表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

231/585

団員達の活動報告

パエリアを「焼き飯」としましたが、炊き込みご飯に近いかな?

 食堂に仲間達が集まると、レンやエア、ユナとメイも手伝って、料理が運ばれて来た。

 レンは燻製豚バラ肉(ベーコン)や、玉葱たまねぎなどを使った焼き飯(パエリア)を作って、大きな鉄鍋ごと、手押し車に乗せて運んで来る。

 仕上げに削った乾酪チーズを掛けて、緑色も鮮やかな香草を細かく刻んだ物を、最後にまぶして、皿に盛り付ける。


 レンは見た目も女の様な感じだが、女子力も高いのだ。

 姉は立場が無いな……、そんな風に思ったが、今回はそれなりに、生野菜料理サラダをなかなか、いい感じに仕上げてきた。


 ずらりと食卓の上に並べられた料理を前に、「いただきます」と、並べられた料理に礼を示す。

 俺は目の前の席に座ったエアとレンに、気になった事をすぐに尋ねた。


「魔法を覚えたと言っていたな? 何属性の攻撃魔法を覚えられた?」

 するとエアは、待ってましたとばかりに、口元をニヤつかせながら「火属性の攻撃魔法を覚えました!」と宣言する。

 俺は「よし」という感じで頷くと、隣に座る弟に視線を送った。


「僕は──風と水。二つの属性の攻撃魔法と、回復魔法を覚えられました」

 それを聞いた俺は、重々しく頷いて「よくやった、でかした」と応えてやった。


 数少ない回復魔法の使用者が、やっと一人増えた。新人達の中にも、回復魔法を使える奴が入っているといいんだが。


 それにしても、双子でここまで顕著けんちょに、魔法習得に差が出るとは。知性や想像力などの違いで、魔法習得に変化が出ると、聞いた事もあるが……

 魔法の適性などは、生まれ持った性質によるところが大きい言われているが、それはあまり正確な情報では無さそうだ。


 経験則だが、初めは習得できなかった属性の魔法も、後から覚える事が可能になる場合も(ヴィナーがそうだった)あるのだ。生まれついての性質だけとは言い切れないだろう。




 食事を食べ終わるとレーチェが、実家から持って来たという蜜菓子を出し、紅茶と一緒に振る舞ってくれた。

 一つ一つを小さく焼き上げた菓子は、こんもりと膨らんだ薄茶色の菓子で、少し固めの、ざっくりとした歯ごたえのある焼き菓子(クッキー)だ。

 メイが、久し振りに出された甘いお菓子にさっそく手を伸ばす。


「カーリアとユナとメイが、リゼミラと上級難度の転移門を使ったんだよな? どうだった、もう慣れたのか」

 ユナとメイは、おそらく問題は無いだろう。問題があるとすれば、カーリアだったが……メイは、ちらっとカーリアの方を見ると「だいじょうぶだったよ」と、先輩冒険者としての意見を言ってくれた。


「う、うん……。『魔牛人ボルゴクス』が怖かったけど、倒せたよ」

 カーリアはそう言って、「だいじょうぶ」と二回繰り返す。


 魔牛人は、大抵たいていは金属の鎧で武装した、大きな身体の半人半牛の魔物だ。牛の頭とひづめ、胴体や腕は人間に近い──いわゆる「ミノタウロス」だが、武器だけで無く魔法も使いこなし、上級難度に出る敵の中でも危険な魔物だ。

 さらにこの魔物の上位存在も居るのだが、さすがに奴の相手は、まだ早いだろう。


 リゼミラを見ると、蜜菓子を食べてご満悦だ。

「ん? なぁに?」

「『なぁに?』じゃない。カーリアはどうだ、上級でも問題なく、やっていけそうか?」

 ああ、と言葉をにごしたが、少し考えてからリゼミラは簡潔に言った。


「そんなに心配しなくても、カーリアの魔法剣は強力で、状況判断も出来て、的確な行動も取れるし、問題ないでしょ」

 俺は「そうか……」と少しほっとする。

 一緒に冒険に出れる訳では無いので、どういった行動をしているか、いつも気掛かりだったのだ。リゼミラが言うのだから、間違いは無いだろう。




 一度自室へもどると、エウラの為に作った「銀鎧竜の籠手」を手にして食堂へ戻る。

 廊下の途中で子猫とライムの様子を見ると、巣箱の中で横になり、子猫に乳を与えているところだった。


 食堂へ来ると、エウラの所へ籠手を持って行ってやった。鑑定書と共に渡して、籠手を付けた時に違和感が無いか確認する。


「大丈夫です。ちゃんと手首も動かせますよ」

 彼女はそう言って、いくら払えば良いかと尋ねて来た。

「ああ……素材だけなら──八千ルキくらいか? たぶん。値段の事は考えないで作ったからなぁ」

 性能重視で作った物だと説明すると、彼女は「大事にします」と言ってくれ。エウラは自室に籠手を持ち帰り、すぐにお金を持って戻って来た。


 エウラは籠手に付与された効果を見て、すぐにでも実戦で試したいと喜んでいる。

「まあ、無茶はしないようにな……」

 訓練でときおり見せる、凄まじく重い剣圧に、気の攻撃──「破砕撃」が乗るとなると、かなりの威力になるのは必至だ。


 彼女は魔法を扱えない分、錬金鍛冶で支援サポートしてやれば、より一層の活躍をしてくれる事だろう。

 魔法と言えば、エアとレンの魔法の剣も作ってやる必要が出来た。またしても忙しくなりそうである……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ