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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第五章 混沌の海と神々の大地

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森竜の解体と運搬(エアネル視点)

 大きな足に蹴り上げられて吹き飛ばされた私だったが、軽い脳震盪のうしんとうになっただけのようだ。問題は無い、と座ったまま手を上げる。

 それにしても攻撃してから離れるのが遅すぎた。私の考えでは槍を抜いて離れてから、さらに後ろ足を切り付けながら離れる予定だったのに──無様すぎる。


 心配して駆け寄って来るレン。……いいから、あんたも活躍しなさいよ。……私がそうつぶやくと、後ろ足を切り付けたりしたんだよ! と文句を言う。

 ()()()()と後ろ足を斬っている、あんたの姿が目に浮かぶ。


「大丈夫……?」

 カーリアが声を掛けて来た、彼女のお陰で助かったのだ。私は素直に礼を言う。

「大丈夫、ありがとう。助けに来てくれて」

 そう言うと彼女は少し照れながら「うん」とだけ返事をする。私は彼女の手を掴んで立ち上がらせてもらった。それにしても、こんな巨大な相手と戦ったのは初めてだ。

 カーリアも「私も」と答える。


 エウラさんやリトキスさんは、レーチェさんらに皮の解体について助言している。私達は爪を、その後に(綺麗な)牙を抜いていく事になった。目を閉じている巨大な蜥蜴とかげ頭に近づくと、大きな口に噛みつかれないかと、死んだ相手だというのに怖くなる。

 なにしろ巨大な口だ。大人二名でも余裕で噛みついて飲み込んでしまうだろう。それほどの大きさがある生き物だ。肉を持って帰る事も出来るが、尻尾と一部の部位だけを持ち帰る事になった。尻尾の肉は美味しく、うろこは硬いので、鎧や盾に使われるという。


 この森竜の残りは管理局に報告し、余裕があれば取りに行ってもらうのである。その為の緊急任務が管理局から出され、手押し車なども貸し出されて、肉を持ち帰るのである。


「これ一頭で相当の量の肉が手に入りますよね」

「一頭で一万八千ルキの討伐報酬がもらえるしね。素材も売れば大儲おおもうけよ」

「素材は旅団宿舎の方に送りましてよ。オーディス──団長もウンディードから帰っている頃でしょう。こんな大物を仕留めたのですから、今夜は林檎パイですわね」


 こんな会話をしていたのも一瞬の事だ。帰る段になると皆が、最短距離を通る道に目印を木に書き記しながら、辺りを警戒しつつ帰路きろに就く。


 *****


 転移門をくぐり抜けてシャルファーの街に戻ると、さっそく管理局に行って「悪臭満ちる森林」に、森竜の肉を調達に行くよう報告する。

 その報告が終わるとミスランに荷物を送り届ける手続きをして、血やあぶらなどを出来る限り落とした森竜の皮や尻尾、狐狼の毛皮や青銀甲鼬アイングファーの甲殻なども一緒に運び出してもらう。


 下位難度の転移門先から帰って来た仲間が入手した物も合わせると、かなりの量になった。

 荷車が街の外へ向かって行くのを見送ると、私達は近くの食堂で小さな宴会を開く事になる。


 宴席の前にレーチェさんはカーリアの働きを誉めて、仲間の危機に果敢かかんに駆けつけて窮地きゅうちを救ってみせた彼女に乾杯を捧げ、私も乾杯の声を上げて、彼女の前途を祝福するレーチェさんの言葉に賛同した。

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