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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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神々の力を合わせて中央都市に門が開く

「はははは、可愛いものだな」

 どこからか、男の(?)声が聞こえた。

 目を開けようとすると──身体が、何故か遠くにあるみたいに、曖昧あいまいなものとして感じられている──この感覚は……精神世界だろう。


「しっ、オーディスワイアが起きてしまいます」

 女性の声……アリエイラの声。

 お腹の方から小さな寝息が聞こえてくる……猫達も来ているらしい。

 俺はそっと目を開けてみた。

 胸の上には、眠る時に居たライムや子猫達が胸の上に乗ったままになっている。


「別に、ここで起きていても寝ていても、実体には関係は無いと思うが──それに、もう目覚めているぞ」

 銀色の大(ねずみ)──ウル=オギトが斜面にある大きな岩の上で座り込んでいる。


 俺の左隣りにはアリエイラが。今回は布団や枕などと一緒に──一緒に、という言い方は正しくないのかもしれない──精神世界に来てしまったらしい。

 右隣りにはミーナヴァルズも居るが、今日は静かに俺の上で寝ている猫を撫でている。


「ふふふふ……オーディスワイアの胸の上で眠るとは──この猫。なかなかになついておるようじゃの」

 撫でられている猫達は、目覚める気配は無い。おそらくだが、彼らのような動物達は基本的に、この精神世界には入れないのではないだろうか。ここに見えているのは、そんな彼らの幽体アストラルの残像の様なものなのだろう。


 子猫の一匹をつまみ上げても、眠りにいたままだった。

 なんだか、生きたストラップみたいな──今まで俺は鍵束などに、毛の固まりみたいな物を付けている奴の気持ちが理解できなかったが、これはアリかもしれない。

 眠りこけている子猫が、()()()()()とぶら下がっている。──いや、見ようによっては残酷か……

 胸元に戻すとやっぱり眠ったまま、ころんと転がる子猫。


「おっと。子猫の愛らしさをでている場合では無かったわ」とミーナヴァルズが言う。

上半身を起こし、猫を太股の上に集める──コロコロと転がしても眠ったままだ。

「なにか、お話しがあるのですか」

 ライムのお腹の辺りに子猫を集め、二人の女神や動物の──鼠と鳥──の姿をした、二人の神を見る。


「いや、本来は話す必要は無いのだが──今回は、オーディスワイアの作った象徴武具のお陰で、精霊力を高める事が出来たという理由もあり──」

「我ら四神の力の高まりにより、ミスランに新たな転移門を開く事が出来そうなのじゃ」

 と、ラホルスの言葉をさえぎって、ミーナヴァルズが告げる。


「ミスランに転移門を造るに当たって、あなたの意見も聞いておこうと、私達で話し合ったのです」

 アリエイラはそう言うが、転移門の創造については四大神が造り出すものだという事以外は知らされていないので、なにも答えようが無い。


「……そう言われても困りますね。どのように転移門を造ったり、もしくはどうやって転移門先を選んでいるか、俺はまったく知らないので」

 それはそうだろうという感じで、鳥の姿のラホルスがうなずく。


「まずは今の私達でつなげられる場所に、三つの大地が確認できる。一つは金属の反応が大きい大地。もう一つは大きな、異形(いぎょう)の建造物が建ち並ぶ遺跡のある大地。もう一つは──海がある大地だ」

 ラホルスの言葉に、俺は色々と想像した──最初の鉱山は後回しでもいいだろうと考えた。

 しかし、異形の建造物の遺跡という言葉に引かれるものもあったが、海の大地とは! やはりここだろう。


「海のある大地、いいですね。しかし、どれくらいの規模で、ふちはどうなっているのでしょうか?」

 俺は気になった事を尋ねた。

「うん、やはり気になったか。その場所は、おそらく神に類する者が作り出した大地なのだろう。つまり砕かれ混沌にみ込まれる前に、大地を自らの手で切り離し、フォロスハートと同じ様に岩山で囲む事で、海水が流れ出すのを食い止めた訳だ」


 神が居る大地。いや、今までの大地にも精霊などの力ある者が存在したからこそ、混沌の中でも消滅せずにあり続けた訳だが。


「その大地の神とも交信を取り合ったりは出来ないのですか」

 アリエイラは首を横に振る。

「残念ですが……大地と同化したまま眠りにいていると思われます。生物は多いですが、人間などは居ない場所のようですし……」

 俺は頷いて──是非、海のある大地に転移門を繋げて欲しいと口にする。


「そうじゃのぉ、海の幸が手に入れば、今までと違った料理も食べられそうじゃしな」

 ミーナヴァルズの言葉に呆れた感じのラホルスとアリエイラ。

「あなたの食欲には尋ねていません」

 アリエイラはきっぱりと断言する。


「猫達も喜ぶかもしれませんね」

 眠ったままのライムを撫でながら俺はそう言って、アリエイラを見つめようとした──だが、急に視界が白い光に包まれていく。


「──すまない、まだ力の制御が上手くいかないのだ。今日はここまでだ──だが、海への転移門を造る事は決まったな──」

 ラホルスの声が遠ざかる──


 俺はまぶしさはまったく感じ無い、奇妙な光に包まれて……眠りについた。

猫が眠ったままなのは──彼らが動物にすぎないからです。

精神世界の上部に位置する精霊神たちの領域には、猫の精神が入れないので眠ったままなのです。

ちなみにオーディスワイアが精神世界に来る時に、身体が遠くに感じたりしているのは人間の精神にとっても遠い世界だから、という事です。(分からなくて当然なので気にしないように(笑))

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