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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第六章 休養と若手の育成

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水玉葱を食べよう

誤字報告してくれた人に感謝~ やはり「冷暗所」と表記すべきだったか……「低音の暗所で保存」ってロックな野菜なのか?(笑)

 夕食は多くをリーファが一人で作ってしまった。俺は水玉葱を使った生野菜の盛り合わせと、燻製豚バラ肉(ベーコン)と水玉葱の汁物スープを作っただけだ。

 料理の途中でリーファは、水玉葱を切っただけの物を口にし「なるほど、こういう味ですか。確かに甘みが強いですね、肉に添えるだけでも面白そうです」と新食材に興味津々の様子だった。

 さすがはレーチェの万能侍女。料理の研究もおこたらない。


 欠点があるとすれば、メイと同じ武術流派での修業のせいか気配が鋭く、子猫達からは敬遠されがちだ。ライムはえさをくれるリーファの事を避けたりはしないが、最初は近寄ると警戒心をあらわにしていたものだ。

「近頃は私を見ると、足にすり寄って来る様になったんですよ」と彼女は嬉しそうに報告してきた、彼女も小さな生き物に好かれると嬉しいのだ。


 庭で訓練後の休憩をねた柔軟体操をしているレンネルやニオ、フィアーネを呼んで食事を運ぶよう言いつける。

 俺も木皿に盛り付けた生野菜料理サラダを運んだりしていると、そこへ仲間達が帰って来た。


 今日はあらかじめリゼミラとアディーディンクの子供達も連れて来ると予定に立てていたので、珍しい食卓風景になった。

 ここには居ない五名は今頃、都市ウンディードの方で食事を取っているだろうか。


「いただきます」

 全員が席に着くと食事を始める。

 俺は何をいてもまずは、水玉葱を使った生野菜料理から口にする。──我ながらいい出来だ……いや、切って調味酢ドレッシングを掛けただけと言われれば、その通りなんだが。


「玉葱っぽくないな、トマトみたいな食感の甘い玉葱──そんな感じだ」

 どれどれと皆も、それぞれの取り皿に取ったものを口にする。

「美味しいですね、玉葱が苦手な人もこれなら食べられるんじゃないかな」

 アディーが言うと子供達も生野菜料理に口を付ける。──怖いお母さんが、野菜も食えと常日頃つねひごろから教育しているらしい。

 そんな母親は子供達よりも俺の方をじっと見ている──


「なんだよ、そんなに見られていると食べにくいだろうが」

「気の流れは回復しそう?」

「う──ん? ……っていうか、そんなにすぐ効果が出る訳ないだろう」

 だよな──と笑いながら燻製豚バラ肉と水玉葱の汁物スープを口にして、これも旨いなと声を上げる。


 こいつは子供を産んでも、昔と、ちっとも変わらないな。──脳味噌のうみそが歳を取らないと言えば聞こえはいいが、成長していないと言えばそれまでである。


「おい、今なんか()()()()()な事を考えていたな?」

 黒い瞳を不気味に輝かせこちらをにらんでくる。

「い──や、な──んにも」

 こんな具合に俺達は和気藹々(わきあいあい)と(?)食事をたのしんだのである。


 *****


 翌朝の冒険にもリゼミラが出る事になったが、アディーは家に残り、子供達と過ごす事にすると言った。

 リゼミラは上級難度の転移門に行きたいと言うが、まだその時期では無いと断りを入れる。もちろん多少の危険リスクを覚悟して望む事も出来るだろう、リゼミラやリーファなら。

 カーリアは危なっかしいし、カムイやヴィナーも、まだまだ中級の転移門で腕を磨く方がいい水準レベルだ。エアネルやレンネルも同じ、まだまだ上級へ送り出すには不安だ──


 しかし各自が情報をそろえて、上級のどういった所に注意すべきかを理解していれば、その危険にも対処できるだろう。

 各自の足りない部分を知識で補いつつ、さらに道具や装備品で強化すれば何とかなる場合も少なくない。


「そうだな……しかしそれは、レーチェ達が帰って来た後に話し合う事にしよう」

 俺は取りえず前向きに考えておくと明言してリゼミラに、上級への冒険は、もう少し待つ様にとうながした。

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