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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第六章 休養と若手の育成

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女神アヴロラとの謁見

 二人の巫女とナンティルに先導されて、神殿に入って行く──白い柱に支えられた露台バルコニーの下にある大きな玄関、開かれた扉は白く塗られていた。

 床には緑色の絨毯じゅうたんが敷かれ、広い空間の中に、歩くべき道を示しているみたいに見える。

 それよりも……


「おい、どこまで付いて来るつもりだ」

「にゃ?」

 ナンティルは、何を言っているか分からない、とでも言いそうな表情をしている。


「行商人で、神殿から雇われた諜報員スパイなら、仕事は済んだはずだろう。それに、御者ぎょしゃをやっている事も不自然だ」

 赤毛の猫獣人フェリエスは肩をすくめる。

「ふっ、気づかれてしまったにゃ……」

「あ、そういうのはいいから」

(にゃ)んでにゃ!」

 盛大な溜め息をくと、ナンティルは諸事情の説明を始めた。


「別に大した理由もにゃいけどにゃ。ここの神官長と知り合い(にゃ)だけで……商売も情報も、信用が第一にゃから、それで神殿からは色々と頼まれる機会が多いって訳にゃ」

 取りえず、神の間の手前にある控えの間まで付いて行く、と彼女は言う。


 もしかすると、本気で俺の体調を心配してくれていたのかもしれない。彼女が神アヴロラに治癒の依頼をしに行ったのだし、最後まで見守るつもりでいるのかもしれなかった。

 律儀りちぎな事である。

「業突く張りの癖にな」

(にゃ)んか言ったかにゃ?」


 神殿の広々とした通路から、次第に細い通路を歩いて行く──左右に豪奢ごうしゃな木製の扉がある所で立ち止まると。巫女が一方の扉を指し、その先にアヴロラ様が居るので、お一人で進んで下さい、と説明する。


「私はこっちの部屋で待ってるにゃ。終わったら呼んで欲しいにゃ」

 一人で神と会うなんて緊張するが──身体を治癒してもらう為だ。

 重厚な扉を押し開けると、その道の先に向かう。

 部屋の中に入ったはずなのに、庭園に出て驚いた。

 水が豊富に流れている間にある、石畳の通路を通りながら、さらに先の扉を開けて、神の居る大きな部屋に入って来た。


 巨大な白亜の柱に支えられた高い天井──いくつかある天窓から、日の光が差し込んでいる大広間だ。

 緑色の絨毯が伸びて行くその先に、女神が横たわっていた。


 柔らかそうな絹の座椅子──いや、大きな抱き枕を思わせる物の上に横たわる女神は、なんと。大きな身体をした女神だったのだ。

 太っているのでは無い。身体の丈が大きいのだ。横になっているから威圧感はそれほどでも無いが、それでも圧倒的な存在感を放っている。


『オーディスワイアですね? こちらへどうぞ』

 それは口を開かずに、頭の中に直接響く女神の声だった。

 朱色の寝床に横たわり、真っ白な薄絹をまとっただけの女神は、女性的な──豊満な胸元を惜しげもなく晒した格好で、辛うじて薄絹が乳頭を隠している様な、そんな姿で横たわっている。

 魅力的な肢体したいであるはずだが、ここまで巨大な体だと、その大きさに圧倒されてしまう。


『よく来られました、あなたを歓迎します。()()()戦士よ』

 ……さすがは神、お見通しという訳か。

 俺は緑色の絨毯の先にあった、青い絨毯の上で立ち止まり、そこで膝を折る。


『あなたの造り出した、魔法の剣と象徴武具──それらの技術があれば、パールラクーンも、転移門を造り出す機会が増えるでしょう。それはありがたい事です』

「ですが女神。あの技術は相当な技術と、集中が必要です。簡単には造れないかと思われますが」

 そう言うと、女神はそれに対する答えを用意していたようだ。


『そうですね……その難しい技術は、猫獣人族フェリエス小獣人族エルニスの、双方の協力があれば、何とかなるのではと考えています』

 手先が器用なエルニスに細かい作業をさせ、力を使う作業(金属を鍛える作業など)はフェリエスに行わせる、という事だろうか?


「なるほど……それはいいかもしれません」

『私はあなたと鍛冶の事や、あるいはあなたが()()()()()()()などについて、ゆっくりと話しをしたいのですが。あなたは身体を治し、すぐにでも自分の成すべき事をしたいでしょうから、それはまたの機会にしておきましょう』

 女神アヴロラはそう言うと、今まで薄目だった緑色の──正に宝石の様な輝きを放つ、美しい瞳を開いて俺を見ると、頭に響く言葉で俺の状態について話し始めた。

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― 新着の感想 ―
[一言] グウィネヴィア様......王の器......抱かれ騎士....グウィンドリン.... 頭をよぎるなぁあの光景が
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