竜の探索と発見(カムイ視点)
読んでくれてありがとうございます〜
交互に描写場所が変わる展開が続きます。
俺達がやって来たのは、広大な野原が木々の間から見える、林の中にある転移門。
林の近くには大きな岩山が壁の様に立っている。
林を出ると、遠くに見える森や丘、岩山などがいくつか見え、その中の一つは──大きな森林となっている様だった。
林の陰や草むらに、今まで見た事の無い生き物がちらほらと見える。
「あれは草食竜。こちらから攻撃しなければ温和しい生き物だよ。まあ、あれを倒して肉を手に入れる任務も、管理局から出される事もあるからね」
気になって生き物の事をリトキスさんに尋ねると、そう答えてくれた。
「あっ、あそこ──ほら。今、草食竜が襲われている」
さっそく大型の竜を発見か⁉ そう考えて、思わず剣の柄を強く握る。
「小型の肉食竜の群れだ。あいつらは、ああやって集団で狩りをする。囲まれると厄介なので、一匹一匹を確実に仕留めるよう意識して、焦らずに行動するんだ」
リトキスさんは小型の肉食竜──直立し、二足歩行する蜥蜴に似た大きな爬虫類を指差す。
群れで襲われた大きな身体の草食竜が懸命に逃げようと、棘の付いた尻尾を振って、肉食竜を追っ払おうと応戦するが──横倒しにされると、次々に飛び掛かられ、草食竜は動かなくなった。
他の草食竜が我先にと、その場から逃げて行くのが見える。
過酷な世界だ。これが獣達の営み。
さらに大型の肉食竜が、この弱肉強食の中に組み込まれていると考えると、自分達の様な人間はかなり下層に位置する、弱い生き物に該当するのだろう。
この大地では、ぼさっとしている奴から命を落とす──と、ダリアが脅す。
遠くの空を、大きな翼竜が飛んでいるのが見える。
大地中央にある山脈の陰に──赤い影が姿を消した。
地図で見たが、大地の中央から広がる山々と、その麓に広がる森が、大型の竜が多く棲息する場所であるらしい。
「中央大森林付近には近寄らず、予定通りに、まずは周辺の森や丘、岩山の陰を探って行こう」
リトキスさんが、そう声を掛け、先へ向かって歩き出す。
周囲を警戒しながら歩く俺やユナにメイ。
落ち着き無く辺りを見回しているのはカーリア。
エアネルとレンネルは後方を警戒しつつ、付いて来ている。
ダリア達は少し離れた場所から周辺を見回っていて、あくまで今回の竜狩りは、俺達が竜種との戦いに慣れる為の冒険である、と示している様だった。
森の陰や草むらの近くに、尖った角を鼻先に持つ小さな獣(小型の犀)や、首の長い大きな鳥。若草色の毛を持った鹿に似た生き物など。──ここには多くの生き物が隠れながら生存していた。
野原だと思っていた場所を実際に歩くと、起伏にとんだ、隆起の激しい場所である事が分かってきた。
転移門のあった場所は、わずかながら隆起した高台にあり、周辺を見下ろす形になっていたが、切り立った崖状の岩山が段々を形作った場所に、崖の上にある小さな森なども見える。
背の高い山は中央にある山脈にしか無いが、その周辺には、多くの切り立った岩山などが点在している。──そんな地形だ。
これでは、どこに大型の竜が潜んでいてもおかしくは無い。特に目立つ、大きな岩山には穴が空いており、そこには竜の巣があるのだとリトキスさんは言う。
「毎回の様に、棲み着いている主が変わるのが面白い所だね。竜同士で縄張り争いをしている場面も、機会があったら見られるかも」
そう言うリトキスさんは、どこか楽しそうだ。
こちらは初めてここに来た連中ばかりなのだ。緊張していて、そんな物を目の当たりにしたら、どうしていいか分からない。
「傷つき、逃げて行った竜を倒すのが理論だね。場合によっては竜が倒されてしまう事もあるようだけど」
それは見た事が無いなぁ、と漏らすリトキスさん。
振り返り、離れた場所を荷車を引いて付いて来ている素材回収屋の位置を確認する。
しばらくすると、リトキスさんは立ち止まり、口元に指を当てて振り返った。
林と岩山の陰から、何やら聞き慣れぬ音が聞こえてくるのだ。
──────それが、巨大な獣の寝息であると気づくのに、かなり時間が掛かってしまった……
俺達に緊張が走る──メイだけが冷静に、気を落ち着けるみたいに深呼吸して、リトキスさんに指示を伺う様な視線を向ける。
ラピスとフレジアは林の外で待機する。
「うん、静かに、そっと行こう」
岩山の周辺を囲む林……その陰に、鉤爪のある大きな足と、堅そうな皮膚や鱗を持った生き物が眠っていた。
「大顎獣竜だ。音を立てない様に近づき、腹部や喉を同時に攻めよう。攻撃したら、ユナは全員に防御魔法を」
リトキスさんの指示に、ユナは力強く頷く。
「さあ、狩りの時間だ」
ダリア、フレジア、ラピスも参加している場面を追加しました。




