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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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ウリスの故郷の外周区と猫

沢山のブックマーク、ありがたいです。

 地の神からの手紙の内容を読んだ俺は、武具を身に着けた巨人戦士の言葉として受け取ろうとしたが──、脳裏のうりにどうしても、銀色の大鼠おおねずみ()()()()()()()いる姿がちらついて、笑いをみ殺しながら廊下を歩いて食堂まで戻る。


 食堂で冒険について話し合っていたレンネルとリトキスが、同時に「お客さんは帰ったんですか?」と言った事を尋ねてくる。

 遠くからレーチェもこちらを見て、どうだったのかと目で訴えていた。


「地の神、ウル=オギトからの使者だった。前にも話した通り、海底にある神殿に行くに当たって、神々の力も借りる事になったのだ。詳細しょうさいについては後で話すが、海底への探索は神々の助力も得られるので、安心していい」

 神様の助けが得られるなら安心だ。

 そう言った声が聞こえる。

 海底に居ると考えられている他の大地の神が、友好的に接してくれるとは限らない、そう考えていたのだろう。


 今日もリトキスやメイ達は、跳躍大鰐ジャーガナック槍角蜥蜴ラスリザーデ討伐とうばつへと向かい。

 レーチェやヴィナーらが、神結晶と霊晶石を求めて、上級難度の転移門「神座す山脈」に採掘さいくつに向かうと言ってくれた。


「神座す」とあるが、「その様に感じられる」という事から付けられた名で、実際に神が居ると分かっている訳では無い。

 だが、この四つほどの山がつらなる山脈からは、稀少な()結晶や霊晶石が採掘できる確率が、他の場所に比べると非常に高いのである。


 また、金剛石ダイアモンド青玉サファイアなども手に入る事も多く。レーチェに至っては、宝石の原石を掘り出すのを楽しみにしているふしがある。彼女も俺と同じく、原石の魅力を理解する(知る)者なのだ。


「でもわたくし、採掘で宝石を手に入れた事が、いまだに無いんですのよ。過剰な期待はしないでおきますわ」

 巡り合わせの悪さ、というものは致し方ない。

 物欲感知装置(センサー)が働いて、石が逃げ出しているのだろう。──むろん冗談だが。


「まあ、気を付けてな。あそこには危険な生き物や、霊獣が出現する場所でもある。リゼミラも連れて行け」

 俺が忠告アドバイスをすると、彼女は頷いて「分かりましたわ」と応えて、宿舎を出て行く。


 俺も皆の後から拠点に向かう。

 宿舎にはウリスが残り、弓矢の訓練や掃除、猫の世話などを任される事となった。


 *****


 彼女ウリスは子猫達からなつかれており、我々人間からすると若干、取っ付きにくく、怖い雰囲気ふんいきを持つウリスなのだが、猫達は、そうした雰囲気以外のものを感じているのだろう。


 まるで母猫に甘えるみたいに彼女の足下にり寄ったり。鳴き声を上げて、さかんに気を引こうとする。

 その様子を、メイがうらやましそうに見ているのであった……


「猫は昔、飼っていました。山の中にんでいた野生の猫ですけど。家では無く、森や山の中で飼っていた──みたいな感じでしたね」

 大地の外周区近くの山や森には、まだ多くの野生動物が潜んでいるらしい。


 幸い彼女らの住んでいた「ペルム」近辺の山などに、野犬は棲んでいなかったらしいが、野犬はここフォロスハートでは唯一、人を襲う可能性のある危険な生き物なのだ。


 ウリスの実家から木の実が送られて来たので、今度、それを使って焼き菓子を作ってやろうと考えていた。


「森の猫には今でも、家族が餌をあげているみたいです」

 家族から届いた手紙に目を通しながら、ウリスは懐かしそうに目を細める。

 その足下で三匹の子猫が、彼女に遊んでもらおうと、体を擦り付けたり、鳴き声を上げたりしていた……


 *****


 拠点の前でリゼミラとアディーディンクと挨拶を交わして、建物の中へと入る。

 拠点での打ち合わせ(ミーティング)は、すぐに決まった。

 新人達の数名には武器と防具が与えられ、採掘や採取に向かってもらう。


「霊晶石が欲しい? わかったあたしも『神座す山脈』に行くよ。神結晶は──まあ、期待は出来ないね」

 リゼミラの言葉通り、滅多に入手でき無い物なのだ。もし神結晶のかたまりを入手できたら、それだけで高品質の武器を購入するだけの額が手に入るだろう。


 俺は仲間達を送り出すと、隣の鍛冶屋へと向かった。

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