家財道具の発注を
《外伝》や登場人物の設定などが読める物も投稿してあるので、ぜひ読んで見てください。
タイトル上部の『方舟大地フォロスハートの物語』から《外伝》を探せます。
鍛冶場以外にも徒弟の住む寮となる住居と、旅団側の住居が二階に用意されているのだ。
一階にあるいくつかの部屋や設備を見て、二階にある各部屋を回った後に思った事がある。
「家財道具を購入しなくちゃ!」
というものだった。
この中央都市ミスランにも寝台から本棚まで、一通りの物は揃えられる店がある。多くの場合は中古品を修繕した物だが。
資源は貴重、貴重なのだ! 無駄にして良い物など何も無い。食材から出たゴミとなる物は有機肥料に生まれ変わるし、朽ちて使えなくなった家具でさえ、薪として燃やして、その灰などを利用する事が求められているのである。
錬金術を駆使してある程度の物は復元、修理出来るし、長持ちさせられるのだ。だいぶ前からフォロスハートでは家具に劣化防止を付けるのが普通になったという、錬金術の進歩と共に、フォロスハートでの生活は豊かになっている、と言っても過言では無い。
その担い手である錬金鍛冶師候補を育てるのだ。住み込みで働く彼らの為にも、寝台やテーブル、箪笥などは用意してやりたい。
そう思いながら鍛冶屋付きの住居を見ると、その二つの部屋には寝台や箪笥などが運び込まれていた。
どうやらレーチェが気を利かせて、先に二人分の家財道具を搬入するよう指示を出していたらしい。──さすがは出来る女。
改めて副団長の手際の良さに感動しつつ、他の部屋や調理場なども見て回ると、調理器具などは用意されていた。
どうも鍛冶屋の住居区画の部屋には、家財道具が用意されているのだが、旅団拠点側の住居などは寝台すら用意されていないらしい──
そういえば、旅団側の部屋は比較的大きく設計されていた。一人部屋では無く二人、あるいは四人部屋を想定しているのではないだろうか。
大部屋に二段寝台を二台入れれば、確かに四人は住めるが。……そこまで考えて設計していたか、副団長は。
俺は鍛冶屋の方の設計ばかりに気を取られていた、レーチェは思いの外、この旅団が大きくなる事を期待しているのかもしれない。そう気づかされた……
俺は一階に戻り、鍛冶屋と旅団拠点に必要な家財道具を、図面に書き足して行く事にした。これはレーチェが遠征から戻って来たら、どういった内装にするかなどを相談しよう──
鍛冶屋については俺が色々と揃えなければならないが、こちらは武器防具の保管棚など、大きさなどを決めて発注しなければならない。
カムイ達を宿舎に戻し、鍛冶屋の図面を確認しながら棚などを書き込んでいく。
こうして昼になるまでその作業に没頭した。
エアネルが昼食が出来ましたと言いに来るまで、集中して図面に書き起こし、新しい鍛冶屋の内装を想像しながら──そこで作業するのを楽しみにして、図面を完成させた。




