子猫が産まれそうだと報告に
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ナンティルは魔法の武器の作り方などを知りたがったが、それらは管理局で認められないと話せないと言っておいた。フォロスハートの利益を損なうかもしれないのだ、この大地外の者に話すのは。
まあ猫獣人族には、そのうち明かされる事になるんじゃないか、と曖昧な返事をして、彼女から精霊結晶なども購入してから帰ってもらった。
「うぅ~~、ケチ! 虫に刺されて痒くなれにゃ!」
彼女は悪態を吐きながら宿舎を出て行った。それにしても「虫に刺されろ」とは変わったなじり文句だ。文化の違いって奴かな……
猫獣人の行商人から購入した素材を素材置き場にしまうと、管理局に報告に行く事にした。──ついでに猫砂を持って行き、作り方を教えて開発費を貰おうと考えている。
宿舎を出る前に倉庫の中を覗いてみたが、猫の様子に変化は無い。皿の上に水を入れてから管理局へ向かう事にする。
*****
管理局に来ると直接「技術班」の入っている建物までやって来た。この前、ここに来た時にはメリッサは居なかったが、今回はちゃんと居た。
「この前はどうも、『象徴武具』はちゃんと風の神殿に送りました。おそらくですが来月の『秋冬の儀』で使われる事になると思います──そこで、今月の終わりに行われる『送夏の儀』を火の神が行いますので、それまでに『火属性の象徴武具』を作って欲しいと、火の神殿から依頼が来ました」
手紙が管理局に届けられ、火の神たっての希望と書かれていたそうだ。後日「オーディス錬金鍛冶工房」に神貴鉄鋼を届けるので、報酬は管理局を通して行って欲しいという事が書かれていた。
「という事ですので、よろしくお願いします」
メリッサは頭を下げているが「もちろん断れませんよ?」といった顔をしている……
「それで、今日はどうしましたか? 今言った通りの事があったので、これから伺おうと思っていたところでしたが。──何かあったのですか」
「うむ、実は野良猫が宿舎に住み着いて、どうも子供を身籠もっているらしい。そこで管理局の動物保護の担当局員を紹介してもらおうと思ってね、猫の出産に当たってどうすればいいか聞きたいと思って、あとこれ」
そう言って猫砂を入れた布袋を差し出す。
「なんですか? この砂利は……」
「猫の便所に使う砂だ、臭いを抑えて小便を固めたりできる。この粒より少し大きく作る方がいいかもしれないが、作り方はここに書いてきた。それとも、もう開発されていたか?」
紙を受け取りながら彼女は「いいえ」と首を横に振る。
「猫砂ですか、確かに猫を飼っている人にとってはありがたい品物かもしれませんね。極一部の人にとっては、ですが」
彼女の反応は冷たい、動物を飼っている連中など貴族くらいのものだからだろうか。
「まあ、ありがたく開発物に登録しましょう。報酬は──八千ルキでいいですか? 動物関連だとこんなものですが」
さすがに洗濯機や給湯設備の様な物とは違い、報酬が圧倒的に少ない。
まあ貰えるだけありがたい話だ。しかも小一時間考えて錬成した物が八千ルキも貰えると考えれば結構な物だと言える。
メリッサは助手に頼んで、動物保護局員を連れて来てくれた。猫砂をその局員に渡して、実際の効果を確認してから報酬が支払われるのだ。
この局員から話しを聞き、猫の食欲が下がるのは子供を産む前に起こる事なので、安心して大丈夫だと言われ、ほっとする。
他にも臍の緒が付いたままの場合に、清潔な鋏で切ったりするやり方を教わった。──生き物を飼うって大変なんだなと改めて思う。
小さな動物が死んでしまうと悲しいしな……




