表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

235/585

中央都市に開く転移門

高評価や、お気に入りユーザ登録をしてもらえると、やっぱり嬉しいですね。

ありがとうございます。

 翌日の朝に管理局の鐘が鳴った。

 何か、重大な発表がある時などに鳴らされる鐘の音。

 朝食を食べ終えて、旅団の拠点に向かう途中で、その鐘の音を聞いた。

 俺がレーチェと、混沌結晶の研究について言い争っていた時だ。


「いや、だから。混沌結晶の影響を、『混沌吸着結晶』を使って取り除けば大丈夫だろう。混沌結晶の研究で、新たな技術を発見できるんだ。ここでやらずに、引き下がってどうする」

「それは、分かりますが……しかし」


 がらん、ごろ──ん。

 がらん、ごろ──ん。


 道を歩いていた時に、その鐘の音が鳴り響いた。

 なんだ、なんだと、団員達と共に大通りの方に向かうと、そこには、すでに人(だか)りが出来ていた。

 大通りから続く管理局前に、掲示板が二カ所設置され、その前に人が集まっている。


 仲間達の数人が掲示板を見に行くに任せ、俺は通りのすみに寄って、仲間が持ち帰る情報を待つ。

 二カ所の掲示板を見に行ったユナとメイ、カムイとウリスらは戻って来ると、互いの顔を見合わせてうなずく。


「なんだ、どうした。早く話せ」

 すると四人は一斉にしゃべり、、「転移門が」()()()()言ったのはかろうじて聞き取れた。

 どうやら新しい転移門が開いたらしい。


「しかも、旅団長の言っていた通り、海のある大地みたい」とメイが答える。

「おお、そうか。難易度はどれほどだって?」

「下級。と書いてありました。陸地は全体の十分の一以下で、ほとんどが海らしいです」

 カムイが的確な答を用意して発言し、「団長の夢が正夢になりましたね」とも言う。


 俺はすぐに、この海ばかりの世界で必要になる、船とあみをどう調達するかを考えた。作る以外には無いが、船を造る技術は持っていない。


「いやいや、正夢で片付けるには、おかしいでしょ。転移門が開く事を当てるだけならまだしも、海のある大地だって事まで当てるなんて、あり得ない」

 そう言ったのはヴィナーだった。彼女はなかなかに合理的な考えを尊重する女でもあった。


「知るかバカ! そんな事より船の用意だ!」

 いきなりバカ扱いされて怒り出したヴィナーに、ネタだから気にするなとなだめ。舟や釣り具、あるいは目の細かい網を作らなければならない、と俺は口にした。


「魚釣りなら私とレンに任せて」

 エアは自前の釣り道具を持っていると語り、レンも釣り竿を持っていると言う。


「今日は、全員で新しく開いた転移門の調査に行くとしよう。エアとレンは海釣りを、その他は陸地を調査する。──下級と神々が判断したはずだが、油断はしないように。……よし、まずは拠点に戻ろう」

 こうして全員で拠点に戻る事になった。




 拠点に戻ると、すぐに四組に別れたパーティを決め、釣りに出るエアとレンにはヴィナーも付いて行く事になった。海の方が広いので、危険な生き物が居るなら海の中である可能性が高い。

 そう説明し、釣りの最中も注意を怠らないよう言い含める。


 旅団拠点での話し合いが終わると、団員達は装備を見直してから(エアとレンは釣り道具を取りに、一度宿舎に戻った)、転移門へ向かって行った。




 鍛冶屋に行くと、徒弟達とも新たな転移門について話し合い、網を作る為の素材や、釣り糸などを効率的に作り出す方法などについて、話し合っていたのだが。──そうしているところへ、メリッサがやって来たのだ。


「網を作るので、糸を生産して欲しいのです」と言って来た。

 なんでも、管理局の所有する古い資料の中に、海で漁をする時に使っていた網の形や、仕掛け方などがっている物があるらしい。


「糸はこちらで寄り合わせて、長く、太い物に作りますので。網の作製と漁は、管理局主動で行っていく予定です」

 もう釣りに出て行かせたが、と言うと、彼女は頷く。

「網を使った大々的な漁を管理局の方で行う、という意味です。釣り竿を使用しての漁などなら──()()()()()、自由に行えます」

 という返答が帰ってきた。

 要するに乱獲してしまわないように気をつけよう、という事だろう。


 ともかくメリッサの置いていった紙には、糸や網についての作製方法が書かれており、どうやら管理局は以前から、網を作り出す製法の研究を行っていたらしいとうかがわせた。


「今回は、転移門先──『海の中の島』に石材や木材を持ち込んで、海の近くに造船所や、人々の寝泊まり出来る拠点を作る事が、もう決まっています。幸い漁を行う大きめの船の設計図もあるので、管理局の職員や職人が総出で『海の中の島』に向かっています」

 管理局があらかじめ、海での漁を想定して活動をしているのなら、漁具については管理局に任せる事にしよう。


 これで明日から肉と魚、両方の料理が食卓に並ぶかもしれない。

 結構な事だ。

 資源も一時的にしろ、かなり増えると予想できる。


 新しい転移門の開放は、それだけでフォロスハートに新しい風を送り込んでくれる。


 俺は象徴武具を造る事を任されているのだ。俺のやるべき事は、こうした物を優先的に造る事だろう。

 素材がある分は、徒弟達の手も借りて糸を錬成し、それが終わると、まずは混沌結晶の研究を先に済ませる事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ