留守番と猫の世話
息抜きの(?)日常回。ちょっとだけオーディスワイアの昔話入り。
最初の頃は苦労していたオーディスワイアさん、最初に加入した旅団は○○ばかりだったとか……
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昨日は大変だった──というか、未だに片付いていないのだ。
シャルファーに遠征に行っている団員が集めた素材などが、大量に送られて来たのだ。こっちには俺しか居ないというのに、バカなの? ねえ、皆バカなの?
庭に乱雑に置かれた荷物。──これでも倉庫などに、かなりの量を搬入したのだ。残りは今日中に何とかなるだろう。
「ニャァアァ──」小さな木箱の上で日向ぼっこしている猫が、鳴き声をあげてからでっかい欠伸をした。
「俺一人参上」
そう言うと白い猫は、お腹を見せて寝っ転がる。妊娠中から世話をし続けたせいか、一段と俺に気を許すようになっていた。
それは嬉しいのだが、餌を強請ったり、撫でろと要求してきたり、子猫の相手をしろとズボンを引っ張ったりするくらいなのだ。……「猫の手も借りたい」などという言葉があるが、つまりは「意味が無いのでやっぱりいらない」という意味なのかもしれない。
「そぉ──れ、もふもふだぁ──」と、猫の腹をわしわしと手で触ると、両足で掴みながら指に噛みつく──本気で噛んでいる訳では無いが、魚臭くなったりするので止めて欲しい。
「ゥニャァ──ォ」
低く鳴き声を上げると、ごろごろと喉を鳴らす。その喉を掻いてやると、彼女は気持ち良さそうに喉を鳴らしながら日向ぼっこを続けるみたいだ。──子猫達は眠っているので、今は静かにしているが、ひとたび目が覚めると「にぃにぃ、みぃみぃ」と大合唱を始めるのだ。
猫の相手もそこそこで切り上げて、残りの品物を宿舎倉庫へ運び込む──その内の一つ、白銀騎士の装備品が目に付いた──これは結構いい品だ。いくつもの効果が付与されていて、このまま使っても全然ありだと思う。
盾もなかなか凄い、軽硬合金を使い、さらに「軽減効果」「劣化防止」「硬化」などいくつもの便利な効果が付与されている物だ。
騎士長位階の相手から獲得した武具だろう。これはカムイが欲しがるのではないだろうか。俺が冒険を始めてから一年もしない間に、こんな物を手に入れられたら──欣喜雀躍していたはずだ。
頼れる仲間が居てこその体験だ──俺が冒険を始めての一年は、苦難の連続だった記憶しか無い。
「金色狼の旅団」に入る前には別の旅団に入った事もあったが……止そう。大した話題も無い、初心者が集まっても玄人にはならないという、至極もっともな話しが聞けるだけだ。
それにしても懐かしい、白銀騎士との熱い攻防。思い出すなぁ、剣と盾を持って何度も戦ったものだ。相手の攻撃を盾で受け流しながら鎧の隙間を狙って反撃する。──そんな技術を身に付けたのも「白銀騎士先生」のお陰かと思うくらいだ。
「何度も死にかけたけどな」
そう独り言を言って、白銀色の剣を抜く。
無骨で、重厚感のある厚めの刀身。適度な長さと重さのある両刃の剣を振り回して空を斬ると、爽快な気分になる、やはりいい得物は、それだけでワクワクするものだ。
強い武器への憧れみたいなものは、男なら誰しも持っているのではないだろうか。前世がローマの兵士や剣闘士でなくても、強い者への憧れはあるものだと、俺は思う。
まあ中には女でも、そういった感情を持っている奴も少なからず居る訳だが……
そのせいか、俺はお淑やかな女性が好きだな。ムッキムキの筋骨隆々女や、脳筋女だけは願い下げだ。
……おっと、いかん。
火の神に「象徴武具」を届けに行かなければならないのだが──旅団員が帰って来てから相談するとしよう。
まずは庭に置かれた物を片づけるのが先だ。そう考えると手にしていた剣を鞘にしまい、盾や鎧と一緒に倉庫へ運び込む。
新しい旅団の拠点となる鍛冶工房には、素材保管庫以外にも武器庫や宿舎も用意される。そこが建築されるまでは何とかやりくりしていかないといけない訳で……




