表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

239/585

混沌についての考察

少々、小難しいお話を差し挟んでの、世界の描写などを……

ただし、ここで語られているのは、あくまでオーディスワイアさんの「考える」《混沌》についてのお話です。事実ではありません──たぶん。

 混沌とは何か?

 俺は、この問いにある仮説を用意した。

 それは抽象的ちゅうしょうてきかつ、曖昧あいまいな言葉で説明する事になるだろう。

 このフォロスハートでは、「混沌とは、全てを否定する虚無」と思われているが。


 俺の考えでは、「否定したもの全てを内包ないほうする『無』」なのではないか、という仮説をしたい。


 混沌は、おそらく、触れるもの全てをみ込む闇であり、その中には全てが乱雑に、時間も空間も無く存在し続けているのではないか。

 混沌の中に、混沌を打ち倒す力があったとしても、それは不思議な事では無い。


 何故なら混沌は、全てを呑み込むだけであり、消滅する事に危機など感じないのであるから。

 物質的な、精神的な、空間的な、時間的な──あらゆるものを否定する無。

 そして、それら否定したものを、自らの中で絶えず生滅しょうめつを繰り返させ、時に歪んだ世界(混沌の影響が強い大地)の中に、世界(の記憶)を復元させ、無限に同じ物を生み出し続ける源泉にもなる。


 またある時は、内在する争いの中から(混沌の中では、何かが調和する事は無い)生み出された獣や魔物を解き放ち、質量や魔力をもって戦い争う力を振りかざす。

 混沌も、世界の一部に過ぎないのかもしれない(争いはどこでも起こるものだ)。


 しかし、そうだとすると、このあまりに強大で、意思も目的も無く、自らの領域を広げる事しか知らぬ闇は。いったい()()()()()()()()()()()()()()()()


 それは「神」なのだろうか?

 神が居るのなら。今、()()()は何をしている?


 少なくとも四大神から聞いた話では、(その時は精霊に過ぎなかった)彼らの上位存在ですら、最後(混沌が世界を呑み込み始めた日)には念話(?)に応える事も無かったという──

 それから推察すると、神は混沌に呑まれて消滅したか、混沌から逃げて、今なお逃げ続けて。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のではないか。

 という事だ。


 まあ、そんな神が居たところで、混沌に覆われたこの世界では「ケツく紙にもなりゃしねぇ!」、と言う奴だ。

 神だけにな。




 冗談はさておき。

 混沌とは、無限の虚無であり、全てを破壊し、再生し、それらの全てを内包する──空間であり、時間であり、──もしかすると「存在」ですらある何か、である。

 我ながら説明になっていないなと思いつつ、そう言うしかない。


 混沌は、あらゆる物質や生命にとって「滅び」だが、混沌にはそうした()()がある訳では無い。

 意思が無いのだから。他にどうしようも無いのだ。それ(全てを虚無へとかえし、その無限の闇の中で、滅びと再生を繰り返す事)が混沌にある本質。


 そのあらわれが、各(混沌の影響を強く受ける)大地に、物質や生物を再生させる、といった現象として立ち現れるのだ。

 まるで夢の中の出来事の様だと──俺はときおり思う。何度も何度も、同じ夢を見続けさせる悪夢の様だと、そう思わずにはいられない。


 混沌の正体は、世界の外側で膨張ぼうちょうした──、()()()()()()なのだと。そう言われたら、信じるかもしれない。


 混沌の中では滅んだ世界も、何度でも繰り返し、始めから終わりまで。まるで映画でも見るみたいに、何度も何度も上映されているかもしれないのだ。

 終わりの無い悪夢として──




 あるいはもう一つの想像では、混沌は神によってつくり出された──という考えがある。


 この場合、混沌は、いわゆる()()。世界を初期化、または消去しようとして送り込まれたものだという事になる。


 そう、神は、自ら生み出した世界を滅ぼす為の開閉器スイッチを押したという理屈。

 最悪の台本シナリオだ。


 いや、混沌が広がっている現実には変わり無い。理由など最早もはやどうでもいい、混沌を退しりぞけられるなら。


 神が混沌を創ろうが。


 世界が混沌を求めた結果だろうが。


 あるいは、ただの偶然の産物だろうが。


 混沌が不可解で底知れぬものであったとしても。


 混沌を滅ぼす──、それが不可能であるなら。

 せめて自分達の生存圏せいぞんけんから混沌を排除はいじょしたい。


 俺の最高最大の願い、目標はそれだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ