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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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海底調査前に

「明日は休みにしよう」

 宿舎の食堂で、俺は仲間達にそう言った。

 夕食は俺が作った。香辛料スパイスを利かせた煮込み料理だ。


 生憎あいにくだが、フォロスハートで手に入る(転移門先で、と言う意味)香辛料では、カレーを作る事は出来そうに無い。

 何が足らないのか……そこまで調味料に詳しい訳でも無いが、もしかすると、まだ発見されていないだけで、どこかの大地に香辛料となる素材があるのかもしれない。


「それは構いませんが、明後日の海底にある神殿へ向かう構成員メンバーは……」

 今日は、リゼミラとアディーディンクも食堂に呼んである。

「リゼミラ、アディーディンク、エウラ、レーチェ、リーファに行ってもらう」

 その他の団員は「竜狩り」にでも行ってもらおうか、とリトキスやメイ、カムイを見て言うと、彼らは、ただ黙ってうなずいて見せる。


 今からそんなに気合いを入れていたら、明日の休みが持たないぞ。くつろいでいけ、俺はそう突っ込んで、明後日の探索や冒険について各々が相談するに任せた。

 リゼミラとアディーは落ち着いたもので、神が居るかもしれないと知っても、動揺する様子は無い。


 レーチェも、そんなリゼミラ達と親しげに話しており、明後日の探索についてアディーの防御魔法や、錬成で作った呼吸器などの事を話している。


 リトキスの周囲には、竜を討伐しに行く旅団員が集まり、「竜棲の広原と森」についての情報を逐一ちくいち尋ね。草食竜や小型の竜、んでいる生き物についての対処法を学んでいた。


「小型の肉食竜は集団で行動するものが多い。まれにだけど、大型の竜に襲い掛かる場合もある。僕達人間に対しても当然牙をく、凶暴な生き物です」

 小型の竜を排除してから戦うか、小型の竜を利用するか、時と場合に応じて戦略を立てておこう、などと話し合っている。


 一応『冒険指南書』を読んで学んでいるのだろう。

 リトキスから竜の行動について、あれこれと尋ねている。

 頭の中で知っている事と、実際に経験して学ぶ事の違いを埋めようとしているみたいに。


尻尾しっぽを持つ竜の多くは、尻尾での攻撃もしてくる身体の内側に入るか、尻尾の下をくぐってかわすなどしましょう。尻尾を切断すれば、竜の多くは行動を制限されるので戦い易くなります」

 などとリトキスが言い。続けて背の高い大型種は、脚を攻撃して倒す戦法が基本となると説明する。


 集団戦、しかも魔法剣という新たな技術を有した旅団による竜との戦いは、あまり実戦が成されていない(アラストラが経験しているだけだ)。

 特に我々の旅団は、団員の多くが魔法の武器を持っているのだ。今までに無い戦い方が考案されても不思議じゃない。


 竜と戦う事になる前に、レンネルとエアネルの魔法の武器を作製しておきたかった。

 しかし仕方が無い。


 まさかこんな風に──突発的に竜の討伐へとおもむく事になろうとは……難儀なんぎな話である。


 危険な竜という存在と戦う──


 旅団を受け持つ事になって、上級への進出というのは覚悟していたが、当事者であった冒険者時代の時よりも、より一層──緊張を強いられる思いがした。


 誰も失う事無く生還させる。

 閃光弾や煙幕、回復薬なども予備は大量に保管してある。抜かりは無い。


 この日は各自が明日の休みを使って、簡単な訓練をした後に、身体を休める事に決まった。

 海底神殿への探索と、竜狩り……二つの大きな冒険が開始されようとしていた……

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