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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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混沌を打ち破れ!

 混沌結晶を錬成台に乗せ。結晶を構成する要素を細かく分析して、それぞれの物質に分離、結晶化する──。


 それらに名前を付けるなら、真っ黒な小さな金属の欠片かけら「混沌鉄鋼」

 魔力などと感応し増幅する「混沌純結晶」

 魔力などを消滅、無力化する力のある「混沌灰」

 混沌を吸い寄せる「混沌吸着結晶」

 そして「混沌多色玉石(たまいし)」、あるいは「混沌金緑玉石」とでも付けたい、七色、または金属色に光る。つややかな丸い石。

 この石は、どうやら各属性に反応するようだが──研究が必要だ。


 一応、各属性の能力を引き上げる可能性は示しているが、思ったほど上昇しないのだ。他に秘密……隠された意味があるのかもしれない。

 俺の中の錬金術師としての直感が、そうささやいているのだ。


「混沌灰」も、キラキラと明滅めいめつする、奇妙な黒い粉の様な結晶体だ。風に乗って飛び散ると厄介やっかいなので、びんに入れて保管する。


 これらの物を融合しているのが「混沌結晶」の正体な訳だが、混沌結晶を分解すると、これら五つの物は、決まった量が取れる訳では無いのだ。

「混沌鉄鋼」については、大抵の結晶から取れる量は少量と決まっているが、それでも物によって量が、無作為ランダムな感じで増えたり減ったりする。

 他の物も、どの物質がこれだけ取れる、という法則性は無い。物によっては「混沌灰」ばかり取れる結晶もあった。


 ともかく言える事は「混沌吸着結晶」が、これらの物体をつなぎ合わせて結晶化した物が「混沌結晶」であったらしい。


 混沌結晶を分解する度に漏れ出る「何か」(第六の物質(?))は、直接「混沌吸着結晶」に取り込む事は出来ないらしい。

 不可解だが、一度、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。


 こうなると、頭の中の成分や脳細胞と結び付いて、物質化している(?)と疑わざるを得ない。その考えに辿り着いた時、俺がどんなに恐怖したか、分かるだろうか。

 もしかすると、脳の中の重要な何かを、混沌結晶を分解する度に、失っているかもしれないのだ。


 俺は、一瞬。吐き出しそうな気持ち悪さを感じたが、錬金術師としての好奇心が上回った。

 一度、正確に自身を「解析」し、それを魔法の記憶領域に保存しておき。それからもう一度、混沌結晶を分解して、頭(脳)に「混沌吸着結晶」を近づけて、混沌の微粒子(?)を取り除いてから、自分自身を「解析」し、先程の記録したものと比較してみた。


 ──────ところが、何も変わっていなかったのである。


 俺は心底ほっとした。

 何も増えていないし、減ってもいないのだ。

 脳だけでは無い。身体のあちこちを比較しても、何も変わらなかったのだ。

 もちろん記憶もだ。何かを失った、という事も無い。──はずだ、今のところは。


 では何故「混沌結晶」を分解すると、人の頭に入り込み、意識を混濁こんだくさせるような現象を引き起こすのか。

 これから説明する事は、ただの推測に過ぎない。


 混沌は意識を持たないから、意識を持つ者の中に「何か」を見出だそうとしている。──のではないだろうか。

 その意識の在処ありかである脳に入り込み、意識に関わりある部分に接触して調べている為に、意識の混濁を引き起こしたのではないだろうか。

 いずれにしても、気色悪い事だ。


 混沌結晶の分解には、こうした謎の危険がある事は、真っ先に警告しておくべきだろう。




 ある程度、結晶を分解して得られた物体が溜まったので、今度はこれらを詳しく解析し、研究する事にしよう。


 多くの物体を魔力と関連づけて調べたが、その他に対する効力も持っていると考えるべきだ。

 特に「混沌鉄鋼」と「混沌多色玉石」は、「解析」で調べても判然としない。


 ふと、この「混沌鉄鋼」が、どのくらいの硬さがあるのかと思い、他の金属を削るように引っ掻いてみたが、それなりに傷を付けられる事は分かったが、それだけであった。


 いずれにしても、この小さな金属の欠片だけでは、武器も作れやしない。

 もう一つ、気づいた事がある。


 「混沌吸着結晶」についてだ。

 このなかに、頭から吸収されたモノが溜まっているのだ。

 黒い、影の様なモノだ。

 段々と透明の水晶が黒ずんでいくのである。


 結晶の一部。外側に黒い小さなかたまりが出来ていた。


 何故だろう。俺は手にしていた「混沌鉄鋼」の欠片、その尖った部分で、黒く変色した部分を削ぎ落とそうとしたのである。


 まるで、砂を削る様な感覚。

 あっさりと黒ずんだ部分が欠け、削れた部分が消滅したのだ。


「おおおおぉっ⁉ これはまさか、もしかすると──⁉」

 驚いた事に、混沌を滅ぼす力は、その混沌の中から生まれる金属にあるらしい。

 この金属片から直接武器を作る事は(物理的に)不可能だ。

 それなら、この金属片に宿る力を、錬成で他の金属の武器に移す方法を考えるべきだ。


「光明が見えてきたな……!」

 俺の中の錬金鍛冶師としてのやる気に、混沌の闇を打ち払うほどの火が付いたのを感じる。


「やってやる……! やってやるぞぉぉ‼」

 俺は研究室で咆哮ほうこうした。

ここで書かれている「混沌」が何をイメージして書かれているか、分かる人には分かってもらえるかと……

でも、あくまで混沌結晶から分析したものであって、混沌を直接研究してないんだよなぁ……

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