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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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報告と宴会の準備

プロットを見直してびっくり、竜狩りにはダリア、フレジア、ラピスの三人も参加するよう(物語中にそう変更されたので、後からプロットに書き込んでいた)書かれている……

という訳で『転移門前で』『竜の探索と発見』『大顎獣竜の討伐』に、彼女らが参加(「錬金鍛冶の旅団」員達を見守るだけですが)した描写を足しました。申し訳ありません~;

 管理局では受付に報告すると、すぐに担当の職員が現れて、事の報告を詳しく説明させられた。

 大地の接合の許しを相手の神から得られ、積極的に協力すると聞いて、その職員達も安堵あんどした様子を見せる。


 大地の間に橋を建造する事などを話し合った説明をすると、彼らは「すぐに上の方に知らせます」と応えて、最後に彼らはこんな言葉を残した。


「後日、もしかするとオーディスワイアさんには、大地の接合に関しての会議に参加して頂く事になるかもしれません。ご了承りょうしょうください」

 俺は「分かった」と答えたが、また新たな厄介やっかい事に巻き込まれそうだと、嫌な予感を感じていた。




 宿舎に戻る前に、レーチェと共に鍛冶屋の方へ寄った。二人の徒弟は、特に心配していなかったのだろう──彼らには、どういった冒険にいくか、詳しい話は避けていたからだが──笑顔で「お帰りなさい」と言って来た。


「ああ、新しい仕事はどんなのが入った?」

 俺の方も、そんな大した冒険はしなかった風をよそおって、普通に接する。


 取り立てて新しい、複雑な錬成などの依頼は入っていない。俺は、今日は早めに鍛冶屋も閉めて、明日も休みにしようと決めると、二人にお休みを言って宿舎に向かった。


「あなた気分で休みにされたら、徒弟は迷惑じゃなくて?」

「まあなぁ……しかし、徒弟というのは得てして、そういうもんだ。それに、あいつらは放っておいても自主的に鍛冶の勉強や、錬成の訓練をするからな。師匠としては手が掛からなくて助かる」

 弟子を育てるのが師匠の役目だとか、おっしゃっていませんでしたか? と、皮肉を込めた言い方をするレーチェ。


「もちろんだ。分からないところ、いたらないところは、すぐに修正してやっている。間違った育ち方をすると、()()()()で、無礼な奴になってしまうからな」

「そうですわね」

 彼女は俺の発言の意図いとには気づかなかったらしい。どうやら()()()()()のか……誰ですか? この女をこんな風に育ててしまった人は。怒らないから出て来なさい──


「なにか、良からぬ事を考えていますわね?」

 紫水晶アメジストの色合いを秘めた、冷たい目でジロッとにらんでくる。

「まぁまぁ、そんな怖い顔をするもんじゃな……おや? 庭が騒がしいな」

 宿舎の扉の前に来ると、壁の向こうから仲間達の声が聞こえてきた。庭で何やら準備をしている様子だ。


 扉を開けて中に入ると、庭に長テーブルが出され、丸テーブルや椅子なども用意されている。庭で立食会合(パーティー)を開くつもりらしい。


「ニャァゥ──」

 近くに立っていたユナの腕に抱かれていたライムが、俺の方を見て鳴き声を上げると、彼女の腕からさっと飛び降りて、こちらに近づいて来た。

「おう、ライム。ただいま」

 脚にすり寄って来る猫を抱き上げ、レーチェに見せると、彼女は「眼が……眼が──」と言いながら顔を背け、宿舎の方へと逃げて行ってしまう。


「猫の眼を怖がるだなんて、猫目石キャッツアイとかはどうするんだ。あいつは」

 宝石好きと言いながら、猫目石を忌避きひするとか──あれは魔除けになると言われている石なのに。

難儀なんぎな奴だな」

「ゥニャァ──」


 俺の腕に足を掛けて立ち上がると、頭を俺の首やあごに押し付けてくる。──よほど再会が嬉しいのか、気まぐれなライムにしては、積極的に愛情表現を表して来るものだ。


「お帰りなさい、オーディスワイアさん」

 ユナが声を掛けて来た。

「おう、お疲れさん。どうだった? 初めての竜狩りは」

 ライムに頭をグリグリ押し付けられながら、彼女の方を見ると、ユナはプッと吹き出す。


「……ええ、怖かったですけど──なんとかなりました。それで今日は、竜肉を使った料理で宴会をしようと、リトキスさんが」

 なるほど、竜肉か。

「しかし生き物の肉は、数日立たないと味がしないぞ」

 そう呟くと、カムイが近づいて来て言う。


「ええ、知ってます。ウリスから良く聞かされましたから。だから今日の料理の多くは内臓料理ですよ」

「わお、そういえば昔。竜の睾丸こうがんが、精力が付くからと料理していた奴が居てな──睾丸料理は出るのか?」

 俺が言うとユナは苦笑いを、カムイは露骨ろこつに嫌そうな顔をする。


「キ○タマをですか? ちょっと食べたくないですね」

「珍味らしいぞ」と言いながら、それを口にした奴の表情を思い出したが、……かなり脂汗あぶらあせいていた記憶がある。


 庭の片隅かたすみに設置された炉の前で、鍋の中身を掻き回しているリトキスが近づく。

「竜の睾丸料理か?」

 俺は、そう声を掛けた後「竜狩り、ご苦労さん。誰も欠けなかったようだな」と労をねぎらった。

「ええ、大丈夫でしたよ。彼女ら──ダリアやフレジア、ラピスの三人もね。彼女らだけで緑棘爪竜ダルスヴァルデンを倒してくれたお陰で、竜肉や素材も大量にもらえましたよ。──というか睾丸料理は、キャスティさんにだまされたアグラムが食べたんですよ。僕は口にしていません」


 それに調理の仕方が駄目だったらしく、ちゃんと処理した物を使えば、美味しい料理になるそうですよ。とリトキスは付け足した。


 仮に珍味でも──睾丸や性器を口にするのは躊躇ためらう奴の方が多いだろう。

 俺はライムを抱えたまま、自室に戻って武器や鎧を脱ぐ事にした。

猫目石は光の反射効果の状態を持つ金緑石クリソベリルの事で、他にも虎目石タイガーアイなどと呼ばれる石もありますね。詳しくは書きませんが、結晶内の細い針状の結晶の集まりがキラキラと光を反射するのは翡翠でも見られます(これが見えると翡翠。無いもの、細かく無く大きな結晶が見える物はキツネ石などと呼ばれます)。細かい結晶の密度が高いから翡翠は固く、重いそうです。

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