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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第六章 休養と若手の育成

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魔法の剣を求める者達

 食事を取って一休みし、ニオとフィアーネの訓練を再開する──庭でライムや子猫と日向ひなたぼっこをしながら、カムイやエアネルが指導している様子を確かめていると、玄関の扉を叩く音が……


「あ、遠征先からの素材配達だな?」

 そう考えて立ち上がったが、まだ日が傾く前だ。やけに早いな? そんな風に思いながら扉を開けると──そこには見知らぬ三人の女が立っていた。


「ここが『黒き錬金鍛冶の旅団』の宿舎──ですよね?『オーディス錬金鍛冶工房』の責任者の人に会いたいのですが」

 丁寧な口調で言う青い髪を背中まで伸ばした、可憐な印象を持った女が言った。その横で大柄な──しかもかなりの巨乳をした女が、肩まで伸ばした金色の髪を手で掻き上げる。


「オーディスワイアっていう錬金鍛冶師に用があるんだ、出してくれ」

 こっちの女は大柄で横柄おうへいだった……その女の後ろに隠れるみたいに、一人の少女がおどおどしながら手にした麻袋を抱きしめている。金色の長い髪をした少女だ、どこかはかなげで、何というか──最初に出会ったばかりの頃のカーリアみたいな、そんな雰囲気の少女だ。


 彼女らは三人が三人とも異なった美しさや、愛らしさを持った女性達であるが、どうやら冒険者──それも、後方で戦いを支援する様な役回りでは無く、前線で戦う戦士であるらしい。

 首や肩、腕などの筋肉からそう判断したが、それぞれ得物や戦い方が異なるのか、微妙にそれぞれが違う体型や雰囲気を宿している。

 なんだかでこぼこの女達だな……そんな風に思っていると、抱いていた子猫が「ミャァ──」と鳴き声を上げる。


「あら、かわいい」

「子猫かぁ、珍しいねぇ、かぁわいい」

 すると大柄な女の後ろから少女が顔を出して、子猫に興味津々で覗き込んでいる。

 俺は子猫を差し出すみたいに前に出し、「撫でてみる?」と声を掛けた。

 少女はこくこくと頭を縦に振ると恐る恐る手を伸ばす。


「ミャァァ──」

 小さな猫が手を伸ばしてくる少女に鳴き声を上げ、頭を優しく撫でる少女に甘えている。

「ははは、なついているみたいだね。手で持ってみたら」

 少女が両手を差し出すのを見て、そのてのひらに子猫を乗せてやる。少女は頬ずりしたり、撫でたりしながら楽しそうに猫と遊んでいる。


「ははっ、フレジアは猫が好きだったな。そういえば」

 大柄な女はそう言って小さな女の子の頭を撫でる。


 この三人は「工房の」俺に用があるらしい。──という事は、武器や防具を作って欲しいという依頼をしに来たのだろう。

 ……一番年下の少女は子猫とたわむれているが。


「おっと……申し訳ありません。私達はオーディスワイアさんに魔法の剣を作って貰いたくて来たのです」

 もしかすると、あなたが……と青い髪の女は空色の青々とした色の瞳をこちらに向ける。

「あ、うん。俺がオーディスワイアだよ。──だが、魔法の剣を造るのは非常に難しいんだ。しかも今の俺は──体を痛めてしまってね。思うように体を動かす事も出来ない」


 *****


 路上で話すのもあれなので、宿舎の中の客間に三人を通す事にした。少女が猫の相手をしたがっていたので、ライムと子猫三匹を抱えて客間に向かい、そこで話しをする事になったのである。


けいを傷つけた? いったい何をしたらそんな事になるのか、私らには分からないが」

 大柄な女の疑問に答える為に、先日の混沌の侵入について話し、そこで大地の気脈から大量の気を体に通した件について説明する。


「剣気なら私も使うけど、内在する気以上のものを制御は出来ないからねぇ……あんた無茶し過ぎだろう」

 そう言いながら彼女は「私らは、その頃は別の都市に居たから、戦いには参加できなかったんだ──」と呟いて、混沌との戦いに加われなかったのを無念そうに顔を曇らせる。


「それでは、魔法の剣は体が治り次第……という事ですか?」

「ああ──いや、待ってくれ。他にも依頼が来ていてね、その後になる、正確には。だが、この体が治るかどうかも正直分からない状態でね……それに、魔法の剣は作製中に崩壊する事も多い。その崩壊した分の素材費も保障できないし、付ける属性の組み合わせにもよるが──一本いっぽんに数万、あるいは数十万ルキは掛かるし、素材もこちらから出す場合は消失した分も払ってもらう、それくらい難易度の高い錬成なんだ」

 滔々(とうとう)と説明すると、大柄な女は「分かった、素材は用意する」と応えた。


「だからあん──オーディスワイアさんは体を治してくれ、私やラピスは──できればフレジアにもだが──魔法の剣や()()を用意して欲しいんだ」

 続けてそう言った彼女。


 手斧──? 三人の美人──もしかすると、この女達が「三美人の冒険者」とか呼ばれている奴らだったのか?

 私服姿は普通の服装なので思い当たらなかった。レーチェと同じ様なエロい伸縮肌着ネクタートを着ているものとばかり期待し……いや、想像していたのだ……

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