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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第四章 新たなる旅立ち

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水の神との謁見

 開かれたドアの陰から現れたのは十七、八の少女だった。──華美な礼装用婦人服ドレスでは無く、貴族の少女の普段着の様な、品の良い水色の上着とスカートを身に着けた……。長く美しい青い髪を持った少女だ。


 その姿を見た俺は、夢の中に何度か現れた青い髪の少女──過去の記憶と思われる夢に見る、その少女が少しだけ成長した姿を見た気がした。

 あの夢に出る風景や少女は、俺がウンディードで体験した過去の記憶なのか?


()()()()()です……オーディスワイア」

 少女──水の神アリエイラはそう言って、ぎこちない笑みを浮かべる。

 彼女は手紙に書いていたように「自分が犯した事」で俺に負い目があるらしい。──いったいそれはどういった事なのか? 俺は少女の姿をした水の神に一礼すると「お召しにより参上しました」と、先ほど口にした言葉を繰り返した。


「はい」

 澄んだ声で彼女は返答し、水色の瞳でこちらを見つめる。──その美しい瞳の色とは裏腹に、彼女の表情は曇っている。

「水の神アリエイラ様、手紙に書いてあった事を尋ねたくてやって参りました。そして今あなたは()()()()おっしゃいましたが……申し訳ないのですが、あなたとお会いしたという記憶が無いのです」

 そう言うと彼女は寂しげに微笑む。


「そうですね……でもまずは、お礼から言わせて下さい。神貴鉄鋼シルエヴァルリスの短剣は実に素晴らしい物でした。あの短剣のお陰で、精霊としての力を増幅する事ができたのです。感謝しています。ありがとう」

 少女の姿をした神の言葉は、心にしんみりと響いてきて、俺は感激し、その場で膝を折って彼女の感謝の言葉を全身で受け取った。


「身に余る光栄です」と、自然と言葉が口から出てきた。この大きな力を持つ存在に認められる喜びに、法悦ほうえつと言うものを生まれて初めて感じた。

 するとアリエイラは突然近づいて来て、立ち上がった俺に抱きつき、ぎゅっと腕に力を込める。

「あなたには本当に感謝の言葉しかありません。私のまま()()()()()()()()()()()()()()のに、あなたは私の力になってくれたのですから」

 俺は驚いて広げた腕をおろおろと動かす。両手をどこに落ち着かせればいいのか分からずに、少女の姿をした神に抱きつかれたままになってしまう。


「あ、アリエイラ様。どういう事ですか? ()()()()()()って、──俺に分かるように言って下さい」

 意を決して彼女の肩を掴むと、そっと体を引き離す。悲しげな顔をした彼女の白い頬に、すうっと涙が伝っていた。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

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