そうしているところへ、玄関の扉を開けてウリスとヴィナーが新人を連れて帰って来た。

 新人達は冒険から帰って来た後で、自主的に市外訓練場におもむいて、冒険の反省をねて、訓練にはげんでいたという。

 彼らもまた、この旅団の団員達が持つ、真剣な、冒険に対する態度を学び始めたようだ。


 レンとエアがケベルとサリエを連れて来たのを確認すると、まずは各人に酒、または果物の絞り汁(ジュース)などを入れたグラスを渡し、今回の冒険についての報告をする事になった。


「さて、今回は新人達にも冒険に本格参入してもらったわけだが、先輩に当たる旅団員の面々も、初めての『竜狩り』を成し遂げて無事に帰って来たようだ。俺や副団長達も、困難な仕事を成し遂げて、新しい大地をここ、フォロスハートと接合する約束を取り付ける事が出来た。

 この旅団は確実に実力を付けてきている。そこで、今までの『()()錬金鍛冶の旅団』を改めて、『白金の錬金鍛冶旅団』と改名するか検討している。皆も、これといった意見があるなら、俺か副団長に話してくれ。検討させてもらう。

 色々と話もあるだろうが、大量に運ばれて来た料理が冷める前に食べる事にしよう。それと──庭に猫が歩き回っているから、踏まないよう注意してくれ」

 そう言うと、皆から笑いがれる。


「──それでは……乾杯!」

 皆が手にした杯をかかげたり、隣に居る者達の杯に軽く当てて飲み物を口にすると、長テーブル上に並べられた皿の前に集まったり、炉のそばに置かれた深鍋の、竜の内臓料理を皿にってもらいに行く。


 こうして過酷な冒険、または初めての冒険を乗り越えた仲間達が、一堂に会しての宴会が始まったのであった。

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