表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第四章 新たなる旅立ち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/585

遠征中の旅団、エウラ班(エウラ視点)

「風紋岩」は創作した言葉です(たぶん)。キノコ岩、と呼ばれる物を作り出す環境、とでも理解してもらえると何となく風景が想像しやすいでしょうか?

 かつて私が「深緑の風見鶏旅団」に入っていた都市シャルファーにやって来た。今は中央都市ミスランにある「黒き錬金鍛冶の旅団」という旅団に入っていて、今日はその旅団の仲間達と遠征にやって来ていた。


 発足してそれほど立っていない旅団だが、そこそこ上質な宿屋の部屋を三つ借りて、女性陣が二部屋、男性陣が一部屋使う事になった。女性九名、男性三名と人数的な違いがある為だ。


「エウラさん、早速ですがパーティを分けて行動する前に、向かう先に出る敵などの情報を聞かせて頂けます?」

 そう私に呼び掛けるレーチェさん。彼女は今回、中級難度の転移門へ向かう班の統率者リーダーを務める事になっている。私はカムイ、カーリア、ヴィナーと共に、下位難度の転移門先でおもに採取を行う探索を受け持つ事になった。


 下位とはいえ油断は出来ない。青銀甲鼬アイングファーいたちに似た動物で、素早い動きからとげのある金属質の甲殻で体当たりしてくるなど、そんな危険な相手も居る。


 中級難度の「大怪鳥の森と谷」では、その名の通り巨大な鳥が現れる、危険な領域だ。

 他にも「悪臭満ちる森林」や「太古の城塞都市」など、危険な敵が出現する場所は多い。


 私は中級難度の転移門に向かう仲間達に、思いつく限りの情報を与えた。レーチェさんは慎重な人だ、無茶はしないだろう。

「それでは、お気をつけて」

「ええ、あなたも」




 私達は広場にある、それぞれの転移門へ向かう。私にとっては懐かしい探索になるが、三人の仲間にとっては初めての冒険になるのだ。気を付けるべき点についてはすでに話してある。後は仲間達連携で切り抜けるだけだ。

「目標は青銀甲鼬の素材、黄金林檎の採取も念頭において、でもあまりその事に気を取られ過ぎないように。敵を排除しながら慎重に進みましょう」

 うなずいている仲間達を見て私も頷き返す。

「行きましょう!」

 三人はそれぞれの言葉で返事をして転移門へ足を踏み出す。




「風紋岩の荒れ地と森」は背の低い樹木や草が所々に生えている場所もあるが、ほとんどが()()()()とした岩場で、風によって削られた奇妙な形の岩がまるで立像の様に立ち並ぶ場所があったり、隆起した斜面が造る風の通り道らしい通路の様な所もある。


 私とカムイが前衛に、その背後にヴィナーとカーリアを配置して進む。

「本当に道みたいなのが続いていますね、これも自然現象でできたんですか?」

 カムイが周囲を見回しながら感想を述べた。彼の言う事も分かる。私も初めて見た時は、人が通る道を作ったのではないかと疑ったものだ。

「ええ、間違い無く自然が作った地形ですよ。魔物や動物が作るとしたら巣穴くらいでしょう」


 確かにと納得するカムイやヴィナー。カーリアは丘の上に生えている灌木かんぼくを見て、その木に生る小さな実を食べている栗鼠りすを見ている様子だ。

「遅れないでカーリア、離れては駄目よ」

「う、うん……」

 すると緩やかな斜面の上に四つ足の獣が駆け上がって来た、茶色い毛を持つ狼に似た獣──狐狼だ。


 数匹の狐狼は大した危険にはならなかった。カーリアも一匹仕留めたので安心する。最初の頃よりは格段に戦える娘になった。


 毛皮や爪を剥ぎ取ると岩場を抜けて森へ向かう。森の近くの方が青銀甲鼬なども出現し易い、この森の林檎の木には、まれにだが金色に輝く林檎が生る。理由は分からないけれど。

 これを管理局に持って行けば高値で売れるので、若手の冒険者は、これを狙って無理をする事もある。

 だが私達は、全員中級難度の転移門にも冒険に出られる冒険者だ。若手とは違う。


「あ、あれは……!」

 カーリアがいち早く敵に気づいた、青銀甲鼬の群れだ。四匹は居る。

 群れの真ん中に倒れた狐狼の子供が一頭倒され食われていた。私はカムイと共に突撃すると食事を邪魔されて怒っている獣に斬り掛かった。


 カーリアも前へ出ると地属性の魔法の刃を剣に宿し、気の刃を放って一匹を転がし、腹を見せた所へ次の斬撃を撃ち出してとどめを刺す。

 魔法剣を使えるようになって、この少女はすっかり頼れる団員の一人となっていた。まだまだ危なっかしい部分もあるけれど、大きくなるうちに変わっていくだろう。


「さ、甲殻を剥ぎ取りましょう」

 私は短刀を手に取って、鼬から甲殻を剥ぎ取るやり方を見せる事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ