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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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勉強と成長

今回の話は、教員や、勉強が嫌いだと言っている子供に読んで欲しいですね。

説教臭いと言わずに読んで欲しいなぁ……

 宿舎に帰る途中で、エウラに作った籠手があるのを思い出した。

 鍛冶屋で預かった武具などを保管する保管庫に入れたので、それを取ってから宿舎に行こうとすると、鍛冶屋の入り口は閉じられていたが、鍵が開いている。


 鍛冶屋の中に入ると、ケベルとサリエが、今日やった武器や防具を作る作業工程を振り返って、互いの意見を交換している所であった。


「おう、まだ残っていたのか」

 保管庫から籠手を取り出して来ると、二人がなめし革に魔力回路を作る時に使う、油について質問してきた。


「ああ、あれは油じゃないぞ。火も付かないし。水、塩、魔力鉱石、中和剤を調合して作り出す錬成品だよ。……基本的な素材や錬成品について知りたければ、そこにある『錬成指南書』や、『錬金叢書(そうしょ)』を自由に読んで構わないぞ。汚さなければな」

 二人の徒弟は「ありがとうございます!」と同時に言って、書棚の方へ駆け寄って行く。


「勉強熱心なのは良い事だが、ちゃんと食事も取って、体を休めろよ。また明日な」

 すると二人は「お疲れさまでした」と、またも声を揃えたのであった。


 二人は鍛冶屋を目指す職人の卵ではあるが、その目指す目的地は微妙に違う。

 二人とも「昇華錬成」を起こせる様な鍛冶師になりたいと望んで、俺の元へ徒弟として入る事になったが、ケベルは武器の作製に強い興味を持ち、サリエは防具や装飾品を作り出す事に、こだわりを持っていた。


 二人とも勉強を嫌がらない性格なので、錬成については、そのうち独学で自分のものにしていけるだろう。


 勉強とは、()()()()()()()()()()()()()()()(もちろん、苦手な分野を克服こくふくし、学んでいこうと取り組むなら、その人間は、()()()()()()()()()()()()可能性があるだろう)。

 自分が興味を持って取り組んで行ける、自分を成長させる道を、まずは自力で探し出し、熱意を持って打ち込む事だ。


 これを学べと、(学校や政府などから)()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 自分の意志で学び取ろうとする、その意志こそが勉強の本質だ。


 冒険も同じ。

 与えられた武器や防具を身に着けて、強くなった気でいるのは、三流以下のする事。


 強くなる為に鍛練し、冒険に必要な知識を集め、装備についても抜かり無く研究、準備をする者が、優秀な冒険者になるのである。


 強くなろうとする時に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 そうやって()()()()()()、足りないものを埋めていく。これの積み重ね、自分の目的に近づく為の、努力を行っていく作業。

 これが勉強なのである。




 宿舎に戻った俺を出迎えたのは猫のライムと、その子供達。

 冒険に出ている仲間や、市外訓練場で訓練をしている者も、まだ帰っていない様子だ。

 ライムは巣箱の中で横になっていたらしいが、玄関を開けて入ると、起き出して来て「ナァァ──」と俺に声を掛ける。


「お──ぅ。子猫達も元気だな」

 子猫は廊下で走り回ったり、子猫同士で喧嘩(狩りの練習?)をしたりしながら、過ごしていたみたいだ。


 靴を脱いで廊下に上がると、ライムと子猫が脚にすり寄って来る。

「みぃ、みぃ」と子猫は甘えた声を出しながら、俺の後を付いて来て、部屋の中にまで入って来た。


 この、所々が青みがかった子猫は、ユナやエウラにも良くなついている。……そういえば、リーファに懐いたのも、この子猫だった。

「甘えん坊なんだな」


 手にしていた籠手を棚の上に置くと、小さなテーブル席に座って、足元に来た子猫を抱き上げる。

 しきりに「みぃ、みぃ」と鳴きながら、俺の顔を見上げている子猫。


 俺は机代わりのテーブルの上で、紙に簡単な「冷暖房装置」について思いついた(アイデア)事を書き殴っておく。

 洗濯機に使った機能の応用で、冷結晶や火の精霊結晶などを利用して作れるはずだ……


「みぃ──、みぃ──」

 膝の上に乗せた子猫が「自分を構ってくれ」とでも言うみたいに、大きく鳴き声を上げ始めた。

「わ、わ──かったから。……よし、餌でも用意するか」


 子猫を抱き上げて部屋を出ようとすると、部屋のドアをカリカリと引っく音が聞こえる。

 ドアを開けると廊下にライムが居て、心配そうに子猫を見上げている。


「だから、部屋に監禁する訳じゃないんだから。──心配し過ぎなんだよ」

 ライムは「ゥニャァ──」と鳴き声を発して、脚に体をすり付けてくる。

 俺は巣箱の中に子猫を下ろして、他の二匹の猫を抱き上げると、巣箱の中に入れ、綿織物タオルでくるんでやった。

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― 新着の感想 ―
[一言] これが勉強なのである。 勉強と学問の違いについて、読んだことがありますが、強いられてするのが勉強で、求めてするのが学問だというのですが、それによれば、学問になりますね。
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