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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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神の謝罪と感謝

高評価してくれた読者様に感謝~~。あなたの優しさが私の勇気(書き続ける気力)!

 その日の夜に眠りにくと、アリエイラによって精神世界に呼び込まれた。

 彼女アリエイラはレーチェに、俺と再開した日の様子を語る過程で、うっかりと表情や態度に出してしまったかもしれないと謝罪する。


「でも、あなたを愛する気持ちに嘘はつけませんから」

 ある意味、開き直りとも取れる発言をするアリエイラ。

「まあ別に構いませんが。それにしても、レーチェと謁見えっけんする事になった段階で知らせて欲しかった気も……」

 そう言いつつ、神に対し、そんな事でわざわざ報告しろ、と要求するなど論外だという事に気づき、謝罪する。


「いいえ、そんな、そんな。──そうでしたね。私も気が動転していて、うっかりと、あなたに相談するという手段を忘れておりました」

 アリエイラはレーチェからの手紙を読んだ時、俺の過去について詳しく調べており、隠し立てするのは無理だと悟ったという。


「まあ、面倒臭い女ですしね」

「そんな事を言っていると、()()、彼女ににらまれますよ」

「『また』って事は……見ていましたね? 俺とレーチェのり取りを──」

 水の神(アリエイラ)は少し取り乱し、慌てて口を開く。


「それは──! それは、仕方が無いでしょう。あなた方とつながっているのですから。まるでのぞき見ていた、みたいな言われ方は心外です」

 湖の前でそんな話をしていると、不意に背後に誰かが現れた。


「楽しそうに話しているところを、すまないが……」

 薄い緑色の衣をまとっている、利発そうな青年が現れた。

 彼は青色のズボンと濃い緑色の靴などを身に着けている。


「ラホルス──珍しいですね。あなたからこちらにやって来るなんて」

「うん。実はオーディスワイアに聞いておきたい事があって」

 風の神(ラホルス)はそう言って、俺の隣に腰掛けた。


「混沌結晶を分解したそうだね? その影響を『吸着結晶』なる物で無効化する事も発見したようで、なによりだ」

 アリエイラも彼の言葉を受けて、混沌に対する武器を作ったのを誉めてくれる。


「混沌に対する有効な攻撃手段を発見するなんて、素晴らしい偉業いぎょうです。私の住むみやこを守る城壁に取り付けられている弩砲バリスタにも、『対混沌攻撃力』を付与する事が決まったみたいです。もちろん兵士達の武器などにも付与される予定です」

 彼女の言葉にラホルスも。自分の住む街にも、それなりの対応が取られる事になった、と報告する。


「──それで、本題だが。私とミーナヴァルズは管理局と協力して、混沌から大地フォロスハートを守る結界と、結界を守るために混沌の近くに配置している──。言わば我々(神々)の分身である『戦う者共(神の手)』を使って、混沌から侵入しようとする敵の排除に、オーディスワイアの発見した『対混沌武器』を持たせてのぞんでいるのだが」


 ラホルスの言う「戦う者共」──別名を「神の手」と呼称される──とは、四大神の力を有した半霊的存在の事で、フォロスハートに侵入しようとする外敵を排除する。そんな役目をになっているらしい。

 それは大きな力を持った存在らしいのだが、それでも広大な(四方八方から敵は襲って来るのだ)大地の周辺を守るのは困難な事なのだろう。

 大勢力で攻めて来られると、戦線を突破される事もあるみたいだ。


「お前の発見した新たな力を宿した武器のお陰で、かなり戦い易くなり、また防御面でも強化が望めた。これからも我らは管理局の者達と協力して、この大地を混沌から守って行くが。お前の力も頼りにしているぞ。オーディスワイアよ」

 風の神は、そう言葉を残し、文字通り風の様に消え去った。


 風の神から直接あのような言葉を掛けられるなど、なかなか無い事だ。

 アリエイラにも、新しい力を発見してくれてありがとうと言われ、嬉しくて嬉しく、なんだか気が遠くなってきた──


 *****


 そう思ったら、現実に戻って来てしまっていた。

 薄暗い部屋の中で目覚めると、窓の外から月火つきびの青い光が入って来ていたが、もうすっかり目が覚めてしまった。


 部屋を出て暗い廊下に出ると、しんと静まり返った廊下を歩いて、玄関で靴をく。


「ミャァァ──」

 すると起きていたのか、ライムが俺に気づいて声を掛けて来た。

「庭に出るだけだよ。お前も来るか?」

 するとライムはトコトコと歩いて近づいて来る。


 扉を開けて外へ出ると、久し振りに外へ出た為か、ライムは花壇の所へ行ったり、水洗い場に行ったりして、うろうろと歩き回っていた。

 空を見上げるとそこには、薄暗い紫色や、青色に染まる空があった。


 だがこれは、結界によって外の混沌を見えなくしているのだ。この空の向こうでは、四大神力を持った──言わば、対混沌用の兵器が飛び回り、混沌からの侵略者を迎撃しているのだ。


 俺は芝生しばふの上に腰掛けると、脚にり寄って来たライムをかかえて、空を見上げた。

 無限に広がる宇宙の代わりに、虚無が広がる真っ暗な世界──。それを目の当たりにさせないようにと、神々が作り出した虚構の空を見上げながら。


 この危機的な世界の中でも、俺達は何とか生き抜いて行ける。そう信じ、明日からも仲間を守りながら、共に生きて行こうと心にちかった。

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