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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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装備の強化。素材の準備は出来ているか⁉

ブックマーク、評価、感想などをしてもらえるとありがたいです。

また、お気に入りユーザ登録もしてもらえると嬉しいですね。

してくれた人に感謝です。

 目が覚めた時、うろ覚えながら──神々と会話をし、新しい転移門がミスランに開く件について話していた……気がした。

 精神世界での事は、曖昧あいまいな記憶としては残るが──明確に思い出せないのは、通常の「夢」と同じだった。


「にゃぁ──」

 胸の上で、ライムが眠そうに鳴き声を上げる。

「くしゅんっ」

 と、子猫がくしゃみをした。


 いけない、風邪を引いたら大変だ。

 俺は薄い毛布をふんわりと掛けてやった。


 しばらく横になっていたが、窓から焔日ほむらびの光が差し込んでいる。起きなくては──ライムの顔を撫でて、降りるように声を掛けると、彼女は大きく欠伸あくびをする。

 前足を突き出してから、ぐ──っと背中を反らし身体を伸ばすと、ひょいっと床に降りる。


 子猫達も起き出してふらふらとしているので、三匹の子猫を毛布の上に降ろすと、まずは小鉢植物園テラリウムに水をやり──いつものように、焔日に祈りを捧げに行く。


 子猫達は巣箱の中に入れてやる。ライムはトコトコと歩いて箱の中に入り、でんっと横になった。

 どうやら昨日一緒に寝た事で、機嫌を直してくれたらしい。

 子猫達は眠くてふらふらとしていたが、おっぱいを飲もうとライムのお腹に集まり出す。


 庭に出て宿舎に戻ると、階段からレーチェが降りて来るところだった。彼女は朝からかっちりとした貴族の着る格式ある(フォーマルな)服を着て現れた。


「ああ、今日はレーチェが休みの日か」

「ええ……そうですが、何故ですか?」

 冒険に行く日は大抵、朝から伸縮肌着を着ているか、着替え易い上着などを着ているからだ……と言おうとして、「いや、なんとなくだ」と誤魔化ごまかした。


 不用意な発言をして彼女の反感を買うのはそうと判断した。……何故かは分からないが。

 レーチェは少しいぶかしんだが、「ふぅん」という感じで猫の巣箱には見向きもせず、食堂の方へと歩いて行く。

 俺も彼女と共に食堂へ向かう──なんとなくだが、ライムとレーチェは似ていると感じる。どこがかと問われると困るのだが……なんとなくだ。


 食堂で朝食を食べ(今日はリーファとメイが担当したせいか、少し量が多いように感じた)、拠点での朝礼の前に簡単な雑談の流れで、俺は精神世界で聞いた事を話してみた。


「あ──そういえば、夢で見たんだが。今度ミスランに新しい転移門が開くみたいだ」

 俺がそう発言すると、辺りはし──んと静まり返る。俗に言う、天使が通った。という現象か。

「……夢、の話ですか」と言ったのはカムイ。

「それと──もしかしたら海のある世界かも……とか?」

 俺はえて、細部を話さずにぼかして言う。


 ざわざわと「団長が寝ぼけている……」とか、「夢占い──というやつかな?」とか話し合っている。


「海ですか……だといいですね。僕は海のある場所に住みたいと思っているんですよ」

 そう言ったのはレンネルだったが、半信半疑はんしんはんぎというか、「だといいなぁ……」と改めて呟くところを見ると、信じてはいないだろう。


「まあ、それはさておき。旅団員の装備の充実化を図ろうと思う。これからは上級難度にも挑む回数が増えるだろうからな」

 こう言うと、仲間達から「ぉおおっ!」という歓声が沸く。


「それは嬉しい。団長が回復した時と同じくらい嬉しい」

 と、カムイなどは言ってくれた。

「ありがとう。しかしだ、諸君。素材が無ければ物は作れん。という訳で、今まで個人で集めた素材を持ち込んでくれた奴から、装備を作るなり、錬成強化するなりを話し合って決めようと思う」

 そう言うと、今度は所々から「あぁぁ──」と落胆を口にする者が多数出る。


「この前、団長が鍛冶を出来なくなったから、大通りの鍛冶屋で防具を強化するのに当てちゃいました〜~」

 とエアネル。

「何故だぁ! 裏切り者めっ!」

 はぁ、と溜め息をくレンネル。

「姉さんは、それ以外の理由もあるでしょ──素材を売っちゃったりしてたんだから」

 ここで元気良く声を出したのは、意外にもメイだった。


「はいっ、私。旅団長に作ってもらいたくて、貯めたお金で『飛竜の皮』と『飛竜のうろこ』を買って来た。これで『飛竜の手袋グローブ』を作って欲しい」

 おお。あのメイが積極的に自分の装備品を変えようとするとは……!


「よし、それではどんな強化を付与するか、簡単に相談しよう──どんな強化をしたい?」

 少女メイは「飛竜の手袋は気による攻撃力を高めてくれるから、それを強化するものを」と答え、「あとは旅団長に任せる」と言う。


「了解した──まあ、素材次第だな。錬成料金は取らないが、こちらで出す素材分は貰うぞ?」

「わかった。──五千ルキまでなら出せるよ」

 少女は素材を購入していながらも、それなりに貯金していたらしい。


 それに引き替えエアネルは……

 ふぅ、と溜め息を漏らし、鍛冶屋へ向かう準備をする。

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