表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第六章 休養と若手の育成

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

203/585

転移門を抜けてパールラクーンへ

沢山のブックマークと評価、感想に感謝します。

この物語の他にも、いくつか投稿している物があるので、お気に入りユーザ登録して、そちらにも目を通してもらえると嬉しいです。(ただし、独特な内容の物もあるので読む場合は自己責任でお願いします)

 朝、顔を舐められて目を覚ます。

 ざらついた舌が頬を舐めてショリショリと音を立てる……ライムかと思ったら、子猫(名前はまだ無い)が頬を舐めていた。


「おはようさん」

 子猫に言うと「ナァァ──」と小さな鳴き声で返してくる。彼らは夜行性のはずだから、本当は眠いのだろうか?

 おなかの上には子猫とライムが乗っている。あと一匹の姿を探していると、猫用便所から出てくるところだった。


 ちゃんと便所を利用してくれるとは、成長したな……そんな感慨かんがいに浸りながら横になって、うっかり二度寝しようとすると、子猫が身体や頭を俺の顔に押しつけて無理矢理起こそうとする。


「わ、わかった。起きるから……」

「ぅナァァ──」

 その子猫は容赦ようしゃが無い、今度は手首の方に回り込むと、指を噛んで毛布から引きずり出そうとするのだ。

 俺は上半身を起こすと、その子猫を抱き上げる。


「起きた、起きました」

「ニャァ──」子猫は今度は、はっきりと鳴き声を上げて返事をする。

 へその辺りに寝ていたライムも子猫をくわえると、俺の上から降りてドアの方へ向かう。


 まずは植物に水をやってから、子猫達を連れて巣箱に向かった。

 階段前にはカーリアが待っていた、猫達のえさを用意して持って来たらしい。


「ご苦労さん」

「団長の部屋に居たのか……みんな居ないからどうしたのかと思った」

 少女は、ほっとした様子だ。

 子猫達はカーリアの手にしているお皿を見ると「ニャァニャァ、ナァナァ」と鳴き声を上げて、ご飯を催促さいそくする。


 彼女が皿を置くと、子猫達が一斉に餌(温めた牛乳)に群がる。ライムには別の皿に乗せた物を与えているのだ──煮干しなども付けて。


 俺達の食事はリーファがおもに作ってくれていた。今日の俺は一番遅くに起き出したらしい、目覚めは軽く、体調もすこぶる良かったのは、眠っている間に気の流れが全身を巡り、けいを修復していたからだろう。


 朝食をささっと食べ終えると、今日の予定を簡単に立てておく──と言っても、これからやって来る「三美人の冒険者」達と行動方針を決めて、カムイやヴィナーも含めたパーティで上級難度の転移門先へ冒険に向かう訳だ。


「気をつけてな」

 カムイやヴィナーに声を掛け、リーファに(リゼミラはまだ来ていない)よろしくなと言っておく。

「ええ、分かっています」

 彼女はこちらの意図した事を汲んでくれているだろう、察しの良い──出来る女なのだから。


 俺が簡単な旅支度をして玄関で待っていると、リゼミラがまずやって来たので、若手の成長をうながすように頼むぞ、と声を掛けると「分かってるよ」と返事して、身体を治して私の装備品にも強化を施してくれよ、などと言う。

「ああ、分かった」

 そう返していたところへ、昨日の猫獣人フェリエスの巫女達がやって来た。


「お迎えにあがりましたにゃ、転移門を使ってパールラクーンへ向かいましょうにゃ」

「よろしく」

 俺は彼女らに従い、転移門のある区画に向かって歩き出す。


 いつもの街並であるのに、猫獣人の二人が前を歩いているだけで、別世界にやって来たみたいな錯覚を覚える。


 そう言えばナンティルとは鍛冶屋で会うばかりで、一緒に出歩いた記憶は無い。随分ずいぶんと以前からちょくちょく会っていたのに、不思議なものだ。

 彼女とは結局、鍛冶師と行商人の関係だったから当然なのかもしれないが。


 パールラクーンに通じる転移門は、他の転移門とは違って封印されているのだ。許可を取った者しか行き来できないようになっているのである。


 巫女は指にめている指輪を、灰色の雲みたいな物が立ち込めている門の中に押し付けると、それは一気に晴れて、緑色の光を放つ入り口に変化した。


「行きましょう」

 そう言った彼女の後を追って、俺は光の中に進み出た──

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ