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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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レンネルの回復魔法を強化しよう

 宿舎に戻る途中の道で、アディーディンクと新人達に出会った。新人達は俺とアディーに別れの挨拶をして、拠点の二階へ帰って行く。


「どうだった? 島は見つけられたのか」

 俺が問うと、アディーはあっさりと頷いてみせる。

「ええ。それと、もう一つ。面白い物を見つけました。管理局には『島』を探せと言われていたので、教えていませんが。()()()()()()()()()()()()()()()場所を見つけました」

「なにそれ、面白そう」

 興味を引かれた俺にアディーは笑い掛け、水の中でも呼吸できる錬成具はありませんか、と尋ねてきた。


「水圧は『防御魔法』で対応可能ですが、……かなり深い場所にあるので、息が……」

 空気を生み出す錬成具を作る方法を(頭の中で)探ってみる。空気は水の精霊結晶と風の精霊結晶の組み合わせで作り出せる。問題は的確に、口や鼻から適量を取り込めるか、という事にある。


「……そうか、少し考える必要がありそうだな」

 宿舎の門を開けながら俺は答えた。

 アディーは「よろしくお願いします」と頭を軽く下げる。


 他にも新人達の様子などを聞いたが、何しろまったく戦闘をせずに済む場所なので、特に話せる様な事は起こらなかったらしい。平和すぎるのも考え物である……




 宿舎に戻った俺とアディーを出迎えたのは三匹の子猫達。──と言っても、彼らは玄関前の廊下でじゃれ合っているだけだったが。

 母猫ライムは子供の相手に疲れたのか、巣箱の中で休憩している。


 食堂へ移動すると、宿舎に残っていたヴィナーが調理場で、料理を作っているところだった。

「なんですか、いま忙しいです」

 突っけんどんに彼女はそう言って、魚のすりつぶした物に水玉葱を加えて、さらに潰していく。


「魚のハンバーグか」

 俺の言葉に首をかしげるヴィナー。「はんばーぐ?」と言いながら、刻んだ生姜しょうがなどを混ぜ込んで、こね始める。

()()、謎の言葉を……」

 背後から急にそう言われ、ぎくりとして振り返る。──そこにはレーチェが立っていた。


「ただいま帰りましたわ。それで、はんばー……なんですって?」

「うむ。古い時代の料理本に、そんな物が書かれていたような……という、あれだ。うん」

 なんとか誤魔化ごまかしたが、迂闊うかつに口に出すべきでは無かったか。レーチェは何か、企んでいる様な表情をしている。


「それより、明日はダリア達、三人の冒険者と上級難度への冒険に行く事になるだろう。誰が行くか、今日中に決めておいた方が良さそうだ」

何故、彼女らと……と、レーチェはこちらをにらむみたいに見てくるので、ダリアに魔法の剣を造ってやった事を説明し、明日はレンネルと新人達の中の魔法使いを、管理局の「魔法師養成所」に向かわせて、講師の授業を受けさせる事を提案する。


「レンネルを? 何故いまさら……」

「いまさらじゃない。回復魔法を習得したレンネルを無駄遣いしない為だ。魔法の素質があるレンネルには、剣技だけでなく、魔法も扱えるようになって欲しいからな」

 そう言うと彼女は「確かにそうですわね」と納得して、食堂へと戻って行った。

 何をしに調理場まで来たんだ……




 料理を作るのを手伝って、何品かの料理を盛り付けて食堂へ運ぶ。

「貝の牛酪バター焼き」が香ばしい匂いを放って、皆の興味を引き付ける。

 海の幸を手に入れた事で、食生活にも大きな変化が現れ、街の中の商店でも、ウンディードから運ばれて来る淡水魚などが、細々と売られていた状況から一変し、海の魚や貝、かに海老えびなども売られるようになったのだ。


 料理を食べながら、レンネルに先程レーチェに言った件を告げて、明日は休みを取り、魔法師養成所に行くように説得する。


「魔法の訓練ですか……、そうですね。いいですよ、もちろん。ただ、僕もウリスがもらったような、回復魔法の効果を上げる装飾品が欲しいですね」

 とちゃっかりと()()()()をしてきた。


「わかった。『回復魔法効果増幅』を付与した水晶玉を付けた、手首に巻き付ける革紐の装身具を作ろう。剣や盾を持つのに邪魔にならないようにな」

 それ、いいですね。とレンネルも納得してくれた。


 レンは強力な「白銀騎士の盾」も持っていて、防御力も高い。回復魔法との相性は良いはずだ。

 混沌灰を使って、魔法に対する抵抗値を盾に付与する事が出来たら(魔法無効化を付けると、

他の錬成効果を打ち消すかもしれないので、実験してみるつもりだ)、かなり強力な魔法戦士──いや、聖騎士パラディンになれるのでは?


「いっそ、全身を白銀騎士の強力な効果付きの防具で固めて、()()()()()()()()()のはどうだろう……」

 俺の提案にレンは「重くて動き辛いですよ」と苦笑いで答えたのであった……




 食後に明日の予定を話し、ダリア達と共に上級への冒険に出る構成メンバーが決められた。

 上級に挑んでからと言うものの、どんどん団員達は成長していった。カムイやヴィナーの活躍を見て、ウリスも最近、二人に刺激を受けて、能動的に冒険へ向かっている。


 良い傾向だ。

 俺はそんなヴィナー達に「精霊感応霊呪印」を各属性の分だけ作っておいたので、有効に使うようにと言って、彼女らのやる気を、さらに高める事に成功した。

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