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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第七章 方舟大地の未来

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宿舎で休もう

ブックマークありがとうございます。

高評価をくれた人にも感謝。圧倒的感謝~(CV立○○彦)

 最近、宿舎での活動が少なくなってきた。鍛冶屋や、拠点での仲間と朝礼を行ったりしているからだ。

 それを一番感じていたのは──猫のライムだったのかもしれない。


 ある日、鍛冶屋での作業を終えてヘロヘロになって宿舎に戻ると、玄関先で待っていたのだ。

 廊下のど真ん中に横たわり、子猫三匹をあやしながら──

「ウニャァァ──」

 と、()()は不機嫌そうな鳴き声を上げる。


「お? おぅ……?」

 子猫達は母親の前で安心しながら廊下にごろごろと転がったり、巣箱の横に置いた、爪研ぎ用の麻やわらを使って作った、小さな畳みの上でごろごろしている。


「はいはい、ただいま──」

 子猫を抱き上げるとライムは()()()と立ち上がり、俺の脚に体をグイグイと押し付けて来る。

 甘えているのだろうか? 気まぐれな猫の事は分からない……


 子猫を巣箱に戻すと、猫用の抱き枕として作った皮の枕を重ねて出口をふさぐと、三匹を巣箱の中に閉じ込める。


「よしよし……じゃあ食堂に行こうか」

 ライムにそう声を掛けると、彼女は「ニャァ──」と鳴いて、俺の後を付いて来る。


 食堂ではすでに大勢が集まっていた。

 俺の顔を見ると仲間達が「お疲れ様」とか声を掛けてくれる。

 ちなみに拠点宿舎で生活している新入り達は、向こうの建物で自炊しているのだ。


 いつもの席に座ると、俺の膝の上にライムが飛び乗って来た。


「あ、今日はライムも一緒なんですか」

 とユナが声を掛けると、ライムは彼女をちらっと見て、小さな鳴き声を上げる。

 隣に座ったユナにでられ、ライムはごろごろと喉を鳴らして喜んでいる様子だ。


 メイが()()()()まぎれて、そっとライムの頭を撫でると──彼女は喉を鳴らすのを止めて、フイッとそっぽを向く。

 相変わらず、メイは動物達から敬遠されていた。


 メイは──やはり、がっくりと肩を落としてユナの隣に腰掛ける。

 ライムは俺の膝の上で毛繕けづくろいを始める──どうしたのだろう。母猫の様子を見て、急に俺に甘え出した理由について考えようとしたが。食事が運ばれて来ると、まずは食事を食べる事にした。


「何故、猫を食堂に連れて来るのですか」

 レーチェが離れた位置から、そう言葉を投げ掛けてきた。

「う──ん、ぁあ、たぶん。ここ最近、宿舎に居ない事が増えたから、寂しく感じているのかもしれないな。玄関で待ち構えていて、さっきからずっとこんな調子なんだ」

 膝の上で丸まったのを見てレーチェは、それ以上文句を言うつもりは無さそうだ。


 ライムに鶏肉のささみを与えたりしながら食事を終えると、皆の報告などを受ける。

 今日はリゼミラは居ないので、魔法の剣の報告はしないでおく。


 *****


 三美人の冒険者は──結局、旅団に加わる事は無かったが、旅団に入る事を決めたら、その候補の一つにする。との前向きな応えをもらったのだ。

 しかし彼女らの分の魔法の武器を造るのは大変だ──まぁ、彼女らが素材を集めて来るまでの期間があるので、これについては余裕があるとも考えられる。


 今の旅団の実力は、リゼミラが居る状況なら、上級難度の転移門にも冒険に行けるだろう──もちろん決まり切った人選にならざるを得ないが。

 明日はリゼミラとアディーディンクが来る予定だ。

 せっかくなので、上級難度の冒険でユナやカーリアも鍛えてもらうとしようか、安全も考えながら、慎重にだが。


 *****


 その日の夜、風呂から出ると廊下の先でライムと子猫達が待っていた。


「おいおい。どうしたんだ」

 俺が声を掛けるまでも無く、猫達は俺の足元まで来ると、身体を押し付けたり、前足でズボンにしがみついたりして来る。

「分かった、分かったよ」


 俺は子猫三匹を抱き上げると、自分の部屋に戻って行く。

 今日は床に座布団や毛布を敷いて眠る事になった。子猫達が寝台ベッドの上から落ちたりして、怪我をしないように──念の為である。


 そろそろ毛布一枚では寒くなると思い、少し薄い毛布も用意したが、下に敷いてその上で眠る事にした。

 横になると、ライムが俺の心臓の上辺りに陣取って、顔をこちらに向けた格好で目を閉じた。

 相変わらず、きっちりと前足を折り畳むようにして眠りにく。


 子猫達も母親の前足やお腹に寄りって眠るつもりらしい。手で支えながら上に上がるのを手伝ってやる。


 毛布一枚で充分だった。

 彼らの体温があるので寒くはならないだろう。

 彼らも俺の上でぬくぬくと眠りに就く。

 可愛いが、少々重い……


 疲れていた俺は、次第しだいに重さも気にならなくなって、そのまま静かに眠りに就いた。

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